【映画評】 ポンペイ ディザスタームービーの駄作。
周回遅れ度 7周(2014年作品)
ディザスタームービーが好きなのと、アマプラで無料だったのと短いので観ました。
ディザスタームービーの見どころって、ディザスターシーンそのもの以外では、人の心境の変化とそれによる行動の変容だと思うんですね。
家族を顧みなかった父親が、家族を命がけで助けないとならない場面になったことで絆を取り戻すとか。
老夫婦が死を前に人生を振り返り、改めて幸せを噛みしめて「いい人生だった」と語り合うとか。
知らない同士が一致団結、火事場の馬鹿力を発揮して危機を逃れるとか。
決められた結婚に人生を諦めていた良家のお嬢が危機を目の前に本当の自分の気持ちに正直になって貧乏人のイケメンとくっついちゃうとか。
あまり世間の評価は高くない様ですが、3番目のパターンの傑作にトミーリージョーンズ主演の「ボルケーノ」というのがあります。これ激アツの大傑作だと思うんだが…
4番目のパターンは「タイタニック」ですな。
んで、この「ポンペイ」のアカンのは、この行動の変容が無い。4番目パターンに近いが、お嬢を狙う元老院議員オヤジに最初っからお嬢はイヤイヤ剥き出しで、大災害に乗じてこれ幸いとオヤジ殺して、それで貧乏人のイケメンと手に手を取って新世界へ…となるならまだ爽快感もあるが「一緒に死ぬ」と死んじゃうんだもん。何のためにオヤジ殺したんだよ。アレコレありましたが、みんな火山の噴火で死んじゃいました、オシマイ、って、なんじゃこのヒドイ映画!剣闘会シーンはグラディエーターの劣化コピーみたいだし…
まあ最後、イケメンがお嬢助けて自分は死ぬだとまるっきりタイタニックになっちゃうのでそれは避けたかったのかもしれんが、この企画自体が失敗だったんじゃない?てな映画でございました。
