投稿写真

裁判員の皆さん。

皆さん こうやって
裁判に関わるのは
たぶん はじめてだと
思うんですけど。

思いませんか?
裁判って 何て
こんな くだらないこと
やってるんだろうって。

いや。僕は いまだに
そう 思っちゃうんですよ。

いや。さっきから 僕ら
「いや。真実は こうだ」
「いや。違う。異議あり」って
やってますけど。

ホントのことは 真犯人が
全部 分かっちゃってるんです。

滝さんは
なぜ 亡くなったのか?

過去の事件は 誰が やったのか?
15年前の 事件の真相は?

犯人さえ ホントのことを
話してくれれば
こういう裁判は
もう 必要ないんです。

でも。
嘘をつかれると
いきなり
訳が 分かんなくなるんですよね。

だから
当事者でもない 僕たちが
ああでもない こうでもないって
議論し合うんです。

犯人の 心の中にある
真実っていうもの。

それが 正義の名の下に
許されるものなのか
そうでないのかを。


正義って 言いましたけど。

正義は 一つじゃないんです。

僕たち 検事は
悪人を 絶対に 許さないという
正義があります。

そして 弁護人には 依頼主を
守るという 正義がある。

そして 皆さん。
裁判員の皆さんには
僕らの主張を
よーく 聞いてもらった上で
法と良心に基づいた 公平な判決を
下すという 正義があります。

みんな それぞれの
正義を信じて
それぞれの立場から 被告人に
光を当てることによって
真実を 浮かび上がらせていく。
それが 裁判なんです。

そこには すごい
大事な ルールがあって。

それは。まあ 犯人は
嘘をつくかもしれませんけど。

それ以外の
この法廷にいる人 全て 絶対に
正直でなければ
ならないということ。

正直で 真っすぐな
光を当てなければ
真実は 見えてこないんです。

裁判は
成り立たなくなっちゃうんです。
(HERO 最終話 久利生公平 検事の台詞より)

#HERO #久利生公平 #最終話