乳腺腫瘍 | 戸部ウータン動物病院のブログ

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乳腺腫瘍


乳腺腫瘍はメスの犬に多く見られる腫瘍で、主な症状として乳腺にしこりが生じます。ヒマワリ
「しこり」の大きさは数ミリのものから数十センチのものまでと様々です。もみじ
大きければ大きいほど、予後が悪い可能性が高いです。チューリップ黄
犬の場合、乳腺腫瘍の良性悪性の割合は50%といわれています。チューリップ赤
悪性(乳癌)の場合には、ほかの臓器などに転移することもあります。チューリップ紫
炎症性乳癌の場合には乳腺付近の皮膚が赤く腫れ、痛みをともない、皮膚炎や乳腺炎と間違うこともあります。チューリップピンク
乳腺腫瘍と同じように体表部にできる皮膚腫瘍として、悪性リンパ腫や肥満細胞腫、扁平上皮癌などがあり、注意が必要です。チューリップオレンジ


乳腺腫瘍のはっきりした原因は、まだ明らかになっていません。パンダ
しかし、避妊手術の有無や手術時期が発症率と深く関係あり、乳腺腫瘍の多くが性ホルモンに対する受容体をもつため、性ホルモンが危険因子と考えられています。ブタ
適切な時期(1回目と2回目の生理の間まで)に避妊手術を行うことで、発生率を減少させることができます。しっぽフリフリ


乳腺腫瘍の治療は、まずしこりが乳腺腫瘍か違う腫瘍かを判断する為に針で刺し、顕微鏡で細胞を観察します。ウサギ
しかし、針で採取できる細胞は少量の為、乳腺腫瘍であることはわかりますが、良性悪性の判断までは一般的にはできません。カメ
炎症性乳癌の場合は予後が極めて悪く、手術をすると更に悪化することが知られています。ねこへび
炎症性乳癌が疑われない場合は外科的手術によって腫瘍を切除し、病理検査を行います。馬
この際に避妊していない場合は同時に避妊手術を行う場合もあります。クローバー
腫瘍の切除範囲は、腫瘍の種類や発生部位、転移の有無、犬の一般状態などに応じて変わってきます。ぶーぶー
術後、悪性だった場合は化学療法・放射線療法・癌免疫療法などを行なう場合があります。うり坊
抗癌剤は乳腺腫瘍には理論的には効くはずですが、現時点で明らかな効果が立証されてはいません。てんとうむし
よって担当の先生とよく相談することをお勧めします。コスモス


乳腺腫瘍は、最初の発情前または2回目の生理前までに避妊手術をおこなうことで、発生する確率が格段に低くなります。ヒツジ
愛犬に出産させることを希望しない場合は、早めに避妊手術を受けさせると良いでしょう。カメ
その他、避妊手術で子宮蓄膿症や子宮内膜症、卵巣腫瘍などの卵巣や子宮の病気を予防することができます。富士山
また、日頃から小さなしこりや腫瘍がないか、体全体を触ってチェックすることが、早期発見につながります。虹




乳腺腫瘍は猫がかかる腫瘍のなかで3番目に多く、その約9割は癌(悪性腫瘍)といわれています。ブタネコ
猫の乳腺癌の場合、腫瘍が数センチと小さくても転移する可能性があるため、早期発見が重要な病気です。にゃー

猫の乳腺腫瘍はほぼ悪性の事が多い為、腫瘍ができた左右どちらかの乳腺をすべて切除します。ヒヨコ
同時に卵巣子宮摘出術も行ないます。ブタ
その後、場合によってはもう片側の乳腺も全切除します。天使
そのほかにも症状や転移の状況によって、放射線治療や化学療法・癌免疫療法などを行います。あじさい
早期に発見し、積極的な治療を行うことで延命が期待できます。クローバー
乳腺腫瘍が肺や他の臓器に転移していると、手術を行っても数ヵ月しか生きられないこともあるため、手術する前にしっかり全身の検査を受けておく必要があります。クマ

猫も1回目の発情がくるまでに避妊手術を受けることで、乳腺腫瘍の発症をかなり予防することができます。コスモス
日頃からスキンシップを兼ねて猫のお腹を触って、小さなしこりやはれがないかチェックし、早期発見に努めましょう。虹



当院での症例1
以前、乳腺腫瘍の手術を行ったが、良性だった為、他の部分の乳腺腫瘍をとらず様子を見ていたとのこと。ヒマワリ
数週間前から腫瘍が急激に大きくなって、一部自壊しているとのことで来院されました。もみじ


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右側の第3~5乳腺腫瘍がかなり大きくなり、一部自壊していました。チューリップ黄
また他の乳腺も腫瘍化していました。チューリップ赤
一般的に乳腺腫瘍は3cmを超える大きさであると、予後が悪くなることが知られています。ねこへび
今回の子は全乳腺が腫瘍化しており、リンパ節も腫れていました。ぶーぶー
おそらく全身に転移しているものと思われます。てんとうむし

血液検査では貧血があるものの、そのほかは問題ありませんでした。チューリップ黄
レントゲン検査でも、現時点では肺転移所見は認められませんでした。チューリップ赤
CT検査をすれば、更に細かい転移所見もわかるのですが、今回は行いませんでした。チューリップ紫
エコー検査で卵巣子宮を確認しましたが、腫瘍化や子宮蓄膿症は併発していませんでした。チューリップオレンジ


今回の子は年齢的に高齢です。ヒツジ
現時点で明らかな転移所見は認められませんでしたが、腫瘍の大きさからも顕微鏡レベルで癌細胞が全身に転移していることが予想されます。黄色い花
根治的な治療はおそらく不可能と思われます。クローバー
よってQOLの改善の為、自壊している乳腺の切除と、今後の自壊予防の意味で右側の乳腺全切除を行いました。うり坊

卵巣子宮摘出術は実施しませんでした。あじさい


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腫瘍が大きく、血管をかなり巻き込んでいた為、丁寧に剥離結紮をします。チューリップ黄


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右側乳腺を全部切除しました。チューリップ赤


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傷口が広いため、皮膚の下に漿液が貯まらないように縫合しました。チューリップオレンジ


抗癌剤療法・残った左側の乳腺切除は年齢的な事も考慮し、希望されませんでした。ブーケ2
今後定期的に乳腺腫瘍の転移のチェック、万が一残った乳腺腫瘍が自壊した場合はそのときにまた切除する予定です。虹


術後2週間後抜糸を行いました。ヒマワリ


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術創に漿液も貯まらず、きれいにくっつきました。晴れ

今後残った乳腺が自壊しないことを祈っています。虹


当院での症例2


左第4乳腺に直径3㎝の乳腺腫瘍がありました。ヒマワリ

最初は1㎝ぐらいでしたが、徐々に大きくなって3㎝ぐらいになりました。チューリップ黄



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悪性の場合、大きく切除をしなければなりません。チューリップ赤

オーナー様とご相談の上、今回は最初から左第3~5乳腺の部分切除+避妊手術を実施しました。チューリップ紫



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卵巣と子宮を摘出しています。チューリップピンク



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左第3~5乳腺を摘出しました。うり坊



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皮膚の下に漿液が貯まらないように丁寧に縫合しました。クローバー



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2週間後抜糸しました。あじさい

漿液も貯まらず、きれいにくっつきました。黄色い花


病理検査の結果、今回の乳腺腫瘍は良性でした。あじさい

今後再発の心配はありませんが、残存している乳腺に新しい乳腺腫瘍ができる可能性はありますので、経過観察が必要です。虹


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