No.155.貿易を科学する
最速で貿易事業の達人になる秘訣 -129-
「差」で稼ぐ貿易の法則」 -1267 【副業から起業編】
<貿易ドリル>No.21
(前章までの内容)
この章では、「差」で稼ぐための貿易の
法則を実践的な例を交えながら解説して
います。
(本章では)
今回から、貿易事業に関わるに当たって
便利な貿易ドリル(実務演習)により
実際の貿易業務の内容を実践に即して
解説します。
【貿易ドリル】21回目
前回の高精度計算サイトを改良しました。
・2回分支払分の平均上積み差分も
最後の行に、加えました。
・検算しやすいように、各業の頭に番号を
振りました。
これ以外の部分は、NO.154と全く同じです。
(以下は、復習用で掲載します。)
原価見積計算編:為替レートリスク計算
通貨他条件別に為替レートリスクを
計算します。
前回は英国ユーロベースで計算しました。
今回も、ユーロベースで計算します。
但し、送金は1回だけでなく、
2回に分けて送金した場合を計算します。
実際には、発注時に、30%~50%、
出荷直前に、70%~50%送金にする
場合が多いからです。
発注時に、100%支払う場合は、
すでに、買い手である輸入者と売り手で
ある輸出者の信頼関係がある場合です。
このようなケースでは、その2回目に
支払う時のレートのリスクを計算しなけれ
ばなりません。
通貨:ユーロ
発注時点でのレート:150円と仮定。
レートリスク率①:0.05%
レートリスク率②:1.50%
発注日から支払日までの期間:100日
①計算当日レート x (リスク率① x 日数 + リスク率②)
*リスク率①を0.05%, リスク率②を1.5%とした場合、
150円 x (0.05/100 x 100日 + 1.5/100)
= 150円 x (0.05 + 0.015) = 150円 x 0.065
=9.75円
6.50%のレートリスクと計算されました。
これは、注文確定日から支払い日までの
リスクを計算したリスクレートです。
159.75円のレートで計算します。
②計算当日レート x (リスク率① x 日数 + リスク率②)
*リスク率①を0.05%, リスク率②を1.5%とした場合、
150円 x (0.05/100 x 200日 + 1.5/100)
= 150円 x (0.10 + 0.015) = 150円 x 0.115
=17.25円
11.50%のレートリスクと計算されました。
これは、注文確定日から入港日までの
リスクを計算したリスクレートです。
167.25円のレートで計算します。
但し、これは外貨建て分の経費のみ
にかかるので、800ドル x 167.25円
=133,800円分が上積みとなります。
これを外貨単価100ドルで割ると、
1ドル当たりの上積み単価が計算
できます。
=133,800円 ÷ 100ドル = 13.38円
この上積み分を、①の159.75円に
加算すると、173.13円となります。
この173.13円で計算すれば、
外貨建てで生じるレートリスク分も
補てんしたことなります。
ここまでは、前回と同じです。
③これに、二回目の送金をした場合の
レートリスク計算をします。
今回は、1回目に50%、
2回目に50%それぞれ分けて
送金したものとして計算します。
尚、1回目は、発注日から100日後、
2回目は、発注日から150日後の支払い
と仮定します。
1回目の支払いレートを基準にいくら
加算すれば良いのかを計算します。
これは、送金2回分の平均レートを算出し、
その金額と最初の基準金額(100日後計算)
と比較した差の金額を算出することで
求めます。
手計算では、非常に面倒なので、
これも高精度計算サイト
で自動計算して下さい。
または、別途、エクセル等で検算しやすい
表を作成して計算して下さい。
尚、送金額が50%と50%の2回になるとは
限りません。30%や70%になる場合もあり
ます。
計算の結果、1.875円を加算することになりました。
そして、送金額10000ドルを159.75円+13.38円+1.875円
=175.005円で計算すれば良いことがわかりました。
但し、800ドルの外貨経費額も含んだ場合のレートと
なっています。
結局、
1回目:5000ユーロ:100日後(仕入先へ払う)
2回目:5000ユーロ:150日後(仕入先へ払う)
3回目:800ユーロ:200日後(船会社に払う)
ということになります。
尚、この方法で計算した場合は、
外貨建ての経費を外してから、
その他経費を計算して下さい。
次章に続く。