先日、いわて生協の活動として「被災地の現状を聴く会」を開催しました。

今日のブログは、ちょっと重いものになります。

「ちょっとダメ…」という方は、どうぞスルーしてくださいませ。



陸前高田に在住で、自らも被災しながら

ご自分よりももっとつらい立場の方を支援しておられる方をお呼びして。

今、現在の被災者、被災地の現状をお話していただきました。


ニュースや新聞などの報道では、

被災地のがれきの撤去がもうすぐ終わりそうだとか


三陸鉄道が全線開通の見込みだとか…


岩手もずいぶん目に見える部分では、復興が進んでいるように思えます。


しかし、この日のお話では「目に見えない部分」を話していただきました。


あれから3年、市街地の整備・復興、災害公営住宅の完成も進まない中、

仮設住宅を出ていく方が目立つようになるそうです。

すると、県立病院には働き盛りの男性が栄養失調で倒れ、病院に運ばれてくるというのです。


患者さんは、家を建てるために身を粉にして働き、食費を削っていると。

「義援金もあるだろう?」と聞くと

「日々の生活のために、現金は必要だから使えない。」

そう答えるとか。


また、仮設住宅に残っている方は

「隣の家族が仮設を出ていく。よかったなと思う。喜んであげたい。でも寂しい」

「なぜ、引っ越すことを言わずに出ていてしまったのか?」と

置き去りにされた気分になるといいます。

仮設住宅を出る人は、残る人に遠慮して家を建てること、

仮設を出ることを告げずにいなくなってしまう方も多いとか。


仮設を出て新居に移っても、息子の立てた家だから、

自分の家ではないと感じ息子たち家族に遠慮して暮らす老人。


息子を亡くし、嫁と孫に家を出ていかれ、取り残される老人。

お嫁さんにしてみれば、不便な被災地よりも、

環境の整った実家で暮らしたほうが子供のためになると考えての事です。


特に仮設住宅で暮らす高齢者は、外出の機会がなく、近所にも友達がいない方が多いとか。

結果、ひきこもりがちになり不眠症や、うつ病になるひとが多いといいます。


高齢者にとどまらず、今心配な年代なのが

子育て世代の母親だといいます。


子供たちの学校が被災し、遠い場所の仮校舎まで子供の送り迎え。

子供が二人、三人いらっしゃる方は、それぞれ違う場所に。

そのほかにも、部活の遠征の送迎などもあり

生活のためにいくつもの仕事を抱えている。

そんな母親の「自分の時間」が全く取れていないようです。


くたくたになって家族のために働き、追われる毎日。いつか、感情が爆発するのでは?と

心配しているそうです。


もっと小さなお子さんを持つ20代の母親も、

狭い仮設住宅の生活で、両隣の方を気遣い

物音とたてないようにと、小さな子供と二人きりの生活に行き詰っているとか。

生活支援相談員のもとに、泣きながら子供を連れて来た母親の例を話していただきました。


講師の方は、

「被災者は、最近自分の居場所を探し始めた方が目立つ」とおっしゃっていました。

誰かに話を聴いてもらい、自分が生き残ってしまった、家が残ってしまったという

罪悪感を理解してもらいたい。

そして、これから一人で生きていくために何かしたいと言う方。


「今でも、死にたいとおもったりするけど、でも生きていたからあなたに会えたね」

そう言ってお茶のみを毎回楽しみにしてきてくれる方。


そんなお話を聴いて、私は何ができるだろう?と思いました。

すると、講師の方は


「被災地を忘れないでください。いつも見守っているよ。と声をあげてください。

義援金も、3年たつと途絶えてきています。

せめて、岩手に住む私たちは続けて支援していきましょう。」

そうおっしゃっていました。


私にできること・・・・

募金かな。 そして、被災地の商品を継続して買うことだな。

一回だけでなく、継続して。そして、被災地に行ってお買い物をして、食事して…


小さなことだけど、きっと、これが支援になるんだろうな。