私は国会議事堂前の交差点で東日本大震災に遭遇しました。
目の前で信号が大きく揺れ出し、何が起こったんだろうと思った直後、大きな揺れが起こりました。
高層ビルの大きな揺れもいまだに覚えています。

その時、情報も無かったのでまさかここまでの大災害が起こっていた想像もできませんでした。
 

この後の予定がキャンセルとなり、
 

やった!遊べる!
 

と思ったくらいでした。

ただ大きな余震が起こるかもしれないと思い、皇居に避難しました。
翌日、東京で遊んで帰るつもりだったのでホテルを予約していました。
 

私は運が良かったのです。
ホテルも直前にお台場から浅草に変更しました。
いつもなら付けない朝食をつけました。
信じられない話ですが、夢でお台場のホテルはやめるようにとお告げがありました。
お台場は火災も起こり移動も大変だったかと思います。
出発時に母親が間違えて水筒にホットコーヒーを用意しました。
正直、荷物が増えて迷惑だと内心思いながら持って行ったのですが、長時間外にいて冷えた体に母の入れてくれたコーヒーは心も体も温まりました。
この一件以来、外出時には飲み物、食料を持つようになりました。

 

 

都内の電車は止まっていたので、ホテルのある朝草まで歩いて向かいました。
携帯電話はバッテリーの消耗を避けるためほとんど使いませんでした。

余計に状況が分かりません。

 

日本人はお互い助けあい困難を乗り超えた的な美談が大好きです。
私は疑問に感じます。
大半の人はそうかもしれませんが
美談ばかり報道するから、特殊詐欺など騙される人間が無くならないと思えてなりません。
東京も私が見た光景は美談では済まされませんでした。


ホテルに向かう途中、早い夕飯を食べました。
テイクアウトの客でやたら混んでいるなと思いました。
すでにパニックが起こっていたようです。
コンビニ、飲食店に食料の買い占めが始まっていたのです。
 

ホテルのロビーには帰宅難民であふれ、深夜になってもホテルの前のバス停には長蛇の列が無くなりません。
ホテルも帰宅難民を受け入れていましたが、

宿泊者のエリアに行くと


都内ホテルあちこちで盗難の被害が相次いて発生しているので注意してください
 

の張り紙がありました。
 

翌朝、東京駅に向かう途中、きょろきょろあたりを見渡す不審な男が目の前を歩いていました。
携帯を向けた先には座りこんだ若い女性の姿。
一晩、外で過ごして疲れた若者が駅のあちこちに座り込んでいました。
気候的に、春物ファッション、ミニスカートの女性もたくさんいました。


東京駅も窓口、券売機ともに長蛇の列。
ふと誰も並んでいない券売機が目に入り、新幹線の切符を買うことができました。
私は、食料を買いこみませんでした。
腐るリスクもあり、重さで機動力も鈍りますから。
東京ばな奈を買いました。
食べずに済めばお土産に使えますから。
でも子どものころから地震教育を受けてきた静岡、愛知から出張で震災に遭遇した人はみな同じようなことをしたそうで。
 

土曜の朝の新幹線の指定席はほぼ完売でしたが、乗客はほとんどいませんでした。
地元のJRの駅で降りると、在来線でこれから動物園や水族館に向かう小さな子供を連れたファミリーに遭遇しました。
当時、遊ぶことは不謹慎と言われましたが、私はこの光景にほっとした記憶が今でも覚えています。
東京の殺伐した光景と空気がかなりきつくて、地元のあたたかな日差しと光景に助けられました。

 

人の不幸に乗じて平気で犯罪を犯す日本人もいるわけです。

私は被災者に気を使わず自粛生活をしない程度の人を非難する気なんて全くなれません。