お気に入りの古民家カフェでひと休みしたあとは再び出発します。
そう。あちこち寄り道しつつ【その3】から続いております。
第12回 ぎょうだ蔵めぐりまちあるき2016に復帰です!(`・ω・´)ゞ
足袋とくらしの博物館&日和cafeから歩くこと1分足らず。
国道125号沿いのこちらに到着しました。
元・忍貯金銀行店舗として昭和9(1934)年に建設された鉄筋コンクリート造りの建物です。
当時流行していたというスクラッチタイルの外壁は今見てもオシャレ。
スクラッチタイルというのは文字通り、引っかいたような模様をつけたもの。
増築されたATMコーナーも雰囲気を壊さないようソレっぽい意匠にしているのが好感持てます。
また、外壁のあちこちに見られる凝った装飾も見どころのひとつです。
昭和21(1946)年には昭和天皇が巡幸の際に立ち寄って2階の貴賓室で昼食をとられたというのも納得でしょうか。
昭和25(1950)年には足袋会館となり商工会議所の事務所として使用、昭和44(1969)年に武蔵野銀行に売却され、現在も行田支店として使用されています。
とても立派な建物なので行田市の中心部にある歴史的建造物としても相応しいですね。
嬉しいことに国登録の有形文化財に指定されています。これからも末永く残ることでしょう。
登録文化財の銀行といえば地元・川越市の埼玉りそな銀行川越支店もそうなんですよ。
大正7(1918)年に建築された古い建物ですが、そちらも現役で使用されています。
銀行の建物だけに特に頑丈に作られているってことでしょうか。
いずれも下手に手を加えることなく、大切に使い続けて欲しいと思います
ぎょうだ蔵めぐり昔ギャラリー⑤ ~忍貯金銀行と本町丁字路~
以前この場所は十字路ではなく丁字路になっていました。
そのため牧野本店前の北谷通りが行田市駅に向かう道路としてにぎわっていたそうですよ。
それにしても武蔵野銀行の建物が昔からほとんど変わっていない事にビックリです。
周りの風景がどんどん変わっていく中、こういう建物があると世代を超えたつながりを感じますね。
それでは横断歩道を渡りまして…
雨の日も濡れずにお買い物が出来る商店街ことあらまちアーケード街に入ります!
しかし看板に書かれているハミングナードって何だ (-ω-`)
以前からずっと気になってますが、いまだに何のことか分かりません。謎の合言葉。
【P.S.】 2016.6.16 Humming Nerd(ハミングナード)とは…
いろいろ悩んだ末にヒデ爺氏の助言から、思わず歌いたくなる楽しい商店街(ハミング・プロムナード)という願いがこめられているのではないか?との結論に達しました♪
新町ほっとステーション
いつ何の目的で建てられたのか一切不明の蔵のため、モダンな通称になっています。
大谷石の立派な石蔵ですが、足袋蔵にしては可愛らしいサイズなので個人の倉庫として建てられたものかも知れません。
こちらの蔵は2011年のまちあるきのあと周囲が更地になり、2012年は公開が一旦中止となりました。
そして土地を蔵ごと購入されたオーナーさんが地面を掘ってみたそうですが特に珍しいものは出てこなかったとか。
その後家が建てられ、翌2013年から現在のスタイルとなっております。
そんな蔵の中では行田の昔写真が展示されておりました。
あと、なぜか行田市駅?の看板コレクション?
