時事ジャーナル 20183月28日号

 

母親が生きているのに

他の女性と父親を霊魂結婚式

統一教二世たちの逸脱はどこまで····一面では母子間の葛藤に原因を探ることも

イ·ソク記者

世界平和統一家庭連合(統一教)信徒たちにとって2月21日は特別な日である。創始者である故文鮮明統一教総裁の誕生日だからである。特に今年は文総裁誕生100周年を2年後に控えているだけに2週間にわたり30余りの行事が集中的に進められた。2月21日には京畿道加平郡の清心平和ワールドセンターにおいて大規模な記念行事が行われ、更に世界国会議員連合国際カンファランスや国際指導者会議などの「マンモス級」国際行事もまた記念日前後に行われた。

 同じ頃、米国ペンシルバニア州ニューファウンドランドでは5百名の合同結婚式が開かれた。文鮮明総裁の4男國進氏と7男亨進氏がこの結婚式を主導した。國進氏と亨進氏は最近、統一教から独立して独自路線を歩んでいる。國進氏は米国で銃器会社を運営しており、亨進氏は独立教会である「サンクチュアリ教会」をニューファウンドランドに設立し運営中である。問題は結婚式の参加者たちに小銃を携帯させた点である。彼らは結婚式に参加した5百組に銃弾で作った王冠を被せ、AR-15小銃を持ったままで結婚誓約をさせた。司会者は勿論のこと、付添人たちも全て銃器を持っていた。

 

統一教の二世たちの銃器結婚式の波紋

 米国社会が大騒ぎになっている。問題の銃器はAR-15というモデル名を持つ半自動小銃である。僅か2週間前にフロリダの高等学校で銃器乱射事件が発生した時に使用された武器と同一のものだった。そうでなくても銃器規制を求める声が米国内で高まっている状況において、銃器を持っての合同結婚式が開かれるや、反対デモが相次いだ。近隣の小学校では結婚式当日に休校令を出すほどだった。

 タク·チイル釜山長神大学教授は「統一教の合同結婚式は単なる結婚式ではない。祝福結婚式を通して家族となることによって全ての人類を救援しようという創始者の信念が込められており、神聖であるべきこの結婚式に銃器を携帯させたために、米国は勿論、韓国内でも非難の的になっているのは当然である」と述べている。

 それにも関わらず統一教のニ世たちは行事を強行した。合同結婚式に使用された銃器が聖書に出てくる鉄の杖だというのがサンクチュアリ教会側の論理だった。この教会の関係者は「ヨハネの黙示録に鉄の杖が出てくるが、この鉄の杖を銃と見ており、文総裁も過去に統一重工業を運営しながら銃器を製造し、2006年には平和維持軍と平和警察が必要だと言及したことがある」と説明している。亨進氏はさらに輪をかけて、「フロリダの高校の教師が銃器で武装していたなら、17名の犠牲者を出した惨事は発生していなかったはずだ」と語った。

 それゆえ7男の文亨進氏の説教映像やフェイスブックを見ると、銃器関連の動画や写真が頻繁に登場する。故文鮮明総裁の若い頃の写真を背景にして4男と7男の夫婦や家族、信徒たちが銃を持って撮った写真を容易に見つけることができた。甚だしくは彼らは故文鮮明総裁の写真に銃器を合成した写真を掲載したりもしている。教会信徒たちと見られる女性たちが団体で銃器を持って撮った演出写真も目立った。亨進氏は説教映像で「銃器を所有できない国は下僕の国であり、こういった写真をもっと格好良く、もっと専門的に撮影できるスタジオ写真館を早晩設ける予定」と語っている。

 この問題をめぐる非難が拡散するや、統一教はサンクチュアリ教会と一線を画すようになった。統一教は3月3日に公式声明を出して、「サンクチュアリ教会が開催した合同結婚式は文総裁夫妻が今まで主管した祝福結婚式とは異なる。合同結婚式に参加した人々が銃器を所持したということ自体、本連合(統一教)の祝福結婚の伝統と相反しており、統一教の核心教理書籍である『原理講論』にはこの鉄の杖が神様のみ言葉として説明されている。サンクチュアリ教会がこの鉄の杖を拡大解釈して銃と表現したものと見られる」と語った。

