黒いスーツに白いシャツ。ボタンは2つ外してノーネクタイ。頭は見事なまでに青々とそり上げた『五厘刈り』…。何と神戸の三木谷社長が、丸刈り頭でスタジアムへやってきた。

 「心機一転。野球かサッカーかって? 全部含めてだね。ちょっとムシャクシャしたんでね。気分? 寒いッスよ」

 開幕6試合で最下位に転落すると松永前監督を解任し、元ブラジル代表監督のレオン氏を緊急招へい。オーナーを務めるプロ野球・楽天の方はもっと深刻で、現在11連敗と泥沼に入り込み、27日には一軍コーチ陣の配転も示唆した。

 野球は1年目で「ボクの責任もある。苦戦は分かっている」と覚悟の上だが、サッカーはそうはいかない。「今年作ったチームじゃない。野球とはちょっと意味合いが違う」と厳しい。07年までにタイトル奪取という3カ年計画の初年度だが、手をこまねいているわけにはいかない。

 テニス部主将だった大学4年以来、18年ぶりの丸刈り。まずはサッカーで…と自らが示した最下位脱出への“気合注入”だ。シュート20本は鹿島を4本上回った。しかし0-2完封負け。開幕白星以後は2分けを挟み5連敗となった。

三浦知はぶ然とした表情 「負けて、いい試合も悪い試合もないけど、次につながる試合ではあったね。レオン監督は情熱、理論、統率力を持っている」。ダブル最下位は依然続くが希望は捨てていない。

 レオン新監督とは来日直後の23日、再建策を語り合った。就労ビザの取得が済み、5月1日のG大阪戦(万博)で初さい配を振るう。「この状況を必ず打開してくれる」と三木谷社長。イレブンはこの丸刈りをいつまでも無駄にはできない。