こんにちは。
国際薬膳師 提中 知子です。
今日は、半年間、通って下さっているWさんのお悩みの変化についてご紹介します。
Wさんは、昨年12月末に、はじめて相談にこられました。
夜中のトイレが50代から続く。
胃腸が食欲を受け付けられない。
便が出なくて、お薬を飲まれている。
中でも、一番のお悩みは、便秘のことでした。
相談にこられて、体質の診断からはじまり、体質やお悩みにあわせて、毎月、献立の提案を続けてきました。
2ヶ月に入ったころ、確実に体質が変わってきたことを確認できました。
中医学では、体質診断は、舌の診断が重要です。
もともとWさんの舌は、今にも倒れるのではと感じるほどの、色でした。
しかし、食べものが変わると、特に体質にあわせて摂っていくと、本当に改善出来るということを改めて確認できました。
舌の色も格段によくなりました。
それとともに、胃腸の調子も良くなり、具体的には、食欲が増してきました。
食欲が増してきて、便も2日に1回、すーっと薬を飲まなくてもでるようになりました。
と、喜んでいたころから、すでに、1ヶ月半。
お薬をしばらく止めていると、やっぱり、堅くなってでないと、悩みを打ち明けてくださいました。
しかし、その反面、意外なことが起きました。
10年ほど、夜中の一時ころにトイレにいかれていた習慣が、ここ数日前からぴたっと、止まったとおっしゃいました。
便秘が戻ってしまって少し、消沈されていたのですが、「これは、良い兆候ですよ」と言うと、笑顔が戻りました。
人のからだは、方程式は成り立ちませんね。
長年の食生活でその人なりの体質が出来あがってしまっています。
数ヶ月程度では、どんどん不調が改善出来る期待は、100%とはいきません。
ただ、Wさんは、自然療法を長年実践される中で、胃腸自体の不調があったと言わざるを得ない状態でした。
聞きますと、ヨーグルトや野菜を多量に食べる自己流といえる食生活でしたので、これも原因の一つだと考えました。
「わたしは、ここへ来て、しゃべることで発散出来ますし、今まで東洋医学の本を買ってもチンプンカンプンでしたが、やっとレッスンを受けて、意味がわかるようになりました。」
「なるほどと思うことが多く、薬膳に出会うのは少し遅かった気がしますが、でも、本当に出会えて良かったと思います。」
とおっしゃいました。
便通が自然にでるには、からだの大切な要素が十分出来るまで、肝、心などの臓腑が元気になってこないと回復は出来ないでしょう。
でも、これで、当然といえば当然です。
からだは、生き物で、日々老化に向かっていることや、食べものだけでなく、季節の影響も日々受けています。
これとこれを食べれば、こうなって、結果、こうなるなど、方程式ではいきません。
そんなとき、もう止めたと、あきらめてしまうか、それとも、まだ続けてみよう。
そう粘っていけるか、ここはその人の考え次第になりますね。
一つ良くなって、でも、どこか逆になって元に戻ってしまているかのように思うことがあっても、だからこそ、続けることが大切だと感じます。
100%求めるか、それとも、衰えていく体で、改善していくには、時間がかかると思えるかが、分かれ目ですね。
食べものを健康に生かすも生かさないも、やはり、体質に基準を置くことかなと、日々感じています。
来週には、忍者の里で有名な、滋賀県甲賀市へ薬膳講座のため、お邪魔させていただく予定です。
忍者は、忍術だけでなく、薬にたけていて、薬膳と深いつながりがありました。
地元の方に、忍者が中医学に深い見識を持っていたことを知っていただく機会になればと願っております。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。