俺、木田誠一!


休日はスキーとスノボに明け暮れている。


中古のハイエース四駆を親しいディーラーの店長がいる店でメンテをしてもらっているのだが、K店長はN市のM区の店に転勤になったので俺もメンテ店の移動を店長とともにしたのである。


店にオイル交換の電話をしたら、受付のおねーちゃんが
「オイル交換は4日後しかできません」と冷たく言うので。



「オイル交換ごときを4日とはなんだ!長すぎる」と言うと。


ねーちゃん
「では4日、車をお預かりください。4日後にオイルを変えます」



「あほか~!俺は車を通勤と仕事で使っているのだぞ!そんなディーラーは初めてだ!店長に代われ!」
と言ったら
「少々おまちください」と言うので待っていたら、なんと5分が経過した。
一旦、電話を切り、再び電話したら同じねーちゃんがでた。



「携帯で電話しているんだぞ!いくらかかると思う。いいかげんにしろ」と、ねーちゃんに甘い俺でもぶち切れたぜ。


ねーちゃん
「本当に申し訳ございません。今、すぐ代わりますので」
と言い、また3分待たされた。それで電話を切り、今度は店長の携帯に電話したのだ。


店長はすぐにでてくれたので事情を説明したら。
「実はここの店はおかしいんです。今の子もそういうことをやる子ではないんだけど、よくやるので、先週もメーカーのお客さま相談室に通知されて私が大変怒られました。今後は、私の携帯に直接電話してください。次回、お会いしたときに事情を説明します」
とのことで、次回に説明を受けることになった。


次の日にオイル交換に行った。
高速インターが近いのでわりと混んでいた。待合室で綺麗なご婦人が同じテーブルだったので思わず
「オイル交換ですか?」と聞いてみたら。


「はい、そうです。新車を買いましたが点検とオイル交換で4日もかかると言われました。それで4日待って来ました」



「そうですか私は店長と親しいので直接お願いしています。なんなら紹介しますよ」


ご婦人
「それはありがとうございます。ぜひお願いします」とうれしそうに答えた。


ご婦人
「新車を買ったのですが、まだ店長さんにも会っていません。営業の方がオプションなどを一番高いものをすすめるし、契約のときにその方が{私が印鑑を押します}と言うでお願いしましたら、強く押さないので不安でした。次の日にまた印鑑を再度、押してください。と言われ、また押印にきたのです」



「その営業は、もしかして背の高い、吉川晃司を不細工にしたやつではないですか?」と思わず聞いてみた。そうしたらご婦人は吹きだしたのである。つまりピンポーンだった。俺も爆笑をしてしまった。
そんないいかげんなやつが営業リーダーらしい。


そうしたらご婦人は笑いながら
「Hさんはハイブリッドの悪さばかりを説明しました。後ろが狭い。世間がハイブリッドにこだわりすぎだ。とか買う気がなくなることばかり言われるのです」



「やつは自分がかっこいいと思っているかもしれませんね~。気取ってますしホスト気分のようなやつですね」と言ったら二人で大爆笑!



「私は木田誠一といいます。建築関係の営業をしています」と言い名刺を渡した。


ご婦人
「私は谷口恵子といいます。この近所に住んでいます。主人の転勤でN市に来ました。子供がいませんので昼は不動産会社に勤めています。お勤めで貯めたお金でやっと中古車から新車のハイブリッドを買いました。うれしかったです」


俺よりひとまわり上の30台か?
突然、テレパシーが来た!
那美子からだ
「おいおい木田誠一、また病気がでたのう!気を付けろ甘い言葉と木田誠一」
やばい!那美子だけでなく本命のひとりの平薫子先輩の顔も思い浮かんできたのだ!


そうしたら谷口さんが意外なことを話しだした。


「木田さん実は!この前のメンテのときに、店長さんらしき方が他店の方が来ておられました。
私の隣だったのでかすかに聞こえてきたことがこの店の怪談話なのです。

隣で聞いていたことです。他の店の営業マンが来られて店長さんらしき方と話していたことです。声は小さいですがなんとか聞こえました。
店長さんは30台後半。営業マンは前半という感じでした」
 
店長
「君は昔から霊感が強いから来てもらったんだが、事情は話したとおりだ。店のトラブルが多すぎる。
普通の人間なのに受付で物の怪がとりついたように、お客さまを怒らせることが多い。オイル交換を断る。電話を待たせすぎることなどが受付のトラブルだ。
営業も同じだ。できもしないことを安うけあいして、サービスを困らせる。この前は、ナビの乗せ変えでダッシュボードのパネルに入らないのに入るといい、付ける段階で入らないのでお客さまから債務不履行で消費者センターに訴えられる寸前だった。
オイル交換を急ぐ方もいらっしゃるので私が交換したこともあるくらいだ。
隣のWG店までおかしいのだ。故障が実に多い。外車だからしょうがないというのではない。実に多いんだ。
道路を隔てたカーショップもおかしい。私のお客さまがナビを買ったとき代車を借りた。ガソリンを満タンにして代車を返したのだが、ガソリン代の領収書がコピーではまずいと言い、店長が夜の10時に携帯に電話をしてきたそうだ。領収書を取りに行くとまで言う非常識さだとさ。断ると、店長は、どうしてもと言う。本店に怒られるからだそうだ。あまりにしつこいので、いいかげんにしろ!と怒り電話を切り、次の日のそのショップの本社に電話し苦情申請をしたらやっと攻撃は止まったそうだ。これは氷山の一角だ」
このような内容です。真剣に聞かなくては聞こえない距離でしたので全部は聞けませんでしたが、それから営業マンの顔色が青ざめてきました。
 
営業マン
「先輩、実はこの店の東には徳川と豊臣が戦った有名な古戦場があります。その合戦の自縛霊の怨念が原因かと思いましたが、それだけではないような気がします。この店の二階に女の霊がいるといったでしょう。その女の後ろにとてつもないものがいそうです。僕ではそこまでは見えません」
 
店長
「君は霊と話しができることもあるから、その女とは話せるのか?」
 
営業マン
「だめですね~。着物を着た能面みたいな女です。精神的にも弱い人間は憑依されおかしくなりませすね。大丈夫なのは店長、受付の佐藤さん、サービス主任の野本さんくらなものでしょう」
 
店長
「まさか君が霊視が利くなんて、私以外は知らないからな~」
 
営業マン
「つまりその女の怨念パワーの波動がすごいと思います。あれでは周囲がおかしくなって当然です。
先輩が早くこの店から移動することを祈ります」
 
店長
「お祓いや供養をしてもだめか?」
 
営業マン
「こんなことを言うことははじめてですが、だめですね」
 
店長
「それなら私の親しい若いお客さまの先輩がかなりの霊感があるらしいよ。スキーの先輩だそうだ。
残念なことに車は日産ファンだそうだ。一度、相談してみよう」
 
というような話でした。
 
以上、聞いてみて偶然の因縁はすごいと感じたぜ。
 
続く