1日1時間の格差 | プラクティス

1日1時間の格差

「後悔先に立たず」な話をします。

「良薬は口に苦し」かもしれませんが、大事なことなので。





最近、電車に乗っている人達を見ると、大きく2つに分かれることに気づかされます。

携帯や、ゲーム機をいじっている大人と、勉強している大人です。

その比率は、だいたい8:2くらいです。

ゲームをしている大人は、通勤の気晴らしくらいに考えていると思います。

仕事ばかりじゃツマラナイですからね。

一方、勉強している人は、自分には時間がないことを自覚しています。

ちょっとの時間も無駄にできないのです。


同じ空間に居るのに、1時間に対する見方が、まったく違います。


なぜ後者は、時間がないと思うのでしょう。


本当に、私たちは時間が無いのでしょうか。


ちょっと計算してみましょう。

勉強する人は、毎日会社から帰ってきて、夜9時から10時まで、

1時間を勉強にあてるとします。

1日1時間。

それを週に5日するとします。日曜はお休みです。

1日1時間 × 5日 = 5時間。

土曜日は、気合を入れて半日勉強するとします。

1日5時間。

これらを月で換算すると…。

1日1時間 × 20日 = 20時間。

1日5時間 × 4日 = 20時間。

ひと月で、40時間です。

例えばこれで、大学を卒業した人が、英語がそこそこ出来るくらいになるには、400時間くらいは必要と言われていますから、ひと月40時間ですと、10か月かかる計算となります。

よし、英語をやろうと決意をして、仕事を帰ってから毎日勉強、土曜日は半日。

これを休まずに実行できたと仮定しても、およそ1年かかる計算になります。


これは逆に言うと、1日1時間、土曜日に5時間、ゲームや携帯、ネット、TVをしていると、1年後には、英語を習得できただけの時間を失うと言うことです。


さて、キューピー3分クッキングのように、出来上がり(1年後)に飛んでみましょう。

1人は、努力の甲斐があって、TOEIC700になりました。

もう1人は、何も身についていません。


たったの1日1時間で、これだけの格差がついてしまうのです。


勉強をした人は、こう思います。

自分は勉強中は大変だったけど、勉強したお蔭で自信もついた、と。


勉強をしなかった人は、こう思います。

自分は何も悪いことはしていないのに、こんなに大変なのは社会のせいだ、と。

(自分はその間、遊んでいたことは忘れています)


