個別指導って寺子屋に似てないか?と思って、「寺子屋」を検索してみました。

その中で「探検コム」さんの資料がわかりやすかったので、参考にさせて頂きました。

私のご先祖様は寺子屋の先生でありまして、

墓参りに行くたびに、墓石の横にゴロゴロ転がっている石を指差して、

嘘か誠か「この石は、○○じぃさんのお弟子たちが富士山のふもとまで行って、

持ち帰ってきたんだ」と言われ続けていました。

まあそれはいいのですが、寺子屋について。

寺子屋のイメージとしては、時代劇を見ているせいか論語を素読している感じがします。

ところが、「寺子屋では習字が最も重要な科目だが、単に字形を教えるのではなくて、手本の音読から単語の意味の理解、文意の咀嚼までを視野に入れていたので、当時の手習いは、今でいえば習字と読書とさらに地理や作文までを含む物だった。」のだそうです。

なんだか総合教育って感じがしますね。

そして「入学した生徒は、男女を問わず最初は「いろは」ではなく数字を習う。」

これも眼からウロコの内容。
次も男女別にバラエティに富んでいます。

【男子】
「名頭(ながしら・名字を列記したもの)」「名字尽くし」
「江戸方角(周囲の地名を書いたもの)」「請取文」「送り文」「手紙の文」
「商売往来(往来とは教科書のこと)」「消息往来(手紙の教科書)」「証文」
「店請状」「庭訓往来(ていきん・家庭の教え)」「千字文(せんじもん・4字×250句の詩)」

【女子】
「口上文」「文の書き様」「仮名交じり」「名頭」「国尽くし(日本の66国を列記した地理の教科書)」「女江戸方角」「女消息往来」「女商売往来」など、いずれも平仮名まじりの教科書。

【職業別】
職工の家の子供には「番匠往来」
百姓の子供には「百姓往来」
武家のこどもには、士風養成のため「千字文」「唐詩」

【地域別】
日本橋や京橋といった下町では商家相手だから「八算(はっさん・2~9の割り算)」
「見一(けんいち・割り算の概算)」「相場割」など牙籌(がちゅう・象牙のそろばん)

【希望者】
・男子「実語教(じつごきょう・道徳の教科書)」「童子教(どうじきょう・道徳の教科書)」
    「古状揃」「三字経」「四書五経」「文選(もんぜん)」
     藤点・道春点(いずれも漢文の読解法)素読のみ。
・女子「百人一首」「女今川(教訓書)」「女大学」「女庭訓往来」やはり素読のみ。

寺子屋イメージ「論語」の素読は、希望者が習うものだったのですね。

そして、どのような状態かというと、和やかに授業をしていたようです。

机(自分で持ってくる)も時代劇のようにきれいに並んでいません。

安藤広重がその様子を多数描いています。

悪さをしてみんなとは別に、左手におわん、右手に線香を持って、

座らされている子の表情にも悲壮感はありません。

主に明治維新前の教育は、自由にのびのびと実用的な教育がされていたということでしょうか。

ほぼ幼い頃から、身分(職業)が決まっていたからこそできる教授形態で、

今の個別指導でも、生徒の学力に応じて適切な教材を与えるくらいしかできません。

でも、特色のある地域では、この実用重視の教育ができるところもありそうです。