よく見てみよう、よく聞いてみよう

 春になると、いっせいに木々が芽吹き、花が咲き乱れ、昆虫や鳥などの生き物たちが活発に行動を始める。自然が豊かな地方ではどこでも見られる光景だが、都会のど真ん中でも、意外と身近な場所で観察できる。

 

 よく注意して茂みや草むら、石垣、水辺などを見てみよう。

 

テントウムシの幼虫

テントウムシのサナギ

成虫のナナホシテントウと

そのエサになるアブラムシ

 道端に生えている雑草の茂みの中や生垣のの木々の枝など、あちらこちらで見つかる。春から初秋にかけて、随所でサナギから成虫まで見つかるよ。

 

カナヘビ

 暖かい日、日当たりのよい場所に出てきて日光浴をしているのをよく見かける。公園の岩の上、垣根や花壇の周りのレンガやコンクリートブロックの上、草原などいたるところで見つかるよ。

 

   野草に小さなクモを発見。

   良く見てみると・・・

   

   小さな虫を捕えてお食事中だった。

 

 ポピーの花の中でうごめいているのは、カマドウマかハネナシコロギスか。

 

 とても仲睦まじいハトのカップル。まもなくヒナの誕生が期待される。

 

公園を歩いていたら、「ヒヨヒヨ・・・ヒヨヒヨ」というかすかな声が聞こえた。

耳を澄ませながらその声のする方を見てみたら・・・

 

 エサをくわえたシジュウカラが。パッと飛んで穴の中へ。さきほどから聞こえる「ヒヨヒヨ」の声の主は、どうやらこの穴の中にいるシジュウカラのヒナたちのようだ。

 

穴の中へ入っていったら、すぐに顔を出し、飛び立っていく。

 

 

一羽がエサを加えて戻って来たとき、別の一羽がヒナたちのフンを加えて巣穴から出てきた。

夫婦で休むことなくヒナの世話と巣穴の掃除をしている。

 

 

 

 

 

 近くの民家の屋根の上で、この様子をずっとうかがっている一羽の大きなカラスがいた。シジュウカラのヒナを狙っているのだろうか。

 

 

 

 

 

 離れた場所から、2時間近くシジュウカラの様子を観察し続けた。するとカラスは痺れを切らしたように「カーカー」と鳴いたあと、そこで観察している私にフンをかけて飛び立っていった。

 

 まるで「邪魔じゃないか!」と言っているみたいだった。

 

 

(訪問日 2008年7月16日)

目に見えない世界

 琵琶湖博物館では、小中高生を対象に無料で体験学習を行っている。参加した生徒たちは博物館近くの湖岸でプランクトンを採集し、実習室で顕微鏡をのぞきながらプランクトンを見つける。見つけたプランクトンは個体ごとにスケッチして、用意された種類別の写真と見比べて名前や属する仲間についてつきとめる。その後、動物、植物それぞれのプランクトンについて博物館の職員が説明をしてくれる。

 

 この日はアナベナミクロキスティスなどが多く採集された。これらの藍藻のなかまは湖や池の表面をおおう 「アオコ」 と呼ばれる現象を起こし、水質の悪化をまねく。

 

 モニターに映っているのは体長1cmにもなる大きなミジンコのなかま、ノロだ。小エビのような体つきで一個の複眼をもっている。まるでオバケの 「一つ目小僧」 のようだ。

 植物プランクトン担当の学芸員大塚泰介さん。動かないため識別しにくい植物プランクトンを特徴をしめしながら丁寧に教えてくれる。

 

巨大な
プランクトン

 ふつう 「プランクトン」 というと微小な生物のことをすぐに想いうかべるけど、実際には自ら泳ぐことができない、または泳ぐ力の弱い、水中を漂って生活している浮遊生物のことをさす。

 

 だから小さいものは千分の一ミリメートルのピコプランクトンから大きいものは2メートルを超えるメガプランクトンまでいる。網にひっかかって漁師さんたちを困らせるエチゼンクラゲも実はプランクトンなのだ。

 

 ただ、微小生物のことを総称してプランクトンと一般的には呼んでいるから間違いではない。

 

ゾウリムシは男性か? それとも女性?

 プランクトン琵琶湖だけでも数千種類いると推定され、その中のわずか800種しかリストアップされていない。プランクトンは陸上の大型の生物と同じように光合成をする植物プランクトンと光合成をしない動物プランクトンの大きく二つに分けられる。また色も形も大きさもさまざまだ。

 

 太陽光の紫外線から身を守るためピンク色をしたものや食べ物によって赤くなったものまで色彩豊かな体をしている。また、砂粒をくっつけて巣を作るものや体の回りにねばねばした粘液を出して身を守るものまで、不思議な生態に満ちている。

 

 なかでも面白いのがゾウリムシのなかまで、性別がメスとオスだけでなくA、B、Cと複数あるものがいるという。

 

 左がレビコレプス・ビワエ、右はミドリゾウリムシ。 レビコレプス・ビワエはミジンコの死骸を食べる琵琶湖のハイエナだ。

 

