全書芸の秦大猷先生がご逝去されたそうです。
ご冥福をお祈り申し上げます。
○○式だの○○会だのにはほとんど欠席の私だけど、
十数年前の常任理事任命式(こんな名称かは不明)ってのには謹んで出席させていただきました。
式の後のパーティでは、知ってる先生も同輩もゼロで、挨拶回りもしないし気も遣わない。
事務局推薦だもんで、事務の人と取引先の人達に混ぜてもらって、
私に常任理事の先生感はありません。
当時はまだどっかの隅に喫煙所があった時代。でもきれいなホテルにそんなものはありません。
しばらくして会場から見えたのは通路の隅っこに置かれた自立する灰皿と椅子。
うっひょーとばかりに向かうと、おじいちゃんがひとり座ってた。
「ご一緒させてもらっていいですか~^^」
「ああどうぞどうぞ^^」
並んで一服。
おじいちゃんが口を開いた。
「私の功績を称えてくれませんか^^」
「え?」
「ここに灰皿を置かせたのは私です^^」
「あーーーーーーーそれはそれは^^」
大拍手のとこばさん。そっからいろいろお話。
その会場にいるんだもの、ただのおじいちゃんでないことくらい
当時の私も知ってたはずだけど、なんかフツーに話してて、
高校の書道の先生をしていた話などもしてもらったっけな。
高校の時は大学に書道科があるなんて知らなくて、そういう学校に行ってみたかったと思いますってな
ことを言ったら、
「行かなくてよかったかもしれませんよ。行ってたら書をやめてしまってるかもしれませんよ」って笑ってた。
もしかしたら、そういう教え子さんがたくさんいたのかもしれないな。って今思った。
後からそこにいらした吉田先生に
「お弟子さんですか」と言われ
「いえ、今ここで・・・」と声をそろえて答えて笑ったっけな。
胸に付けたリボンの名札で私の名前を口にして、支部名を聞いてくれて
「豊美です^^」
「それは覚えやすいね^^」
それっきり。
もしかしてもしかしたら、どっかで私の名前を見て思い出してくれたりしたかな。
審査で一票入れてくれたかもしれないな。
この度の訃報に接し、思い出したことでした。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
いつかまた書のお話をしましょう。