毎年発表される流行語大賞ですが、今年は「ふてほど」というそのドラマを見ていなかった人や普段新聞や雑誌、ネットニュースををさほど読まない人にはおそらく聞いたことが無い言葉が大賞に選ばれました。私の感じるところでは大賞として妥当ではないと思いますが、まあこんなの社会的遊びというものですから、その結果にあまり目くじら立てなくても良いでしょう。ただ、話題として面白くはないですね。どうせなら二刀流大谷選手関係にしとけばよいのに、とも思いますよね。デコピンでいいじゃないですか、デコピンで。…私が今年の流行語大賞だと思っている言葉が一つあるんですが、それは今回の最後に発表しましょう。
さて、北九州市で住み働く私ですが、北九州市と言えばいま世間を騒がせているのは14日に起きたマクドナルドでの中学生殺傷事件です。現場は私がよく行く小倉競馬場から南に少し歩くところで、国道沿いに郊外店が並ぶ今の日本では珍しくない風景の町です。私の会社事務所からも30分くらいの場所で、今朝も私の住むマンションの児童は保護者が付き添って登校したりしていました。…と書いていたら犯人が捕まったというニュースがネットに流れてきました。これで一安心ということにはなりますが、私たちの住む現代社会は一定数常軌を逸することをやる人間がいるという現実に対して、どうするかを学校の教師、公務員、政治家、大企業の経営者など世の中の仕組みや雰囲気を作る力を持つ人たちは真剣に考えるべきですよね。安全安心を確保するために一番簡単なのは家に閉じこもることですが、その何もしなければ事故も事件も起きないという超屁理屈はNGです。今後同様の事件を防ぐためには「世の中の仕組みや雰囲気を作る力を持つ人たち」の責任は小さくないと私は思います。
今回のように北九州市で世間を騒がす事件が起きると、ネット上で北九州は土地柄そういう場所だから、といったコメントが必ず見られます。そういう場所がどういう意味かというと、工藤会という暴力団が権勢をふるっていて、一般人すら生活上で危ない目に遭うことがあるという、あまりにもマンガチックな話です。それについては馬鹿馬鹿しすぎるのでもはや反論する気も起きませんが、私が北九州市に住み始めた2019年3月以降、一般人が工藤会の組員に襲われたという事件は一件も起きていません。それなのに、今月12日福岡県公安委員会がその工藤会の特定危険団体の指定を1年延長するということを発表しました。結局、こういうニュースがそのネットのコメントに少し現実味を帯びさせてしまうんですよね。福岡県警は工藤会撲滅運動の手を緩めない!といったこともよく地元ニュースでやるんですが、警察は他にもっとやることあるのでは?北九州は危ないところという誤解を広めているのはアナタたちでは?と私は思うんです。北九州市民の感情としては今回のマクドナルドの事件のような犯人の方が工藤会より何倍も恐ろしいので、もっと早く逮捕できませんでしたかね、というところです。
私の考える今年の流行語大賞を発表します。先ほど書きましたが、北九州市は危ないところだと根拠なくネットなどに書き込むこと、これを何というでしょうか。それは…「誹謗中傷」といいます。事実や実体験に基づかない悪口のことですが、最近は権力を持つ人までが自身への批判を「誹謗中傷」だと主張したり、妙な使われ方をしますが、私はこの言葉を流行語大賞に推したいと思います。