物づくりは世界一を目指す

先日、発表されたマツダCX-5のエンジンは、世界一クラスの性能を誇ります。
コストパフォーマンスを含めて言えば、ベンツをも超える世界一クラスの性能です。
これは、すごい快挙で、事実、大人気です。
何故そんなにすごいエンジンをトヨタでも、日産でも、ホンダでもない会社が作れたのでしょうか。
それは、「世界一」を狙っているからです。
日本人は、「世界一」を目指せば、「世界一」の物づくり大国になれるのです。
マツダがその一例です。
今は多くの企業の目標が「地域一」「業界一」、いちばん良くて「日本一」という低いところにあります。
高い目標を設定して、目標が達成できないのではなく、そもそも目標自体を低く設定しているのです。
でも、それだと他国に負けてしまうのです。
「世界一」の物が、「地域一」や「業界一」の物と同じような値段なら、「世界一」の物の方が売れるに決まっています。
相撲なんかも、日本人の力士が「日本一」を狙っている間に、外国から「世界一」を狙う力士たちが続々と入ってきて、ボロボロになっています。
それは、日本人の力士が、日本一という限界を勝手に決めて、日本一で満足してしまうからです。
ちょうど、メジャーリーグが無い頃の日本のプロ野球選手が、これとソックリでした。
まだまだ突き詰める点があるのに、日本一で満足してしまう。
一番だと思っているのは、お山の大将とその取り巻きだけで、世界へ出れば、あぁ悲しい勘違い。
それがバレるのがイヤだから、世界には出ない、と。
メジャーリーグが無い頃の日本のプロ野球選手は、そういった感じでした。
一方、同じ日本人でも、「世界一」を目指した選手は、ちゃんと世界で通用しているのです。
体格が違うから、人種が違うから、そう言い訳する選手が多い中で、それらのせいにして努力を放棄しなかったイチロー選手や中田選手は、立派に世界で通用しました。
イチローにしても、中田にしても、日本のスポーツ選手としては普通の体格です。
むしろ小柄な方で、それより体格に恵まれた人は、いくらでも居ました。
でも、結果はみなさまのご存知の通りです。
つまり、何が違うのかと言うと、どこを狙っているか、なのです。
他の選手は、日本一を狙った。イチロー、中田は世界一を狙った。
極論すれば、それだけの違いです。
後は、同じような時間、練習をして、同じような物を食べていた訳ですから。
イチロー、中田だけ1日が36時間あったとか、
イチロー、中田だけ秘密の栄養をとっていたとか、
イチロー、中田だけ誰も知らないノウハウを持っていたとかじゃないのです。
ただ、狙うところが違っていただけなのです。
突き詰めるって、地域一まで突き詰めることではありません。
突き詰めるって、業界一まで突き詰めることではありません。
突き詰めるって、日本一まで突き詰めることではありません。
突き詰めるって、世界一までやって初めて、突き詰めるのです。
限界って、地域一ではありません。
限界って、業界一ではありません。
限界って、日本一ではありません。
限界って、世界一までやって初めて、限界です。
限界突破は、世界新記録ってことです。
で、世の中のマーケットは、そういうものが欲しいのです。
物だったら、「iPhone」だったり「マツダCX-5」だったり。
人だったら、「イチロー」だったり、「中田」だったり。
いま日本のお店がどんどん潰れていると言いますが、
本当に、突き詰めようとしたところは、どれだけあったでしょうか。
本当に、限界に挑戦したところは、どれだけあったでしょうか。
ネットの活用や、新製品の開発、お店のリニューアルなど、お金をかけずに出来たことは沢山あったハズです。
でも、気ばかり焦って、限界に挑戦することも、突き詰めることもなく、終わっているのが現状です。
これは、とても、寂しいことです。
なぜなら、やるだけやって駄目だから潰れたのではなく、
やれることが沢山あるのに、やらずに終わってしまったからです。
で、この話は、全ての人にとって、他人事では済まされません。
これからは、個人のレベルでも、突き詰めないと相手にされなくなります。
会社でやっているけど、家ではやらないレベルの人は、もう通用しなくなるのです。
逆に、個人的に突き詰めていて、それが全国レベルの人が、食べていけるようになるのです。
それは、キャラ弁当でも、整理整頓でも、掃除でも、何でも良いので、突き詰めて、限界を突破すると、食べられるようになるのです。
逆に、仕事ではお弁当を作るけど、家では作りたくないというレベルだと、職にあぶれるのです。
自腹を切ってでもやるって人が、求められるのです。
会社でならやるけど、高い参考書や材料を買ってまで自分でやろうと思わないとか、そういう人は必要とされなくなります。
お金目当てでもなく、誰かに言われたからでもなく、自分が好きだから突き詰めちゃう、みたいな人が、限界を突破したときに、すごい価値を生み出すのです。
物を作る人は、ぜひ個人的に「世界一」を目指して、自分が最高だと思う、世界の人が使って喜ぶ製品を作ることを夢見て欲しいと思います。
会社の目標ではなくて、個人的な目標が「世界一」です。
会社の目標が云々とか言ってる時点で、失格ですので、もう一度最初からこの記事を読みましょう。
自分の目標は自分で決めれば良いだけです。会社は関係ありません。
お金も、会社のお金ではなくて、自分のお金で突き詰めるのです。
会社がお金を出さない、とか言ってる時点で、失格ですので、もう一度最初からこの記事を読みましょう。
自分がやりたいことは、自分のお金を出すのです。
自腹を切らなきゃ話になりません。
なぜなら、自分のやりたいことなら、そうするに決まっているからです。
あらためて、もう1度言いますが、物を作る人は、ぜひ個人的に「世界一」を目指して、自分が最高だと思う、世界の人が使って喜ぶ製品を作ることを夢見て欲しいと思います。
自分が世界一欲しい物を、自分で作るのです。
そこに日本の物づくりが復活するカギがあります。

