逆再生旅 毛越寺とウサギの記憶 | 口遊〜鳴きウサギ〜

口遊〜鳴きウサギ〜

生きる為に 息をするのを忘れていた
わたしのまわりが 息をするには狭すぎる
野々草を摘んで 口遊みなが ゆっくり ゆっくり歩きたい
勝利者とは誰のこと?
居心地の悪いところに居たくはないの

ー逆再生旅 毛越寺とウサギの記憶ー

中尊寺の参拝を終え…
台風の進路を確認しつつ 毛越寺へと
車を走らせる。

仙台市内を発ってから まだお昼にもなってない。なんと忙しない旅だ。

コンビニで買ったパンをかじりながら走る。

なんでウサギがこんなに急ぐかって言うと

この世に 浄土があり給ふ…

そう…浄土ヶ浜へ行きたいが為…
いつか ウサギが 臨死体験をしたときに 見た景色に似てるかどうか…


到着した毛越寺の庭は 萩まつり…
こっちはやはり 少し早い秋なんだね…


観光客でいっぱいの中…
なんとか 一瞬の静寂の本堂…

本堂の手前に 写真に撮り損ねたけれども
芭蕉の…

夏草や

強者どもが

夢のあと

真筆と謂われる石碑がありました。

写真マジで下手くそでごめんなさい。

さて…参拝を済ませて…ワクワクする足取りで…


見えて来ました…
浄土ヶ浜の 舟…

〜だれ乗るのやら 良き行いをする人ぞ 黄金の舟は…〜

手前に木の古い舟があったんだけど 友人と二人でさしずめ ウサギたちは あれだね…と笑い転げたのでした…

友人なんか 乗れたらめっけもんだわ!とのたまってました。まことにウサギも同感…。(^^;)

ところで 三途の川
なぜ三途と謂われるか 皆さまご存知でしょうか?

世界平和や世のため人のためになるような偉大な功績を残した方は あのような見事な黄金の舟や 仏の加護のついた黄金の橋を渡って彼岸へ渡ることができ…

一般の普通に生活をし だれにも迷惑をかけることなく真っ当な生活を送った方は
木の舟 高背舟のような舟に船頭さんがついて 六文銭を渡して 彼岸へ渡してもらう。

悪事を重ねた方は 此岸に立っていると どこからか鬼が出て来て 川へ 突き落とし川を流れ流れて地獄へゆく。
地獄は最下層にあり そこへゆくまで 罪の重さにより 水輪や風輪や 金輪や 様々な世界があるわけで…
それを定めるのは すべて閻魔様…

それで三途と言うのだそうだ…子どもの頃 おばあ にいわれて育った。だから悪いことはするなと。
ご住職の方々でちがうぞ、と思われる方はウサギの記憶違いもありますので どうかご一報下さい。


この曇天の感じといい…
山の感じといい…確かに 臨死体験した時に見た風景に似てるんだよね…

四季折々の花が咲くから 時期によって違うんだけど…

今は萩や 菊の花なんかが綺麗に咲いてる
紅葉も 山深い中尊寺よりか こちらの方が紅葉が早い…なぜかしら?


こんな場所で おまえの順番ではないよ、と謂われ 手を引かれて 此岸に戻ってきたの。お地蔵さまが手を引いてくれたの。

子どもの頃…

その話を 病の床で目覚めて今は亡き おばあに話したら、有難い有難いって 地蔵菩薩様に手を合わせていたっけ…おばあも浄土浜へ行ったかなあ?

実は ウサギは5回三途の川辺に立った。
ほんとに病弱な人間だった。

一度目は おばあの呼ぶ声に振り返ると目が覚めた。
二度目は地蔵様が連れ帰ってくれた
三度目は 船頭さんが 舟に乗せてくれなかった
四度目は 舟の順番がどうしても回ってこない
五度目は この浜より一段高い山の上にいて 川べりに降りるにはどうしたものかと思案していたら、バス停があった 行く先もなんにも書いてない 時刻もない 仕方ないから待ってると バスが来たから乗り込んだ 川べりに行けると思ったから…
もちろん 行先なんか表示されてない
数人乗ってたと記憶してる 乗って山を巻く道を曲がって行くと帰ってきた 現世へ。

その季節もまちまちな体験は ひとつだけクリアなことは 花々が皆違うこと。折々の花が咲いていたこと…静かだったこと。
俗に言う眩しい光なんて無くて ただ粛々と様々なことが静かに恙無く行われること…。

浄土浜
動有りながら
静この上なし

毛越寺 続く…