二玄社 NAVI 休刊 | 曇りときどき晴れ

二玄社 NAVI 休刊

天賞堂事件以降、爆窃団関連の話ばかりになってしまったけど、
個人的には、NAVI休刊のニュースはかなりインパクトがあった。

一昨年のリーマンショックがターニングポイントになったであろうことは想像に難くない。
広告の減少、若者のクルマ離れ、話題になるのはコンパクトカーやハイブリッドカーだけなど、
クルマを単なる移動するための道具ではなく、ファッション同様オトナの文化としてとらえて、
紙面をつくりあげてきたNAVIには逆風が吹き続けていた。

おそらく、NAVIや同じ二玄社のCGの中心的な読者層は、50歳前後だろう。
掲載されているクルマは、ガイシャばかりだ。
ガイシャ。
性能や乗り心地の面で、ガイシャが日本車に対して持っていたアドバンテージは、
大昔に失なってしまっている。
単に速さを競うなら数千万円もするフェラーリやポルシェは、800万円ほどのニッサンGTRに勝てない。
もはやガイシャにあるのは、ロマンやノスタルジーだけかもしれない。
その意味でNAVIやCGは、ロマンやノスタルジーのバイブルだった。

販売部数が減少してきた原因は、広告の減少や若者のクルマ離れ、インターネットの普及など、
外部環境の変化だけとは言い切れない。
記事がつまらなくなってきていたのも事実だ。
モータージャーナリストを自称するクルマ好きのライターたちは、
メーカーからクルマを無償で借り受けてテストするため、どうしても評価が甘くなる。
テストだけではない。個人的な用事であっても借り受けたいクルマを販売しているメーカーに対して、
どうして厳しい記事が書けるだろう。
一例をあげるなら、私はポルシェを悪く書くライターを一人も知らない。
ポルシェがいいクルマであることは認める。
しかしプロのジドウシャ評論家が、オーナーではできないような無茶な乗り方をして、
なぜ、欠点がひとつも見つけられないのか大いに疑問だ。

ライターの文章も下手になった。
徳大寺有恒が好きかどうかは別にして、文章に味わいがあることに関しては異論がない。
別に筑波サーキットやニュルブルクリンクのノルドシュライフェを速く走らせる技術がなくてもいい、
読み手に感覚を伝えられるライターでなくては、モータジャーナリストを名乗る資格はない。

いつの間にか、NAVIもそうしたライターが書いた記事ばかりになってしまった。
プリウスを全く評価しない評論家が一人くらいいてもいいと思うし、
ポルシェやフェラーリの悪い点を堂々と述べる評論家がいてもいいし、
死亡事故の多い車種を調べて発表する評論家もいるべきだし、
10.15モード燃費の無意味性について批判し続ける評論家だっているべきだ。

寂しい気もするが、CGほどの予算を掛けられないNAVIは、
休刊するべくして休刊することになったとも思える。