虐殺は、少なくとも6日まで続きました。
 9月1日だけではまったく不十分に思えたので、また記します。
 
 過ちが繰り返されかねないと危惧しています。
 現在の自警団と言える容疑者は、求刑どおりの実刑判決となりました。それは当然として、これはなんだ!?
《 被告は最終意見陳述で「私のように差別、偏見、ヘイトクライム(憎悪犯罪)の感情を抱く人は多いことを認めなければいけない」と述べた。》

 多数が同じだと主張して何の意味があると思ったんだろうと不可解になりました。
 けれど、それを拠り所と出来る心性なのだろうと腑に落ちるに時間はかかりませんでした。ネトウヨを見ていれば解ります。99年前の彼らもそうでした。
 よくまとめてくれているブログを見つけました。以下は、一言を添えつつそちらからお借りします。

 まずは、小学生の恐ろしい作文  から。

 と、その前に 
いろはにほへいと!
  これを言っておかないとネトなマナーの先生みたいな人に言葉が変みたいに言われておちおちしていられなくなっちゃいますから。
  お目々パッチリの時間帯だから発音も問題なかったでしょう。

 じゃっ、始めます。

 今もよく見る逆転現象。
これらの作文の中に、当時「朝鮮人さわぎ」と呼ばれた虐殺事件が何度も出てくる。
「朝鮮人さわぎ」とはいうが、騒ぎ回って人殺しを繰り返していたのは日本人の官憲や自警団であり、朝鮮人たちは理由もわからず一方的に殺されていたのである。

 ”理由” とは、事実かどうかは関係なく、誰かが言ったのと同じことを言っていれば大丈夫な者どもによる流言です。井戸に毒という近年の災害でも聞いたデマの他、
《 朝鮮人が暴行して居る、と云う事を盛んに聞えて来る。》
《 朝鮮人が火薬倉庫に火を附けた。》
《 ぴすとるをもって人をうちころす 》
等々と流布されました。 

  ネトウヨも、こんなふうに妄想上の被害( つまり、嘘 )を分かち合って仲良くなります。
《 朝鮮人が人を殺ろしたり、あばれたりしていると言って話をしているうちに、朝鮮人が来たからお集つまりなさいと言っているので、おっかなくて身がぶるぶるふるえていた。
 ※略
 少したって姉さんはおむすびを持って帰って来た。》

《 朝鮮人がぴすとるをもって十五人ばかりきたという事だった。その夜はだれもねず、火をどんどんもして、ばんをしていた。とうとう朝鮮人はこなかった。》
 のにわざわざ殺しに行って、
《 皆んなは竹の棒で頭をつっついて、「にくらしいやつだ、こいつがいうべあばれたやつだ」》
 とは? と、彼らは考えられません。このおかしさが気にならないんです。ただ、誰かの悪意を自らにコピペするのみです。

 そして、こんなふうに楽しむはずです。略に続く引用にご注目ください、子ども心にも娯楽しています。
《 なんでぼうをもっているのかとききますと、朝鮮人がみなをこまらすからこのぼうでつついてやるんだといいましたのでした。ではわたくしに一本おくんなさいといってもらいました。それで兄さんといっしょにでかけました。
 ※略
またちようせんじんがぴすとるをもってうとおとしていましたからにげてきてしまいました。》

 聞き覚えた言葉をすぐ使いたがってトンチンカン、まるでネトウヨのよう。当時の大人が頓珍漢だったんだから、しょうがありません。
《 磯子小 6年 男子
 (略)又モオソロシイ朝鮮人ノサワギ。世間一パン武器ヲツカイ、朝鮮人トタタカイ、マルデ戦国時代ノヨウデアル。朝鮮人ノ死体マルデ石ガコロガッティルヨウデアル。》

 記事には地の文に、作文には朝鮮人への同情も虐殺への怒りも見えない 一番恐ろしいと思ったのは、虐殺現場を見た話が、当たり前のように「おなかがへった」「おにぎりをもらった」「夢中で食べた」といった話と並んで書かれていること とあります。
 「不快な思いをなさいましたね」などと先生に舐め々々してもらえたんでしょうか。被害を騙れる彼らがこわいです。
《 ころされて川からながれてくるのを見ると、きみがわるい。それから学校も出来たから学校へいって友だちとあそべました。》
《 家の前の川へは毎日五、六人位い朝鮮人が何ともいわれぬ色に染って浮いて来る。時には流のぐ合により毎日一所に止っている事等があるので見まいとしても見えてしまうので、ご飯のたべられない上に余けい口に入いらない。》

 リンク先で、ただ独り〈 なんだかしんじようと思ってもしんじる事はできなかった 〉と記す榊原八重子さん(寿小高等科1年)の作文を読んで頂きたいと思います。反・反差別は、正義を気取っている等と言って揶揄するんでしょうけれど、そういう事ではありません。

以上。 


 あとは、各々でどうぞ。
※ 都立横網町公園とその周辺での朝鮮人虐殺  2017/12/17 - 読む・考える・書く 


※ 関東大震災後の熊谷市での虐殺  2010/09/26 - 読む・考える・書く