アウディS6がエコカー対象車になった | 曇りときどき晴れ

アウディS6がエコカー対象車になった

クルマのテレビCMを見ていると、「エコカー減税」の連呼でうんざりする。
加藤清史郎クンはかわいいが、「こども店長」と補助金に助けてもらわなければ、
利益を生み出すことのできないトヨタが情けなく感じる。
クルマ本来の価値ではなく、減税によって国に助けてもらっていることを誇らしげに叫ぶ。
民間企業としてのプライドはないのだろうか?
昔、「特振法」が制定されそうになった時、本田総一郎は通産省に乗り込み事務次官だった佐橋滋に、
「国は民間に介入すべきではない。自由競争こそ日本の産業を伸ばすのだ。」と啖呵をきって、
自動車の製造を開始し、結果として「特振法」を廃案に持ちん込んだ。
それが、今や国にケツを拭いてもらわなければ生きていけない産業になってしまった。
自動車業界は裾野が広く、雇用や税収に大きな影響を与える業界であることは理解できる。
雇用に影響を与えるということは消費にも影響を及ぼすことになるので、
国がある程度めんどうを見てやらなくてはいけないという理屈も頭ではわかる。
しかし減税と補助金の種類と金額と対象車があまりに膨大だし、期間が長すぎるのではないかと思う。
「エコカー補助金」という名称は用いられているものの、現実的にはリーマンショック以降の、
不況対策以外の何物でもない。
メーカーの在庫調整は終わっているのだから、早急にやめるべきだ。
もっと財政出動を必要としている分野はいっぱいある。

ともあれ、以下、トヨタのエコカーを例に挙げてみる。
①環境対応車普及促進税制(100%)+エコ補助金
 ・サイ
 ・プリウス
②環境対応車普及促進税制(100%)+自動車グリーン税制(50%)+エコ補助金
 ・エスティマハイブリッド
 ・クラウンハイブリッド
 ・ハリアーハイブリッド
このあたりまでなら、なんとなくエコと補助金の関係が理解できる。

けれど、補助金のみの対応車には、クラウン(マジェスタ含む)はおろか、
ランドクルーザーまで入っているのには驚かされる。
ランドクルーザーがどんなクルマかを簡単に説明すると、
スリーサイズは長さ約5メートル、幅約2メートル、高さ約1.9メートル、重量約2.5トンという巨体で、
エンジンはV型8気筒4.6リッター、10.15モード燃費は約7km/lというプロフィールを持つ、
大型SUV(ジープのような形式のクルマ)である。
オーナーに言わせると、実際の燃費は5km/lを超えることはほとんどないとのこと。
人間に例えると、現役時代の「小錦」に相当すると思う。(今はものすごくダイエットした。)
「現役時代の小錦は、スリム補助金対象!」というのと同じことを国の施策として行なっている。
国産のクルマにこんなアホな施策を続けているので、海外のメーカーも外交ルートを使って、
「うちのも認可しろ!」と文句を言ってくる。

それが今回の、アウディS6補助金事件だ。
では、アウディS6とはどんなクルマなのか?よほどエコなクルマに違いないと思ってしまうが、
スリーサイズは、全長×全幅×全高=4915×1865×1435mm、車重2,020kgのセダンだ。
S6のオリジナルであるA6は、ヨーロッパでは「Eセグメント」と呼ばれるカテゴリーに属する、
パーソナルユースとしては最も大きくラグジュアリー度の高いセグメントのクルマである。
メルセデスベンツEクラスやBMWの5シリーズがEセグメントでのライバルに当たる。
A6の中核車種は2.8リッターV6エンジンだが、今回エコカー補助金対象になったS6は、
スーパーカーとしてフェラーリと人気を二分するランボルギーニ・ガヤルドから移植した、
5.2リッターV10エンジンを積んでいるのだ。
ランボのようなスポーツカーではないので、シティユースに耐えうるセダンに躾けられているものの、
435馬力、0-100km/h加速タイム5.2秒、リミッターをはずせば最高時速が300km/hに迫るという、
世界最速レベルのスーパーカーであることは間違いない。
簡単に言えば、S6とは、セダンのかっこうをしたランボルギーニということだ。
しかも価格は、1,228万円!
補助金とか減税とか最初から関係のない人しか買わないクルマ。

S6がエコカー補助金対象になったということは、エコカー補助金対象にならないクルマは、
いったいどんなクルマなのか?ということになる。
トヨタで言えば、自衛隊と軍事オタクのお金持ちしか買わないメガクルーザーとか、
ハマーH1、ブガッティのヴェイロンくらいしか思いつかない。
あのフェラーリも599というフラッグシップモデルに
ハイブリッドカーをラインナップさせることを発表したから、
フェラーリが申請さえすれば補助金対象になるのは確実だ。

トヨタを擁護するわけではないけど、別にフロアマット事件やアクセル事件、
プリウスのブレーキに関するリコールについては、パロマや松下の事件から学んでさえいれば、
もっと早く誠実に対応できただろうにと思うだけだが、もっと大きな矛盾はいっぱいあるはずだ。
補助金のこともそうだし、軽自動車の安全性(特に側面衝突)や、高速道路での2人乗り認可以降の
2輪車の死亡事故件数、高速道路の無料化と債務の関係および、道路公団民営化との矛盾についてなど。
話題になっていることについて尻馬に乗るだけでなく、
マスコミは自主的にテーマを掲げ徹底的に調べて報道してほしい。
しかしS6が補助金対象かよ、まったく。