ぎょうだ蔵めぐり昔ギャラリー⑬ ~いにしえの本町界隈~
先ほどの蔵野銀行行田支店横の十字路を写した写真です。
行田市駅まで伸びる中央通りは昭和46年に開通したようです。
行田の風景や建物を写した昭和以前の写真を募集していましたよ。
来年の蔵めぐりまちあるきで展示されるそうです。連絡先は足袋蔵まちづくりミュージアムです。
そういえばフィルムカメラの時代って身近な風景はあまり撮らなかったなぁ…(・ω・`)
今のデジカメと違ってフィルム代も現像・プリント料金もかかりますからね。
それだけに行田市内の日常風景を写した写真は貴重な一枚となりそうですよ。
お持ちの方はぜひ
蔵を出た後はふたたびアーケードに沿って歩きます。
Gパンのお店を過ぎたところに建っているのがこちら…
今津蔵(今津印刷所)
江戸時代の元禄年間(1688~1703年)創業といわれる老舗で忍藩の藩札(領内だけで通用する紙幣)の印刷もしていたとか。
手前の店蔵は江戸末期の建設。行田市内に現存する蔵の中で最も古い貴重なものです。
行田市も舞台となっている小説・田舎教師(著/田山花袋)にも行田印刷所として登場します。
読後は微妙にヘコみますけど、行田市界隈の風景描写が多いので必読の一冊です。
ちなみに忍書房で購入するとオリジナルのブックカバー(忍城鳥瞰図)をつけてもらえますよ。
忍書房は行田関連の書籍も多く取り扱っているので観光客の方にもおススメの書店です。
ぎょうだ蔵めぐり昔ギャラリー⑫ ~むかしの今津印刷所~
まだアーケードが出来る前の今津蔵の姿は貴重ですね。
下側の写真にある「工場」というのは店蔵の奥にあったんでしょうか。
今年は残念ながら建物内部の公開はありませんでしたが、以前見学した時は貴重な資料や明治15(1882)年製のドイツ製活版印刷機が展示されていました。
足袋製造の最盛期は足袋の商標ラベルなどの印刷でも忙しかったことでしょう。
あっ!ボンネットバスだ Σ(・ω・;|||
これにも乗りたいのでそろそろ先を急ぐことにします。
…といいつつ、お向かいにある蔵も気になりますな
田代蔵(たしろぐら)
ジャパンフード(株)の看板が掲げられているもののシャッターが下りたままです。
ふだんは開いて営業しているのか、それとも閉まったままなのか。平日に訪問することが出来ないので全く謎の蔵です。
アーケードに遮られて二階部分が見えないのが残念ですが、前面部分以外は建設当時の状態を保っているように見えます。
解説版によると田代鍾介商店が昭和2(1927)年に建設したもので、この背後に大正時代の住宅、そして土蔵2棟が並んでいるそうです。
その間口が狭く奥に長い敷地は間口の広さで税がかけられたという事の名残でしょう。
そういえばこちら、今津蔵も後ろに蔵がつながっているんですよ。
すぐ脇の路地を歩くと間口に比べてその敷地の細長いことを実感できます。
というわけで蔵沿いに歩いてみます
今津蔵の奥には現在の(有)今津印刷所の建物があります。
ここまで含めると相当な長さの土地です。昔はこのあたりに印刷工場があったのかも。
さて。その斜め向かい側に次なるスタンプポイントが。
旧忍町信用組合店舗(元新町自治会館/集会所)
大正11年に完成した2階建ての木造洋風建築です。
忍町信用組合を創立しその組合長でもあった時田啓左衛門氏こそ、時田蔵の持ち主でもあります。
江戸時代から足袋の生産で名を上げていた忍の町
明治以降も足袋商人の結束で電気や電話を引いたり、銀行を設立したりして更に栄えたわけですな。
おかげで足袋作りだけではなくその周辺産業、機械や印刷、娯楽・飲食店も増えて行田市全体が大きな足袋生産工場のようになり賑わったことでしょう。
こちら新町会館では例年通り、ものつくり大学の展示がありました。
そういえば今年も生徒が大勢スタンプラリーに参加していましたよ(授業の一環らしいです)。
こちらのパネルによると、現在の会館は大正11年当時の姿とは異なっているようです。
西側に張り出している平屋の部分が後に増築されたほか、内部も改装されていて2階に上がる階段の位置がまったく違っています。
そういえば建設当時の写真↓ではシンプルな箱型ですね。
ぎょうだ蔵めぐり昔ギャラリー⑪ ~忍町信用組合の洋館~
埼玉縣信用金庫に変わったのち、昭和30年代には増築されていたようです。
しかし増築した部分も違和感がないよう、それらしく似せてますよ。なかなかにくい配慮です。
おぉ!これって先程の武蔵野銀行のATMと同じパターンではないか ( ´艸`)♪
時代に合わせて少しでも便利に使いたいという人間の欲望が出てますな。
いざとなったら武蔵野銀行と同様、後付けの部分を取っ払えば本来の姿に戻せそうです
そうそう。
館内に懐かしそうなポスターがありました。そこにまたしてもハミングナードの文字を発見!
ハミングナード行田 新町共栄会イラストマップ
新町通りにモスバーガー行田店やジーンズショップ BIG DALLASも健在♪
あと、先ほど日和cafeさん店内の冊子で見かけたアイスのCRANTSも掲載されていますよ。
右下には平成6年度埼玉県中小商業活性化助成事業と書かれているので、なんと22年前のものです。
余所者のワタクシよりも行田市民の方が懐かしさを覚えるポスターではないかと思います。
20数年で町の様子は大きく変わりますねぇ
歴史のある古い建物は大切に保存していく必要があるなぁとあらためて思います。
まあ、足袋蔵など個人所有のものは保存・再生が簡単ではないと思いますけど。
何とか元の姿を保ったまま後世に伝えていければ町の財産にもなるのになぁ…
…と、川越市民のワタクシがつぶやいてみました (´・ω・`)
さてさて。次なるスタンプポイントを目指して先に進みますか。
この裏手にあるお気に入りの秋山蔵は今年は未公開なので…
その先にある連結された長~い蔵並みを訪れてみることにしましょう。
では再び出発~(・ω・)/
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