理系では、研究するための機器、器具、試薬などがどうしても高額になる。

 

私は理学部のバイオ系の学科に所属していたのだが、自分が学生のときには

「他大学と比較すると研究費に恵まれているので、大いに感謝しなくてはならない」

と言われていた。

 

例えば、マイクロリットル単位の液体をはかり取るのに使うマイクロピペットの先端(チップ)は使い捨てで、購入したチップをケースに並べて滅菌してから使用するのだが、このチップをケースに並べる作業をしながら先輩によく言われたのは

 

「他大学では、本来使い捨てであるマイクロピペットのチップを洗って再利用するのだ」ということだった。

 

本当かどうかわからないが、東大が研究費に恵まれているのは確かだろう。

 

 

しかし上には上がある。

あるとき、自分が所属する研究室の教授に呼ばれ、アルバイトをしないかと聞かれた。

教授の知り合いの医学部の教授が、実験を手伝う人を探しているというのだ。

実験は、ある仮説を証明するために何度も繰り返し行うものなので当然ルーティーンの部分もある。

そのルーティーンとして切り出し可能な部分の実験を行ってほしいということだった。

 

とある物質を超遠心分離機などを用いて分離するという数時間ほどの実験。

自分の本来の実験の待ち時間などに出向いて、その研究室の人達と雑談しながら行った。

 

研究は、他の研究論文を読んで勉強したり仮説を立てたりする「思考」部分が肝とも言えるが、

日々時間を取られるのはそれを検証するための実験であり、そこからの気づきもある。

東大医学部ではごく一部分だけとはいえ実験そのもの外注するのだと驚いた。

 

 

もちろん、研究費以外にも、教授をはじめとした指導教官にも恵まれていた。

指導教官の中には非常に頭が良くて尊敬できる人もいた。

勉強熱心だし、着想もすばらしい。

しかも細かい指導をしてくれたり、直接教えてくれなくても、実験の進め方を目の当たりにすることで勉強になった。

それこそマイクロピペットの使い方は、初めて使う人でも説明がなくても分かる程簡単なものだが、実は正しく取り扱えていない人が多いのではないかと思う。

正確に使うためには、ゆっくり吸入したり、定期的に精密なはかり(マイクロ天びん)ではかり取った純水の重量を計測して微妙な狂いがないかチェックしたりしなくてはならない。

そういった細かいことから、どうやって論文1本を仕上げていくかまで、お手本になる人がいるのは本当にありがたいことだと思う。

 

 

優れた先生、学生が集まるところに資金も集まり、研究がはかどるという連鎖になっているのだろう。

 

 

研究する上では、東大は日本の他の大学と比較して、様々な面で恵まれていると思う。

 

 

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