みなさま、こんにちは。
秋の気配が感じられる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
この時期になると、生ものが痛みにくくなり、ホッとする季節でもあります。
今は防腐剤や防腐加工が様々開発され、食品も飲料も長持ちするようになりましたが、それでもなるべく新鮮なうちに消費したいと思うのは本能なのでしょうか。(私だけ???)
さて、今回は化粧品の成分を話す時に避けて通れない防腐剤「パラベン」と「フェノキシエタノール」についてです。
ここでは善し悪しを問う気はありません。
これらを通して見えてくる化粧品の成分表の表示に付いて、をお話ししたいと思います。
そういうものが入っている製品は身の回りに無いから大丈夫! という方もちょっと読んでおいて頂きたいと思います。
最近はパラベンに対するイメージダウンが著しく、石油系製品であってもパラベンフリーの表示が目につくようになりました。
そういった製品の防腐剤として入っている事が多いのがフェノキシエタノールです。
このフェノキシエタノール、経口ではパラベンより毒性が強い事が分かっています。
(急性毒性ではメチルパラベンが体重1キログラムあたり2.5グラム、フェノキシエタノールは1グラム。ちなみに、パラベンは食品添加物としても認可されていますが、フェノキシエタノールは認可されていません。)
ですが、化粧品の場合にはお肌への刺激が問題となりますので、配合規制率はパラベンと同じ1%です。
(化粧品の配合規制量に関しては下記、厚生省の書類を参考にしてください。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/keshouhin/dl/keshouhin-a.pdf)
防腐効果はパラベンより低いので、単体で使用する場合はパラベンより配合量は多くなり、平均配合率は0.3%ほどだそうです。パラベンは平均0.1%ほどですので、フェノキシエタノールの場合3倍程度必要になる計算です。(実際には他の防腐効果がある成分と組み合わせる事で配合率を減らす技術も多く開発されていますので一概には言えない部分があります。)
当然ながら、防腐剤は殺菌効果が問われます。
化粧品の中の菌を抑制し、腐敗を防いでくれるのは有り難いのですが、お肌の常在菌も殺してしまいます。
我々の肌は多くの常在菌によってバランスが保たれていますので、これが壊されてしまう事、そして、成分がお肌への刺激となる事が問題です。
さて、この毒性をパラベンと比較されるほどのフェノキシエタノール、実は入っていても旧表示指定成分でない為に「無添加」(旧表示指定成分無配合)と謳えてしまいます。(これも消費者が賢くならないとメーカーの思う壷)
無添加を大々的に謳っている製品の中には、無添加表示したい為にパラベンを使用せず、フェノキシエタノールを使用している製品もあると思いますが、だからといってお肌に良いか、生体に刺激が少ないかとは別問題なのです。
みなさんは単純に「無添加」表示で騙されないように、ちゃんと成分表を見ましょうね♪
さて、こうなるとどちらが良いとか悪いとかの判断をする事が意味をなさないと、よくお分かりになると思います。
また、表示で気をつけなければいけないのが、Flanaでも重要視している”キャリーオーバー”。
これは原材料を精製する段階で使用される防腐剤などですが、これに関しては全成分表記になった今もラベルに記載する必要がありません。
植物エキスを配合している場合、そのエキスを精製する段階で防腐剤が入れられます、場合によっては抽出・精製に化学溶剤が使用されたりもします。
これがパラベンやフェノキシエタノールである可能性は大いにあります。
しかし表示する義務は無いのです。
「でもそんなの極少量でしょ。」
という声が聞こえてきそうですが、これが見過ごせないのです。
記載されていなくとも、植物エキスにパラベンやフェノキシエタノールが入り、まるで防腐剤の効果を担っている可能性があるのです。
分かりやすい例を挙げてみましょう。
ある植物エキスに防腐剤としてパラベンを0.5%(厚生省の規制量の半量)使用しているとします。このエキスを全体の1%処方した場合、パラベンは0.5%×1%で全量の0.005%です。
同様な植物エキスを10種類処方すると、その10倍、0.05%がパラベンです。
20種類処方すると、0.1%。
これって、全量に対して十分防腐効果が期待出来る量です。
でも、キャリーオーバーなので表示義務はありません。
防腐剤をあえて加えなくても、これで十分な量にも関わらず。。
しかも、成分表を見ると、防腐剤の表示無く、植物エキスが沢山配合されていて、とても自然派で安全、かつ効きそうに見えます。
もちろん、上記は極端な例ですが、これが成り立ってしまうのが今の現実です。
防腐剤をなるべく減らそうと努力なさっているメーカーさんも多いですから、ここまでキャリーオーバーとして防腐剤が入っている事を疑いたく無いのですが、こういった製品が無いと否定出来ないのも事実なのです。
キャリーオーバーは成分表示の盲点です。
開示しているメーカーや製品はまだまだ少数ですが、特にアレルギーをお持ちの方は注意してください。
Flanaで、なぜ国際オーガニック認証ECOCERTの認定成分を使用しているかというと、まず一つにはこのキャリーオーバーの成分と配合率をきちんと開示できるよう、トレサビリティや精製工程の管理がしっかりなされている事が上げられます。
Flanaはキャリーオーバーも開示しています。
例えば、アロマモイスチャーエマルジョン(化粧水)「like a flower」の場合、下記の製品紹介ページに
http://www.flana.jp/products/item_Info.php?itemID=1
天然由来成分99.9955%、オーガニック由来成分73.941%、とあります。
この、99.9955%という数字に着目してください。
この100%に満たない、0.0045%は、配合されているエーデルワイスエキスのキャリーオーバーである安息香酸ナトリウムとソルビン酸カリウムの量を指します。
(ソルビン酸は、ナナカマドの青い実が腐らないのはどうしてか、ということを研究していく過程で発見された成分です。)
(キャリーオーバー含む全成分に関して、下記のページに製品ごとに記載しています。
http://www.flana.jp/material01.php )
今、この0.0045%のエーデルワイスエキスのキャリーオーバーですら無くす事が出来ないか(抽出保存方法を変えた製品を使用可能か)、ラボと調整中です。
takanawaでは、キャリーオーバーについての知識は多くの方に共有されるべきと考えています。
どうぞ、周囲の方とお化粧品に付いて話してみてください。
そして、今件ご存じない方がいらっしゃったら、知識を共有していきましょう。
ご自分の肌は、ご自分しか分かりません。
化粧品だけでなく、洗剤やシャンプー等も成分表だけを信じるのでなく、メーカーの姿勢を見て、より健やかなものを選択していきましょう。
それでは、今月もお健やかに。
藤池