宝石の価値について Part4 | 曇りときどき晴れ

宝石の価値について Part4

だいぶ間が空いてしまった。

前回からの続き。
最近、60~70歳代の母親と40歳前後の娘さんが連れだって来店される例が増えているように感じる。

来店の理由は、お母様所有のジュエリーを私どもの店で査定させていただき、
結果次第で娘さんが引き継ぐか、換金してしまうか、あるいはリフォームして使うか
を決めるつもりだとおっしゃる。

「ジュエリーの事業仕訳みたいなもの。」

あるお客さんは笑いながらそうおっしゃったのが印象的。
この事業仕訳はたいていの場合、私どもの提示した査定金額とはあまり関係なく、
娘さんが現時点で使用できるものを残し、そうでないものは換金する、という結果に落ち着く。
お母さんの事業仕訳が終わると、最後に娘さんも自身が10~30歳代に使用していたものを、
「もう使わないから。」と、換金されるパターンが多い。

もしも20歳代から50歳代まで、ライフステージごとのイベントやTPOに応じて使用する
宝飾品を買い続けたとしたら、いったいいくらくらいの出費になるのだろう?
もちろんプレゼントされる分も含まれるけど、少なく見積もっても数百万円にはなると思う。
特にジュエリーが好きという方や、ブランドジュエリーしか買わないという方、
定期的に購入する店が決まっている方などは、当然その金額は何倍にも大きくなる。

ネットオークションを上手に利用すると、1/2から1/3以下に圧縮することができるかもしれないけど、
ライフステージごとに使用するジュエリーをすべてオークションで落札したとしても、
それらをずっと所有し続けるには、最低でも100~200万円くらいは必要。

それでオススメなのが、お手持ちのジュエリーの事業仕訳。
ライフステージの変遷によって、好み(ブランドや色、デザイン、素材等)は、変化しているはず。

所有しているジュエリーはたくさんあっても、使用しないジュエリーが多くなってしまうわけは、
お客様ご自身の「かわいい」とか「欲しい」、「身に着けたい」と思う感覚が変化するたから。

今欲しいと思うものを手に入れるために、ローテーションからはずれてしまったものを手放す、
結果的に最低限の支出で、場合によってはキャッシュレスでお気に入りのジュエリーがゲットできる、

それが、とても面映ゆいけど、うちが2009年6月に開始したJX(ジュエリー・エクスチェンジ)。
買い取らせていただいた商品をできる限り、次にまた大切にお使いいただける方に、
その価値をつなぐための最大限の努力をすること、それがセルビーの仕事です。

最後にお願いですが、査定をご依頼いただく際は、指輪などから石をはずしたりせずに、
そのままの形でお持ち込みして下さい。
宝石も高く評価できる場合もあるし、なによりジュエリーを解体してしまっては、
その価値をつないでいくことができなくなってしまう。
お持ちになっているジュエリーを手放さなくてはならなくなった時、
あるいは事業仕訳をしなければと思い立った時、どうぞセルビーのことを思い出して下さい。