宙組公演 不滅の棘

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みなさん、お久しぶりです。
そして、あけましておめでとうございます。
2018年も10日が過ぎて11日。
この間にもうふた作品見ました。笑


1/2にポーの一族。
こっちの感想はまた後ほど。




今回は1/10に観劇しました不滅の棘。





開演ギリギリに滑り込んだのですが(すんません。)、幕が上がったセットがまず白い。

出てくる人みんな白い。

頭の先からつま先まで白い。

がパッと見の印象。


曲もシンプル、上手い、下手、がきっとすぐわかる歌。
それにそんなに曲数も多くなかったね。


不滅の命を得たエリイ(愛月ひかるさん)。
そして、そんな彼が唯一愛した女、フリーダ・プルス(遥羽ららさん)

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長い長い時を生きるエリイは様々に名前を変えて現代まで生き続けるわけです。


人はいつか誰もが死ぬ、その確率は残念ながら100%



エリイという人物は、300年を超えて行き続けてきたからこそ、死ぬということに憧れてきたんでしょうね。
愛する人と共に死ぬことが出来たら…、フリーダと出会い結ばれた時、きっと彼の願いはこれだけだったと思う。


憧れ、という表現はまた何か少し違ったものを感じますが、ほかの表現が見つかりませんので…。



時を超えて現代、フリーダ・ムハ(遥羽ららさん)は先祖から受け継いだ100年にも渡る長ーい裁判の判決を急いでいました。



冒頭でフリーダ・プルスを演じた際はしっとりとした魅力があった遥羽ららさん。
わずか数分後には長かった髪をショートカットのかつらに変え、サングラスをつけて「若いうちにお金が欲しい!」と歌います。


同じ人とは思えんで……って言うくらいの振り切りよう。
御先祖フリーダちゃんはめちゃくちゃおとなしい女の子なんだけど現代フリーダちゃんはまぁまぁの跳ねっ返りよう。
まぁ、可愛くってしょうがないんですが。


そんなフリーダの裁判の弁護人を務めているのがコレナティ(凛城きらさん)とその息子アルベルト(澄輝さやとさん)。


アルベルトはフリーダに恋心を寄せていますが彼女は一度それを断っている(?)みたいで。
澄輝さやとさんに恋が報われない男を演じさせると何故こうも似合ってしまうのか………。
そのへんの話は二幕に出てくるんですが…、フリーダを思って一曲歌う歌が心に染み渡って本当に切なくて。

観劇に来てた何人が「私が慰めたろか!?!?」って思ったことでしょうか(おい)



そんな彼らの弁護事務所に現れたエロール・マックスウェル(愛月ひかるさん)という人物。
コーラスガールを4人侍らせて、突如フリーダたちの前に現れるんです。


裁判に興味を示し、その有力な情報をまぁペラペラと話し始めるエロール(そりゃ本人その時代生きてるから知ってますわなぁ←)に、どうして私を助けてくれるのかと聞くフリーダ。



「お前には幸せになって欲しい」
そういうエロールのカッコいいことよ。

フリーダちゃんが恋に落ちるのも無理はないわね…。


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白ハットに真っ白ファーコートの愛月ひかるさん。
いやもうシンプルな衣装やのにかっこいいやん!?これはもうそのもののかっこよさやん!?←


こうして、アルベルトくんに新たな恋敵が出現。
しかも相手はスター。



ドンマイ…!



ところ変わって裁判の訴訟相手のお屋敷。
タチアナ(純矢ちとせさん)とその息子ハンス(留依蒔世さん)、ハンスの妹のクリスティーナ(華妃まいあさん)がくらすお屋敷に忍び込んだエロールたち。


タチアナは男遊びに必死で、息子にも娘にも気を使わない自由奔放な母親。
いやー、もうこの人ほんと母親としては最悪よ???←


その息子ハンスはアルコール中毒で出てくる場面の8割はお酒入ってる。
けどまぁびっくりしたのはまきせくん、上手いのよ!
アルコールの海に溺れるソング(あるんですよ、そういう歌が劇中に…)歌いながら千鳥足でフラッフラしてるんだけども、ガチめに入ってる?大丈夫??ってなるんです。
2幕で酔いつぶれて路上で寝てる間に妹と母がエロールとそれぞれ逢引するんだけどその場面で気づいてもらえないの可哀想やったけどな…。
でもそこで酔いつぶれて寝てなかったら自殺したクリスティーナの遺書に気づくこともなかったと思ったらあそこで酔いつぶれたのナイスやで…。

