輝ける女たち(2006仏) | CINEPHILIA~映画愛好症~

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気づいたら11月。もうすぐ1年終わっちゃいますねー。今月はフィルメックス見に行かれたらと思ってます。

輝ける女たち1 輝ける女たち2

エマニュエル・ベアールxカトリーヌ・ドヌーヴの2大女優競演で話題になっているこの映画ですが、それ以外にもなかなか味わい深い役者さんばかりでした。

ある晩、ニースにあるキャバレー“青いオウム”のオーナー、ガブリエル(クロード・ブラッスール)が帰らぬ人となる。葬儀には彼を父のように慕っていたマジシャンのニッキー(ジェラール・ランヴァン)をはじめ、彼に縁のある人々が集まった。その後、遺言が公開され、なんと店はニッキーの子どもたちが相続することになる。 (シネマトゥデイ)

血縁ではないけれど近い人の死---家族が顔を合わせるきっかけとなるのですが、その家族もやたら複雑で、フランスならではなのか、この家族(というより父親)が特殊なのか・・・。さらにそれに合わせて秘密も出てくる、出てくる・・・。びっくりしながらも、コメディ色を混ぜて楽しい作りになっています。登場人物は多いけど、それぞれ丁寧に描いているから観ていてどんどん家族に引かれていっちゃいます。


が・・・、ラスト直前の花火では呆然でした。本来、盛り上がりの場面なのか?ドヌーヴもどうしてそうなっちゃうかなーとか、Eベアールの惹かれる理由もよく分からんし、イケメン息子(ちょっと山本耕史似?)と彼氏の後姿も趣味を疑った・・・(その異文化的なところがまたいいんだけど;)。あれがラストだったらどうしようかと思いましたよ。でも娘マリアンヌ(ジェラルディン・ペラス)はちょっと共感できる気がします。両親を批判し憎んだり、自分の人生は自分で組み立てたいという信念とか、分かる気もします。これだけ不思議だと家族って何だろう・・・って本当よく分からなくなりますが、ラストのマリアンヌの歌がうまく纏めてくれました。「怖いから、逃げ出したり、嘘をついたり・・・」。何だか自分の問題にも切り込んでくるような歌詞で、少し勇気がもらえました。

ラストの歌も含めて女性陣の歌声が素晴らしいです。女優根性で特訓したらしく、聞き応えあり。特にけだるい雰囲気のEベアール、これで40過ぎなんて素敵です。

* この監督さん、長編2作目の新鋭らしいのですが、これだけの大物俳優達を使ったって・・・すごいと思うのですが。

4月14日(土)よりBunkamuraル・シネマ他にて公開予定
満足度:★★★★★★★☆☆☆