Speaking/Writingで、「冠詞」のエラーをどうやって減らすか | しけんや英語塾 公式ブログ ~Teaching TOEFL is my life~

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TOEFLの全てを、TOEFL準備をしている全ての人に、「留学のための しけんや英語塾」主宰のTOEFL受験コンサルタント 四軒家忍が語ります。本格的にTOEFLを教え始めて、20年ほどになります。全ての経験と知識を書いていきます。

YouTubeのほうからご質問をいただきましたのでお答えします(といっても、わたしごときに、definitive answerは可能ではないので、参考までに)。

 

ご質問内容は、Speaking / Writingのときの「冠詞・複数形」に悩んでしまう、というものです。ただ、まずはこれで「悩める」ことが、相当の勉強をされていることになるので、喜ばしい悩みでもあります。

 

英語の名詞、とりわけ普通名詞では、

 

computerを例に挙げると、

 

a computer

the computer

computers 

(someなど)computers

the computers

 

のように、何かがくっついて使われるのが通常です。(もちろん、"computer technology" のように複合的に使われて抽象的な名詞になることで、冠詞がつかないこともありますが。)

 

だから、TOEFLのSpeakingでも、上のどれを選択するか、をいちいち考えながら話さないといけなくなります。この処理速度が一定以下だと、全体的に時間をとってしまって、ポイントを全部カバーすることができないわけです。

 

で、実はこの問題の解決策には「正解」があります。

 

絶対にやったらいいのは、【2番~4番の場合、そもそものパッセージではどのように使われているかを聞き取って、それも含めてメモを取り、そのまま解答する】というものです。

 

レクチャーで、先生が、"One day, I went to a shopping mall to buy a computer."と言ったとしたら、メモは

Prof - a PC

のようにとります。a までとるんですね。

 

あるいは、先生が、Nutrients don't rise to the surface of tropical water....と言ったとしたら、

Ns × up

としておくんですね。

 

こうして、メモを見たときに、a computerとか、nutrientsのように、考えることなく言えるようにするわけです。

 

そのためには、

① 普通名詞なのか、抽象名詞・物質名詞(ともに a が基本つかない)なのか、の区別

② a のつく、基本的な状況

③ the のつく、基本的な状況

④ 無冠詞複数形の基本的な状況

 

などを「理解」しておいて、今回のレクチャーはどういう状況の話しなのかを意識しながら聞いて、聞こえた冠詞と意味・状況を結び付けておくとよいでしょう。そしてそれをメモしておけば、特に問題なく発話できると思います(もちろん、ある程度の英語の能力があることが前提です。①~④が自分で調べられること、a と the の違いを聞き取れること、などまあまあ難度の高いスキルも必要になります。)

 

これはWritingでも同様です。特にIntegrated taskはネタが「全て」与えられているので、文法的に考える必要がほとんどありません。そのまま写すことができます。

 

これがSpeakingの1番とか、Academic Discussion Writingでは、一部自分で考えることが必要になるのですが、これは、なんでもいいので、自分でまず答案を作成してみて、その内容を分析してみてください。

 

そうすると、自分の答案(おそらくは具体例のような場面だけだと思いますが)で、無冠詞単数形で使われるべき抽象名詞がまあまあ出るなあ(自分の思考として)とか、どうしても一般的なことを言うから無冠詞複数形になるなあ、とか、自分が思いつく例やその順番にも特徴があるかと思うんですね。そうしたら、それなりの冠詞があるので、それをしっかり研究してみることが役立ちます。それ以外の部分は、問題文に書いているので、... study art or literatureと書いているのに、わざわざ ... study the art...とかする必要はないわけです。

 

ですから、TOEFLにおいては、

① integrated taskでは、聞こえた通り・書いてある通りに言う

② independent taskでは、問題文を最大限にそのまま使うことと、自分の具体例などのクセを知り、分析をしておくこと

が有効です。

 

で、TOEFLでもっとも重要なのは、「体系的なエラーである」と思われないこと、です。あれ?この受験生の英語には「冠詞」という概念がないのかな?とか、全てに a をつけているんだけど、何か冠詞について誤解しているんだろうな、とか、そういう体系的なエラーがあると印象が悪くなりますが、すこしのエラーは何もスコアに影響を与えるものではありません。上記のように、一応の努力をして、すこしの意識があれば、TOEFLで減点されるほどの冠詞のエラーはなくなると思います。

 

TOEFLはその意味では、狭い範囲での文法の運用能力を調べています。ここで十分に訓練をして、一般的にもまあまあ使えるというレベルに一段上げられるとよいと思います。