湖の環境と人びとのくらしをテーマにしたC展示室内にあるプランクトンコーナーは、今年3月にリニューアルされ展示スペースが広くなった。

スーパー単細胞

 生命の誕生は約30億年前とされている。現在生きているすべての生き物の元になったものが何であったかはまだ分かっていない。今のところ、その元になった生き物からさまざまな生き物が枝分かれして進化したと推測されている。人間やその他の大型動物とは別の進化をとげた多くの微小生物は身体が一個の細胞からなる単細胞生物。そのため、目、鼻、耳、口と感覚器官は分かれていない。ただ感じる能力はしっかりとあり、その証拠に光に向かって進むものやエサの臭いをかぎわけるもの、磁力を感じるものもいる。

 

 「コンピューターの集積回路みたいなもので感覚器がひとつにまとまっているのです。決して劣っているわけではありません」 と言葉の印象から誤解しないで欲しいと楠岡さんはいう。

 

 実際、驚くべき能力をもったプランクトンは数多くいる。例えば、不老不死のアメーバ。ふつうアメーバは分裂を繰り返して数を増やし、分裂の限界がくると他のなかまと接合して若返る。しかし、不老不死アメーバは分裂に限りがなく自分の完全なクローンを生み出し続けるのだ。このほか日向ぼっこするだけで生き延びるゾウリムシがいる。ミドリゾウリムシは、身体の中に共生藻類クロレラがいて、クロレラが光合成で作り出す有機物をミドリゾウリムシがいただき、かわりに自分の排泄するリンチッソクロレラにあげるのだ。このおかげでエサの少ない時期でもミドリゾウリムシは平気で生き延びられる。

 

 主任学芸員の楠岡秦さんは今年7月、新種のせん毛虫(ゾウリムシのなかま)の発見を公表した。楠岡さんとザルツブルグ大学のウィリヘルム・フォイスナー教授、宮城教育大学の島野智之准教授の研究チームは共同で調査を行い、2006年11月に琵琶湖博物館近くの湖岸で見つかったコレプス科のせん毛虫が新属であることをつきとめた。 そして、今年6月に国際原生生物学会の学術誌 「ジャーナル・オブ・ユーカリオティック・マイクロバイオロジー」 に論文を発表した。新しいせん毛虫の名前はフォイスナー教授レビコレプス・ビワエと名づけた。レビは「滑らかな」、ビワエは「琵琶湖の」という意味。古代湖である琵琶湖でとても古い時代に成立した種類であると考えられ、古代湖の種の分化について知る貴重な手がかりになる。

 

 魚類や水生生物の食物となって生態系を支えるプランクトン。一見しただけではそのすごさは分からないけど、よーくその世界をのぞくと不思議な小宇宙が広がっていてその魅力はつきない。

 

注: 絵の中のプランクトンは、見やすくするために、実際の比率よりも大きく描いています。

 

 カラカルはアフリカからサウジアラビア、イラン、アフガニスタンそしてパキスタン、インド北西部にかけて生息している。暮らしている環境はステップやサバンナなどの乾燥した草原。 そこで、鳥やネズミ、野ウサギ、ハイラックスなどを狩って食べている。

 

 体長は60から91cm、体重は6から19kg。野生で12年、飼育下で17年ぐらいは生きる。

 

 身体の大きさはそれほど大きくないけど、カラカルの秘めた運動能力はすごい。ときには3mもジャンプして飛び立った鳥をしとめる。また筋肉も発達していて自分より大きな獲物、例えばガゼルやインパラなどを倒すこともある。

 

 カラカルは他の野生のネコと違って人に慣れやすく、インドやイランでは鳥を狩るために飼われている。

 

動画を作ったよ

 

 

 

 ツノトカゲの仲間は、今のところ北米の14種類が確認されている。 その中でも一番大きいものがテキサスツノトカゲ。 アメリカの中南部からメキシコ北部にかけて生息している。 身体の大きさは約6~11cm。

 

 植物がまばらに点在する乾燥した地域に生息する。

 

 テキサスツノトカゲは自分で巣穴を掘り、その中で体温調整をしたり卵を産んだり、また冬期(9月~5月)には冬眠をする。 

 

 テキサスツノトカゲの主な食べ物はクロナガアリ。ときどき甲虫やバッタなどを捕えることもある。

 

 テキサスツノトカゲはコヨーテやオオカミなどの天敵から身を守る様々な方法を身につけている。

 

ひとつには体をペチャンコにつぶれたようにしてまったく動かないこと。

また、体の色を周囲と同じ色に変えて、見つかりにくくすることもできる。

さらに身体を丸くふくらませて、敵が自分の体を飲み込みにくくするという技ももっている。

そして、極めつけは、自分の目から敵をめがけて自らの血を噴射させ脅かす、という技。

 

どうだ!!

 

 

 ゴンドウクジラ属にはヒレナガゴンドウコビレゴンドウの2種類がいる。両方とも丸く大きく飛び出た額が特徴だ。

 

 コビレゴンドウは温帯から熱帯の世界中の海にくらしていて、日本近海にも姿を現わす。母と子を中心にだいたい15~50頭の群れをつくって行動し、夜になると300mから500mの深海に潜って獲物を追う。主な食べ物はイカだが、魚やタコも食べる。

 

 コビレゴンドウは体長7.3m、体重3000kgほどに成長し、オスは約45年、メスは約60年生きる。一方、ヒレナガゴンドウは身体の大きさが約7.6mに達する。ちなみに両者とは別の仲間のオキゴンドウ属のオキゴンドウはシャチモドキとも呼ばれる海のハンター。鋭い歯でシイラやブリ、マグロなどの大型の魚を捕まえる。

 

動画をつくったよ