ドライマティーニにJ-POP
クソ曲がかかってるドン引きバー

最近はいろんな店でジャズがBGMとしてかかっている。先日、蕎麦屋でウェス・モンゴメリーの『フル・ハウス』がかかっていた。ジョニー・グリフィンのテナーがいい味を出しいて、美味しくいただきました。とろろ蕎麦みたいな味わい(笑)。
友人からスマホのLINEで怒りのトークが届いた。夕方、ちょっとイラつくことがあって気分転換に一人でいい感じのバーに入ったそうです。こういう時はドライマティーニだと思い注文。そこでのことをライブ中継してくれました。途中にLINEのスタンプを挿入想像してお楽しみください(笑)。

「中央線の●●駅前、女一人でバーに行く」
「ドライマティーニを注文」
「BGMはJ-POP(G●●Yみたいな~)。クソ曲がかかってドン引きバーだわ」
「バーなら音楽はジャズだろ!ここはスナックか?最低」
「クソバー!マティーニがマズくなった」
「二曲目もJ-POPのバラードだよ」
「なんだ、このクソバーテンダー!バイトか?」
「止めてくれ!J-POPバラード!」
「24才のバーテンダーって、これがお前の好みの音楽か?」
「バーなのに、J-POPのバラードありなの?」
「おしゃれなバーで邦楽~死ぬ!はじめて過ぎて死ぬ~!」
「頭にきた!次もう一軒行く」
「クソ邦楽バー、J-POPバラードかける店なんてつぶれてしまえ」
「マティーニを一杯だけ飲んで次!って道場やぶりみたい」

「二件目はジャズの店!(ホッ)」
「つーか二件目はマティーニとお通しで1,990円もぼったくられた!」
「三十路女をなめんなよ!」
「帰ってウコンの力飲んで寝ま~す」
「マティーニが好きなんです」
「カッコつけてる分けじゃなく、やっぱり飲む時はジャズがいいです」


何とも爽やかでストレートな意見ではありませんか。この話の重要なテーマは「女性が一人でバーに行く時の音楽」と「最後はウコンの力を飲んで寝る」が鮮明に表現されています。
これは2週間くらい前の話で、おそらく落ち込んだ気持ちを盛り上げて欲しいと思ってのトークだったと思うのですが、その時は気の利いたコメントが返せなくて「オレって不甲斐ない~」と心苦しく思っていたのです。まぁ日常茶飯事、そういうことってありますよね(笑)。
んで、その時にどんな音楽がかかっていたら、彼女は美味しくドライマティーニを楽しめたのかを考えてみました。早速セレクション!!あぁ、これなんかいいんじゃないかな?


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Stardust Natalie Cole(1996/Warner)
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Natalie & Nat King Cole - When I fall in Love (Subtitulos Español)
Natalie Cole - Smile

偉大なジャズ・ピアニスト、ヴォーカリストであるナット・キング・コールを父に持つ、実力派超大物シンガー、ナタリー・コールのアルバム。彼女はグラミー賞を8回以上も獲得しているが、そのなかでも “親の七光り”アルバム『アンフォーゲタブル』(91年)がもっとも鮮烈な印象を残したアルバムでしょう。親子愛を見せつけたタイトル曲(生前の父・ナットの音源にナタリーのヴォーカルを被せて、デュエット曲に仕立てている)は全米ポップチャートで5週1位というジャズ作品としては異例の大ヒットを記録。
確かに『アンフォーゲタブル』はすごくいいアルバムですが、最初に聴いた時の印象は、ちょっと力が入っていてテレてしまいます。それから5年・・・この『スターダスト』(ここでも父・ナットの音源にナタリーのオーバーダブのデュエット曲「When I Fall In Love」が一曲)やっと父親のレパートリーのスタンダードを、ナタリー・コールの味で消化していると思える大人のアルバム。是非、「ウコンの力」を借りる前にナタリー・コール!!

今回はドライマティーニを飲む時のイチ押しはこれですが、このアルバムを選ぶ時に悩んだ、もう一枚のアルバムがこれ。これも女性がドライマティーニを飲む時に合うと思うんだよね。

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Live in Paris Diana Krall(2002/Verve)
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Diana Krall - Just the way you are

パリのオランピア劇場でのストリングス入りのライヴ盤。いまやジャズ界の大スター、ダイアナ・クラール。金髪美人、上品なピアノ、実力派ヴォーカル、完璧なダイアナ・クラール。相変わらず媚びたりしない硬派な姿勢は痛快でもあり、気の弱いジャズ聴きおじさんには、好きだけどちょっと怖い女性(笑)。意外とジャズ聴きたちには不人気なような気がする。
収録曲「素顔のままで(Just the Way You Are)」のみスタジオ録音。マイケル・ブレッカーのサックスがフィーチャーされている。
これはライブDVDも発売されているので、一度は観たことがあるのでは?ジャズバーでは人気のDVDです。
ダイアナ・クラールが敬愛するのはナット・キング・コールだそうで、今回はナット・キング・コール繋がりの二人の女性ヴォーカルのアルバムでした。