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高輪自然美容研究室

心と身体と魂の健やかさ、慈愛を元に様々活動をしています。

みなさま、こんにちは、takanawa 藤池です。
さて、このコラムではここ2回ほど医薬部外品について連載してきましたが、今回は先日行ったイスラエルでの体験を踏まえてジメチコン/シリコーンについて書こうと思います。

ジメチコン Dimethicone は ジメチルポリシロキサン Dimethylpolysiloxane と言いシリコーン Silicone の一種で人工高分子(ポリマー)化合物、鉱物油です。
(シリコーンはジメチコン以外にも数多くの組成で様々な種類が存在し、化粧品以外にも半導体関係や薬、食用油等にも使用されている非常に身近な成分です。"シクロメチコン" "シリル" "シロキ" "シラン" などが成分名に入っていたらシリコンの一種と考えて良いと思います。)

みなさんのなかで、最近『ノンシリコンシャンプー』という言葉を見たり聞いた方も多いのではないかと思います。
その”シリコン”ですね。


さて、先日行ったイスラエルは科学技術大国、当然皮膚科学も最先端の研究があります。それが生かされているのが死海の高級スパなどで使用されているコスメです。
私個人はオーガニックボタニカルの製品しか使用しませんが、最先端の技術や成分などの情報収集の為にこういった製品が販売されているお店に行きます。

それでは、死海スパで使用されている高級コスメのセレクトショップに行った時の会話からジメチコンについての部分を抜粋します。

店員A「いらっしゃいませ。 ~中略~ 日本人の方ですか?」

私「はい、そうです。」

店員A「日本や韓国の方は皮膚がとても繊細です。こちらの商品をお勧めします」

[大方の予想通り、一番高いラインナップの製品を持ってくる]

私「特徴を教えてください。それと成分表を見せてください。」

店員A「成分表はこちらです」(ちょっと怪訝そうな顔)「特徴は死海のミネラルをうんたらかんたら・・・・・略」

[クリームや美容液、マスク等ほぼ全製品にジメチコンなどのシリコーン成分が入っているのを確認。成分表で前半三分の一内にある(配合量が多い)ということは、使用感を良くするコーティング材として処方されている可能性が高い。]

私「シャンプーなどはありますか?」

店員A「もちろんです! はい、どうぞ。」

私「(シャンプーの成分表を見ながら)ジメチコンが入っていないものは無いのですか?」

店員A「それは何ですか?どの商品に入っているのか分かりません。これはどうですか?(といって他の製品を持ってくる)」

私「これも入っています。他には?」

店員B&C「その成分の何がいけないのですか?これらの製品はとても評判が良いですし、とても売れています。」

私「それはそうでしょう。ジメチコンはシリコーンの一種で合成高分子成分、コーティング材としてはとても優秀で吸着性が高く、使用感はとても良いと思います。しかし、使い始めはとても良いですが、使用しているうちに界面活性剤の残留成分を含め強力に帯電コーティングを重ね、シャンプーでは落ちにくく、徐々に髪に負担がかかってきます。確かに毒性は低いですが、害がないとは言えません。コーティングが強すぎ髪に栄養が入らなくなったり、髪が呼吸出来なくなったりする可能性があります。また、ブラッシング等した時にキューティクルまで剥がしてしまいます。徐々に髪の毛が弱まるのです。また毛穴に詰まると当然、抜け毛やかゆみの原因になり、頭皮の健康を損ねます。もしナノ化されていたら、さらに毛穴に入りやすく、落としにくくなります。アレルギーになる人もいますよ。」

店員C「皮膚なら分かりますが、髪の毛には関係無いのではないですか?」

私「シャンプーは地肌を洗うものです。また流す時に身体にも付きますね。髪の毛も呼吸しています。湿度の変化で質感が変化するでしょう? もちろん皮膚であっても髪の毛であっても、量の問題だとは思いますが。たまに使用するトリートメントとして頭皮に付けないのであればとても便が良いと思いますが、毎日皮膚に使用するとなると疑問です。特にこちらの製品はどの製品も配合量が多そうですので。。」


店員A(購入する可能性がなさそうだと思って話を変える)「では、アンチエイジングにこのフェイシャル美容マスクはどうですか? 死海のミネラルを通常の十数倍配合し、マグネシウムによって協力な吸着デトックスをします。その上で酵素等の成分が・・・ ~中略~ 2週間集中トリートメントをすればその後2~3ヶ月はケアが必要ないほどの効果です!」

私「(なるほど、その使用方法であればジメチコンのリスクは少なくなる。)ちょっと試させてください。」
(もしかして、シリコンもマグネシウムイオンで吸着させることができるのかしらん???)

店員A「もちろんです♪」

[腕の内側を使ってトリートメントしてもらう]

私「なるほど、確かに豊富なミネラルが入り、リッチでゴージャスな使用感です。使用されているオイルは何ですか?」

店員A「最高級のホホバオイルとオリーブオイル、アルガンオイルを使用しています。効果は・・・・・略  マグネシウムを拭き取ると透明感のある肌になり、この潤いは暫く続きます。」

私「成分表を見ると同じくシリコーンオイルも使用されていますね。ですのでべたつかずさらっとしますし、潤いは持続するでしょう。効果・効能は納得しますし、使用感もとても良いですが、先ほど延べたようにシリコーンオイルを長期間使用した場合の細胞のストレスが懸念されますので、私はシリコーンの入った化粧品は使用しないのです。」

店員C「これだけ効果が高い製品は他にはありません。」(全くリスクやデメリットを解さず。。。)


と、こんな会話をしてきたのですが、いやはやびっくりするほど高級基礎化粧品にジメチコンが高配合されていました。

たしかにシリコーンオイルは植物油に比べて、熱や水や光による劣化が少なく腐敗しにくく安定しています。さらに毒性も少ない。こういった高分子成分(ポリマー成分)が配合されていれば、オイルなのにべたつかず、艶が出て、肌がラップされたかの様な封入感があり、表面の肌理(凸凹)も整いますので、ファンデーションのノリも良いでしょうし、化粧崩れも抑えられます。
髪の毛もサラサラになり扱いやすくなりますので、洗髪製品だけでなく、ヘアスプレー等整髪製品にも使用されているのが良く理解出来ます。(ラップされますので毛染めやパーマはしにくくなる場合があります。)
また、最近はメイクアップ製品等には欠かせない成分となってきてもいます。

ここぞ、というメイク時や舞台化粧等では本当に頼もしい成分です。

しかし、なぜそんなに吸着性が高いのでしょうか?
どういった機序で肌や髪の毛がコーティングされているのでしょうか?
通常の洗顔やシャンプーでしっかり落ちるのでしょうか?

今回ジメチコンをきっかけに感じたのは、それだけ即効性を求める方が多く、また長期間使用した時の事に無関心な方が多いという事です。
特に高級化粧品に求められるのは即効性だという面もあるかとは思いますが、良い面と合わせてリスクもしっかり知った上で、上手く活用したいですね。

今回は、シリコーンの様に、毒性は低いけれど使用次第で生体のストレスになる成分もある、というお話でした。


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写真はナチュラルショップにあったLINSEED OIL(アマニ油)の美容液。
Mythological Aromatherapy (神話芳香療法)とあって、とってもとっても伝統的なレシピで作られていそうなブランドなのですが、成分表を見ると、1,2,4番目がなんとシリコーン、ひょえ~!
オーガニックとは言っても、こういった製品もあります。。。


ではみなさま、今月もお健やかにお過ごしください。

takanawa 藤池