続いては「アニマル1」。



今ではあまり語られることのない作品かもしれないが、アニメ化もされて大ヒットした作品である。アマレスの物語と言う、当時も今も珍しい種目を題材にしてるが、翌年(昭和43年)にメキシコオリンピックを控えての(おそらく)編集サイドも含めた企画であった様な気もする。ただしアニメが翌年から開始されてるところから、アニメ化前提の企画であったかは微妙。

作者の川崎のぼるは、前年からサンデーのライバル誌であるマガジンで「巨人の星」を大好評連載中で、おそらく他にも連載をいくつか持っていただろうから(「いなかっぺ大将」など)、当時の売れっ子漫画家の激務っぷりは凄まじいものを感じる。

絵柄は、「巨人の星」の方がより「劇画」タッチではあるのだけれど、同じ小学館の学年誌で連載していた「いなかっぺ大将」風で、掲載誌によって描き分けているのかも知れない。とは言え、ドタバタギャグ漫画を劇画風味のタッチで描くと言う川崎のぼるの独特の手法は斬新だったと思う。後に、みなもと太郎が「ホモホモセブン」で見せたギャグ漫画で突如劇画タッチを織り込むと言う手法の先駆けかなあ。