後者は、とても重要なことを見落としています。

確かに、悪いことはしなければ、マイナスにはならない。

でも、良いことをしなければ、プラスにもならないのです。


おそらく、前者も後者も、スタート地点は、同じような環境で、同じような会社に勤めて、同じような時間があったハズです。

唯一、違かったのは、「自主練習」をしたかどうかです。


この調子で、3年間経ったら、2人の間には埋めがたい格差が広がります。

職務経歴が同じだとしても、1人は英語が話せる。もう1人は話せない。

どちらが採用されるかは、言うまでもありません。

面接官からすると、後者は「自主性が無く、言われたことだけやってきた人」と見なされてしまうのです。

ただ仕事をしている人は、その会社にだけ通用するスキルばかりを使うので、その会社でしか使い物にならなくなります。

でも、たとえば簿記は、どの会社に行っても同じルールですから、それらを「自主練習」で身につけておくと、他の会社でも役に立ちます。

もちろん、他の人との差別化にもなるのです。


最近では、電車の帰りに、「うちの会社もヤバイ」みたいな話をしている会社員がいます。

それは、どこの会社でも一緒ですから良いのですが、問題は会社云々ではなく、当人が大丈夫かどうかです。

同じように、「ヤバイよね」と話している同僚は、もしかしたら「ヤバイ」から勉強しているかもしれないのです。

それなのに、自分は愚痴だけ言っていたら…。

船が沈みそうで周りがボートを準備している時に、「ヤバイな~」とか言いながら何もしなかったら…。


救命ボートは、いきなり膨らみません。

毎日1時間、かかさずやって、それを1年(365時間)。

それじゃ少ないくらいで、本来ならその倍は欲しいところです。

すると、1日2時間とるか、2年かけるか。

最低でもそれくらいかけないと、使えるスキルになりません。


消費税の増税も決まり、これが施行されると、各家庭の毎月使えるお金が約2万円減ると言われています。

2万円と言ったら、かなりです。

外食に使っていた分や、お稽古事、レジャーに使っていた分が減らされるでしょう。

財布の紐もキツクなるのです。


すると、当然、企業はリストラをして、少ない人数で業務をこなさざるを得なくなってきます。

これは誰にでも容易に想像できることでしょう。


これが解れば、これから必要とされる人物像が見えてきます。

それは、1人2役、3役と出来る人です。

営業ができて簿記も知っているとか、接客ができてITにも強いとか。

こういう人が求められるのです。

ですから、いま仕事をしているのであれば、その仕事にプラスして、何か強みを身につける。

これが、これからの時代に生きていくためにすること、です。


繰り返しますが、救命ボートは、自分で膨らませるしかありません。

そして、救命ボートは、いきなり膨らみません。

何をするにしても最低1日1時間、1年365時間くらいは必要でしょう。


それでも、勉強するのはストレスだと言う人が居るかもしれません。

でも、沈みゆく船の上でぼ~っとしている方が、よほどストレスになります。

まして、船が沈んだ後に、浮き輪も無く泳ぐ方が、絶対にストレスです。

目先の快楽に惑わされてはいけません。

なぜならば、後で泣くしょぼんのは自分だからです。


いま、電車の中の人々を見てみると、それに気が付くのは、沈んだ後になるであろう人が半数以上います。

これはある意味、ホラー映画以上に、恐ろしいことです。

これだけニュースで先行きは厳しいと言われているのに、そういう人たちの耳には右から左へ素通りしてしまうのです。


そりゃ、沈んだ後でも、救命ボートを膨らませることは可能です。

ですが、溺れないように立ち泳ぎをしながら、救命ボートを膨らませるより、

まだ船が沈まぬうちに膨らました方が楽なことは確かでしょう。


楽なことをしましょう。


未来が明るくなることをしましょう。


今の1時間と、失業してからのバイトで8時間の日々。

どー考えても、今1時間やる方が楽なハズです。


知り合いに、昔、雪印に勤めていた男性が居ました。

あれほどの企業でも、例の事件で倒産。

それから資格をとって、何とか月収18万円の仕事を得ることができたそうです。

年齢は50歳を過ぎています。

奥さんが理解のある人で、パートに出たそうです。

年収は、18万円 × 12カ月 + パート100万円 = 316万円

これが現実です。

普通に働いている会社員は、1人でこれ以上もらっているでしょう。

それは実は、とても恵まれていることなのです。

ウソだと思ったら、失業してみればわかります。

これは、いま実際に起こっている本当の話です。

普通に、真面目に勤めていた人でさえ、こうなっているのです。

ですから、恵まれている内に勉強しましょう。


いったい今の世の中で、自分が50歳になった時に、こうはならないと断言できる人が、どれだけ居るでしょうか。


手に職があるという人でも、病気で出来なくなったら、どうでしょう。

年齢を重ねるにつれて、腰が悪くなって、座れない人、あるいは立っていられない人、結構います。

生活費が20万円の人でも、貯金が200万円なら10カ月で底をつきます。

生活費が40万円なら、たとえ貯金が800万円でも1年8カ月。2年もちません。

もし、能力が足らず、仕事が決まらなかったら、その後、どうしましょう。

バイトをするにしても、時給1000円 × 160時間 = 手取り約14万円ほど。

しかも、ほぼベースアップは見込めません。


先の男性も、まさか雪印が倒産するなんて、夢にも思っていなかったそうです。

給料が半分以下になるなんて、本当に夢にも思っていなかったそうです。

一流企業でもそうなのですから、いわんや、中小企業をや、です。


これはもはや他人事では済まされません。


楽な道を行きましょう。

救命ボートを膨らませておきましょう。

何も難しいことはありません。

たった1日1時間。

実にならないことは止めて、実になることをするのです。


それが、夢を叶える。なりたい自分になる方法でもあるのですから。


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