髪をといている君を見てた


隣には猫が寝そべっていた


風が洗濯物を揺らしていた


君は隣の猫に気づき


優しく微笑んでその体を撫でた


それからゴムを一つ取り出し


といたばかりの髪を結い上げた


君は僕の方を見た


それから僕の隣に座り


僕の首に手を回してキスをした


猫が君のあとを追ってやってきた


君の足にすりすりと体を寄せるが


君の反応がないとみるやぷいっとどこかへいってしまった


僕も君の体に手を回した


なんの不安も恐れもない


猫が揺れる洗濯物を見ながらあくびをしている


僕は君の前髪に触れた


柔らかくさらさらと流れる


猫が眠そうに目を開けている


なんの不安も恐れもない


眠そうな猫と


君の中で


日常という宝物を知り


湧き出る言葉は僕一人のものではないことを知る


猫がとうとう目を閉じる


きらきらとした


君の髪も揺れて




僕が持っていなくて


他人にそれを見るたびに羨ましくなるものを


もし


僕が生まれた時から持っていたとしたら


僕は


どれほどの人間になっていただろうか


それでも


今気づいているものに気づくことができていただろうか


それとも


違うもので泣き


違うもので笑っているのだろうか


その人生も見てみたい気もするが


今の人生を引き換えにだとしたら


僕は


想像の世界にそれをとどめておく


風の感じ方がもし


夜の過ごし方がもし


言葉の選び方がもし一寸でも違っていたら


この歌に


この気持ちに


君に出会えなかったかもしれないと思うと


今の自分の姿も


人知れず誇らしく思う


この歌に


この気持ちに


君に出会えたことに


心から嬉しく思う


あの風の中で


あの夜の間で


見つけた言葉を胸に


僕は君へと


辿り着いたのだから




一緒に歩いていきたい


靴の歩幅合わせて


君が立ち止まるとき


僕も立ち止まって


雨降ったら傘さして


僕が歌うたうとき


君もリズムに揺れて


虹出たら指差して


僕達は離れない


一緒に歩いていきたい


心の歩幅合わせて


君が悲しいとき


僕も立ち止まって


夜明けを待って


僕が苦しいとき


君が口づけをして


酸素をくれて


君が嬉しいとき


僕も跳び跳ねて


好きなもの見つけて


僕が楽しいとき


君も歌口遊んで


好きなもの見つけて


僕達は離れない


きっとずっと


好きなものと君だけは


きっとずっと


好きなものと僕だけは


僕達は見つけ続けるから