2009-03-25 14:17:57

H. pylori 迅速ウレアーゼ試験法を導入

テーマ:診療の工夫
前記事 でお伝えした通り、この日は当院職員 M 女史の経鼻内視鏡を行いました。

また、これも 先日の研究会 で H. pylori 感染診断のファーストチョイスとして 迅速ウレアーゼ試験法が最も汎用されていることを知り、まず身内で試すことにしたわけです。


まず型どおりに右の鼻孔が広いことを確認した上で、ネラトンを用いて局麻を行います。


普段よりお鼻が高く見えますが...


内視鏡下に組織を 2 カ所(黒矢印)生検し、この専用容器に入れます。


この試験法の原理は H. pylori のもつ高いウレアーゼ活性を利用したもので、間接的に H. pylori の存在を確認する方法です。

試薬内に尿素と pH 指示薬が含まれていて、生検組織を試薬内に入れ H. pylori が存在すると尿素が H. pylori の有しているウレアーゼ活性により炭酸ガスとアンモニアに分解され、アンモニアによるアルカリ側への変化を pH 指示薬の変色で感知するものです。

本試験法は、


内視鏡検査という侵襲的診断法であること

生検材料を用いるためサンプリングエラーの可能性があること

種々の条件で偽陰性になる可能性があること

検査結果を保存することができないこと


など、問題点がいくつかありますが、


安価であること

簡便性・迅速性に優れること

培養法に劣らぬ高い特異性を有していること

潰瘍診断と同時に実施できること


などが長所です。

総合的な効率性の高さから、除菌治療前の存在診断には不可欠なものといえます。

なぜ今まで当院で行っていなかったかというと、菌量が比較的少ない症例での判定が困難なのでは?という不安が払拭できなかったからですが...

...このように H. pylori 陽性症例ではかなりはっきりと赤色に変化し、すんなり判定できるようです。

ちなみにこれは他の患者さんの検体で M 女史は尿中抗 H. pylori 抗体測定法同様、陰性でした。


以上まとめてみますと、迅速ウレアーゼ試験法で感染診断を、尿素呼気試験法で除菌判定を行うのが一番理にかなっているようです。

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