私が会社を作った10年前、事務所はレンタルオフィスの一部屋だったのですが、同じフロアに結婚相談を業とする会社がありまして、初老の女性が社長でした。相談所を介してまでして結婚したいという人生、結婚しなくてはならないという人生、私には理解しがたいものですが、結婚している私から言わせれば結婚は確かにした方が良いものです。ただそれは自然な流れに沿った方が良いのではないかと思うところであり、結婚がしたいからあるいは結婚しなくてはならないから誰かと結婚するという事では人生何かと苦労しそうに思います。ただ日本語には選んで粕(カス)をつかむ、などという言葉もあったりして、男女の出会いは運と縁が大きく作用するもんですよね。
1月5日の朝日新聞によると、恋人や結婚相手を探すためのいわゆるマッチングアプリを企業が福利厚生の一環として導入するケースが増えているそうです。社内恋愛やそれを世話する雰囲気は今の時代セクハラに通じる可能性があるからという理由が一つ、もう一つは社員にとって良い会社でありたいという理由があるようです。朝日新聞としてはこれを肯定も否定もせずただ事実として記事にしていましたが、私なら男女の出会いすら金儲けのネタにしようとする現代社会についてどう感じるかを読者に問いかけるところです。そしてこのマッチングアプリに登録できる企業には基準があるそうで、おそらくそれは社員が得ている給料の額や待遇の質のはずです。この現代のカースト制度ともいえるマッチングアプリを良いものだと思う人がいるならば、それはあまりにも効率的で打算的、結婚にもう少しロマンを求めても良いように思えます。
このお正月中のこと、私の知り合いの中で珍しい若い大人であるY君(今年30歳)と会う機会がありました。彼は勉強は出来たタイプで教師ですが世間一般的な男性としての魅力に溢れるタイプではなく、ただ本人はそんなことは意に介さず飄々(ひょうひょう)と生きており、趣味のバンド活動も充実している様子、ギターの腕前も上がっているようです。そんなY君はこの春に職場も変わるとか(教師は売り手市場でしょうね)、私も30歳頃までに4つの会社を経験していますから若い世代の良くも悪くも向こう見ずな時代を懐かしくも感じます。そんな彼とお酒も入りながら話していたら、突如Y君の話は興味深い方向に舵を切ったのです。
彼のバンドの新メンバーに同じ歳の女性が加入したとのことなのですが、その女性とこれまで2回食事を「二人きりで」したそうです。そして3回目の食事に誘ったらその際は都合が悪かったとのことで断られてしまったのですが、改めて焼肉を食べに行きましょうと言ってくれて、1月17日に予定が決まったそうです。どうでしょうか、これは脈ありなんでしょうかというのがY君の話なのですが、私の感覚では嫌な人間と食事を「二人きりで」するはずはないし、そりゃあ大丈夫でしょと思うのですが、まあ若いということは何があるかはわからないもので、Y君の幸福を願うばかりです…。いずれにせよなんにせよ、この高揚感、ドキドキワクワクが人生ではないでしょうか。私たちの出会いはマッチングなどという妙なヨコ文字で表されるものではなく、ましてやそこで手数料を誰かに払うものでもなく、そこは運と縁があるだけの世界です。上手くいって流す嬉し涙も、辛い思いをして流す悔し涙もどちらも若い人間だけによく似合う美しいものですよね。…新年1回目のブログにふさわしい内容のことを書けたように思います、Y君に感謝です。