Apple MainStage初級編 | とれすけのブログ

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またまたかなり久しぶりの更新です。ずっと譜面作りとMainStageの設定にかかっていたので、今回はそのMainStageについてちょっと解説してみたいと思います。

 

MainStageというのは、MIDIデバイス設定+音源+コンソールみたいなMac用ソフトで、名前の通りライブパフォーマンスを念頭に置いて設計されています。

使いこなせれば便利そうな反面、使い方がすぐにはわかりにくく、情報も少ないのが残念なところです。ただ、価格は3,600円と機能を考えれば相当リーズナブルで、試しに使うレベルでも損はしないと思います。また、音源もサンプリング音源からソフトシンセまで豊富なので、音源だけでも購入する価値はあるかなと思います。ただ、何ができるのかわからないみたいなところもあって、正直とっつきにくいし、実例もあまり見ないですね。

ですが、今回ライブでMainStageを使うこととなり、その習得に思いのほか手間取ったので、ちょっと解説してみたいと思います。

 

まず、なぜ今回MainStageを導入したのかなんですが、WX-5というYAMAHAのウインドコントローラーを使おうと思ったところから始まりました。

WX-5を使う曲は数曲なので、それ以外の曲ではキーボードを弾いてもらう前提でメンバーを入れたので、音源が必要になりました。WX-5には専用の音源もあるのですが、キーボードが音源のないものなのでそれにも対応できる多機能な音源が必要で、さらにギミックなども考えていたので、ソフト音源の方がいいなと思っていたのでした。

 

MainStageそのものは以前からあることだけは知っていて、ただ、ギターでは使わないだろうなと思っていたので、深入りはしていなかったのですが、ライブ用に色々設定できそうなことはわかっていました。

 

今回、特殊な使い方でやりたいと思っていたのはWX-5でブラスセクションのハモリの音を出したり、キーボードをスプリットして音色を変えて同時に発音したり、音色もいくつか重ねて発音させたり、キーボードでもハモリの設定をすることなどでした。

解説を見るとこれらは全部MainStageで出来そうでした。

 

早速AppStoreからダウンロードしてMacに導入してみました。

機材としてMacも持ち歩く必要があるので、ちょっと古いのですがMacBookAirの13インチモデルに入れてみました。

 

他に選択肢がなかったので仕方がないのですが、メモリ4GBでは頻繁にメモリ不足のアラートが出ます。

なので、快適に編集作業をやろうと思ったらできるだけ多くのメモリを積んだマシンを使った方がいいです。

ただ、演奏モードでは、無茶をしなければ発音が切れる等のことは起きない感じです。編集モード中は音色を変えたりすると結構簡単にメモリ不足になります。

 

さて、使い方ですが、まず用語をいくつか覚えないといけません。あと、仕組みを理解しないと単なる音源としか使えないでしょう。設定が必要な分、普通の音源よりもわかりにくいかもしれません。

 

まずモードを理解する必要があります。

これは

レイアウトモード

編集モード

演奏モード

とあって、レイアウトモードは実際の楽器とMainStage上の楽器との紐付け、あと画面上の楽器のレイアウトを編集する画面です。

ここで、例えばキーボードなら、MainStage上にキーボードをレイアウトして、MIDIチャンネルとか最低音とかを設定してゆきます。

 

WX-5のようなウインドコントローラの場合でも画面上ではキーボードのスタイルでレイアウトをして設定をします。

今回、WX-5をCh1、キーボードをCh2としてMIDIチャンネルを設定しました。

ですので画面上には二つのキーボードがレイアウトされています。

この他、自作したデジタルタンバリンもアサインしたので、ドラムパッドのUIでレイアウトに入れています。

次に編集モードです。

ここで音源を設定していきます。

一番わかりにくいのもここで、使いたい音源になかなか辿り着けなかったりしました。

 

ここでコンサート、セット、パッチというものが出てきます。

例えると、コンサートがハードディスク、セットがフォルダ、パッチが書類という感じの関係です。

基本的にはこのパッチをエディットして設定を作っていきます。

ここで私は勘違いをしてしまったのですが、パッチ=音源ということではなくて、パッチが音源とその設定やエフェクト、音量、コントローラーの動作などを一括して記録しておくものということになります。

音源はストリップという、ミキサーの1チャンネル見たいなものに割り当てていくという感じです。

このチャンネルストリップがキモです。

ここを間違えなければ、割と簡単に理解できるのではないでしょうか。

 

今回はライブ全体を1コンサートとして、曲ごとにセットを作り、セットの中に曲のパッチ、曲の中で設定変更が必要なものがあれば複数のパッチをセットの中に入れてあります。

プログラムチェンジナンバーはパッチ単位で設定できます。

MIDIフットコントローラーを繋いでプログラムチェンジをやる予定です。

 

演奏モードは演奏中に表示される画面という感じですね。

これはパッチごとに変えることができます。

テキストなんかも置けるので、例えば次のプログラムナンバーとか設定情報なんかも表示させることが可能です。

あと、コントローラーなどを置けば画面上で音量や音色を変えることができます。ちなみに演奏モード、編集モードでは音は出ますが、レイアウトモードでは音は出ません。

 

で、やりたかったこと。

まずは音の重ねですが、これはストリップを複数追加して音源を割り当て、同じキーボードにアサインするだけです。

単音をハモらせるのは、MIDIエフェクトでChordTriggerというのを使います。これで例えばF3を弾けばFコードが鳴る、E3を弾けばEマイナーコードが鳴るといった設定が、鍵盤ひとつひとつに設定可能です。

 

スプリットはキーボードを例えば左右に分割してそれぞれ別の音源を割り当てるものですが、音源ごとに発音させる音域を自由に設定できるレイヤーというものがあるので、その設定で自由に作れます。

 

最初は全く手探りだったのですが、わかって見るとそう難しいものでもなく、うまく使えばまだまだ可能性は広がります。

むしろ音色がいっぱいあるので、使う音を探すのが大変という感じです。

あと、シンセも複数入っていてエディットも可能ですが、これも機能を使い切るには、やはりマニュアルをしっかり読むしかありません。

私は幸いというか、大昔にFM音源くらいは触ったことがあって、シンセの仕組みくらいは理解しているので、多少エディットしながら音作りをしています。

エフェクトも豊富ですが、これはギターのエフェクターがわかっていれば問題ないでしょう。とは言え、なかなか使いこなしの難しいエフェクトも多いです。

 

今回はソフト音源しか使わない予定ですが、オーディオソースを入力して、それにエフェクトをかけていくという使い方もできます。アンプもあるのでギターをつないでアンプ、ストンプをパッチで切り替えるなんていうこともできます。この辺はガレージバンドを使ったことがあればわかるかと思います。

 

あとは実際にライブで真価を発揮できるかですね。

色々できるからといって、あまり作り込み過ぎてしまうと本番でミスりそうです。

まずはスタジオで使ってみて、またリポートしたいと思います。