雨水ー雨水ー過去も生まれ変われるものなら春というものも悪くはないけれど過去は消えない雨水の一雨ごとに温まると 人のいうけれど逆さまに冷え行く心はどこかに穴のあるせいか隙間風の吹き荒ぶ窓枠のカタカタ鳴る音に気づく夜明け方へばりつく夢の名残を振り払い鬱蒼とした日常の森で目を開ける道標はまたなにも書かれぬまま至るところに打ち付けられ思いつくまま 歩みだすいつまでたってもよちよち歩きああ 素早き春の憂鬱は梅も見ぬまに頭もたげる…