その後、タチアナがエロールと一夜を過ごしたホテルに乗り込みクリスティーナの遺書をタチアナに突きつけ読んだならすぐに死ねと叫ぶハンス。
ハンスは彼なりに精一杯クリスティーナを愛していたし、実の妹がどれだけ苦しいかをよくよく知っているからこそ、母に怒りが止まらないんでしょう。


娘の苦しみにも気づかずに、クリスティーナを失って初めて母親としてとんでもないことをしたと気づくタチアナ。
いやもうほんまこの人あかんわって思った。


ひとり健気に家でひっそりと暮らし、母と兄の幸せを願うクリスティーナは本当に健気で可愛い女の子。
だからこそ、忍び込んだエロールに気づき彼を撃ってしまったことをずっと後悔して、自分に出来ることならなんでもするから言ってくれと言うんですよね。

まぁそれがその後とんでもないことになり、クリスティーナちゃん自殺しちゃうんですけど…。

お母さんが自分が好きな男と一夜過ごそうとしてる所を見てしまい絶望に明け暮れて遺書書いて川に飛び込むんだけども…。
最後に書き残した言葉は、「あの人といつまでも幸せに。」
男遊びが激しくて、手元にある財産は全部私のモノ、なんて言っちゃう母の幸せを願う娘。

なんていう健気な……。



主要な人物………として挙げられるのはそのあたりかな?



愛月ひかるさんの演技がまぁ美しいこと。
詳しいことはまぁTwitterにぜーんぶ載せたんですけども、どれだけ人に囲まれていてもエロールは孤独なんです。



スターという上っ面の自分しか見てくれないから。
そして、自分の本当の姿(銃弾で打たれても死なない300年生きた不滅のオトコ)なんて言える訳もなくて。
自分の本当の苦しみは誰にもわからない。
孤独ゆえに派手な音楽と、たくさんの人をかき集める。
その姿が痛々しくて哀しくて。


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最後には自分が348歳だと明かすエロールに周囲は驚き以上の感情を持つわけで。
彼を愛しているよとさんざん言って、50年待って追いかけてきたカメリア(美風舞良さん)ですら、最後はこっちに来るなとエロールに言います。


300年間、老いることなく、生きてきた彼は不思議な存在であり、また恐ろしい存在ともなりうること、その事実はどうしようもなくて。
アルベルトもフリーダちゃんを必死に守ろうとするんですがその努力は虚しく(虚しい言うな←)、フリーダはあなたを愛していますとエロールに言うんです。


エロールにとっては哀しいことにその言い方は過去に愛したフリーダ・プルスそっくり。



エロール、エリイを自分の先祖だと知ってもなお、彼女は彼を愛していると。
フリーダはそういうわけです。



エロールもまた、過去に愛した女そっくりのフリーダに惚れていた訳ですが、自分の体はそう長くない、消えてしまうことを彼は知っている。
だからこそ、薬の調合方法を誰かに託して自分は消える。


それもまたなんかすごく虚しくて。
348年生きた人間。聞いたこともなければ信じることも出来ないですよね。
それまで持て囃していた取り巻きたちはエロールに冷たい視線を向けますし、アルベルトの敵意はもはやむき出し。



ただ1人、フリーダだけは彼を哀れみ労い、愛していた。
月日が流れて、愛した人の子孫からも再び愛される。
血筋か…………?




お芝居のラストシーン、灰となって消えたエロール。
最後に残ったエロールの真っ白な上着の上にフリーダは灰をかけるんですよね。歌いながら。
まるで、お疲れ様。って言わんばかりに。


そこがすごく好き。
先祖のフリーダ・プルスも、降りてきてるんじゃないかなって思うくらいに、優しい顔をしてるんですよね。


お前には幸せになって欲しい。その言葉の意味を本当の意味で理解したんだと思います。フリーダは。
先祖としての家族愛。
愛した人の生き写しであり、大切な子孫。
再び自分が交わることはないけれど、彼女には幸せでいてほしい。


フリーダが大きな愛でエロールを包んでいたように見えたけれど、別の角度から見るとエロールがフリーダを大きな愛で包んでいたようにも感じられ。

解釈がいくとおりにもできる舞台だなぁと思いました。


久しぶりに、見終わったあとふわふわとして呆然とする感覚に襲われました。
こんなにエネルギーを使ったのは金色の砂漠以来でしょうか?



DC公演は15日まで。

日本青年館公演もあるので関東にお住まいの方々はぜひ見に行ってみてください。


様々なことを考えられる素敵なお芝居でした。