 

統一教側「合同結婚式は祝福結婚とは相反するもの」

 注目すべき事実は、亨進氏と國進氏が一時は統一教の権力構図の頂点に立っていた人物だという点である。文鮮明総裁は2009年と2010年に兄たちを押し退けて7男である文亨進氏を相続者かつ代身者に選んだ。亨進氏は統一教の世界会長と韓国総会長を任され、事実上、宗教部門を総括した。統一教の本部教会である龍山「天福宮」の日曜日の礼拝もまた亨進氏が主管した。統一教の事情に精通したある関係者は「天福宮は有力な統一教の人士たちが週末毎に礼拝を捧げる場所であり、宗教的聖地にも匹敵し、亨進氏は2012年9月に米国総会長に任命される時まで天福宮の会長として日曜日の礼拝を担当したとして知られている」と語った。

 4男國進氏の場合、2005年から世界基督教統一神霊協会維持財団(統一財団)の理事長兼統一グループ会長を任された。統一財団は統一教の財政的な部分を総括する組織である。財団傘下に統一グループがあるが、龍坪(ヨンピョン)リゾート、一信石材、一和、鮮苑建設、世界日報など13の系列会社を率いている。事実上、統一教の経済権を國進氏に手渡したのである。國進氏は過去に時事ジャーナルとのインタビューにおいて「統一教を支援するのが統一財団の使命であり、宗教と経営を区分することはさほど難しいことではなく、統一グループはただ収益を追求し、財団は統一グループの株式を持っているので配当を受ければよい」と語った。

 ところがこの2人は2012年9月に文総裁が他界した直後に揃って公職から退いた。先ず亨進氏が米国総会長を新たに任されて米国に去った。文総裁の子女の不倫と婚外出産のニュースが米国のある専門サイトに暴露され、波紋を起こしつつある時だった。この問題を収拾する為に亨進氏を米国に急派したというのが、その当時の統一教周辺の見方だった。

 ところが実際は、亨進氏が母の韓鶴子総裁によって追い出されたという主張が新たに提起された。サンクチュアリ教会の李サンヨル韓国会長は3月22日に記者との電話インタビューで「文総裁の聖和前後に韓総裁が統一教の信仰の根本を揺るがせるようなことをしたので亨進様が母親に忠告したところ、米国に追い出された」と主張した。文総裁他界直後、韓総裁は統一教の経典の変更に着手した。この過程で韓総裁中心の新たな統一教を創ろうとしたが、亨進氏がこれを阻止しようとして追い出されたというのである。

 國進氏もまた同様である。翌年3月に國進氏が統一財団理事長職から解任されたのに続き、統一グループ会長職からも退いた。汝矣島パークワン事業に関する訴訟の敗訴によって少なく見ても数百億ウォン、多ければ数千億ウォンの被害を被った点と3男との葛藤などが解任の理由に挙げられた。しかし内面には母親との葛藤があったものと推定される。

 実際に國進氏は財団理事長から退けという韓総裁の指示を受けるとすぐに理事会を招集し、理事会からの解任の件が承認されると何の未練もなく米国に渡った。鮮文大教授出身の金鍾奭(キム·ジョンソク)韓国メシヤ運動史研究所長は「解雇通知を受けた國進氏はすぐに財団の主要関係者たちを招集して会議を行ったが、この席で母に対する多くの不満を吐露したという話を内部関係者から聞いた」と語った。

 亨進氏夫妻が昨年9月に生母である韓鶴子総裁を排除し、父親である故文鮮明総裁と姜某氏の霊魂結婚式を行ったのもこのためである。姜氏は統一教の1号伝道師として知られている。慶尚北道栄州の出身で、1952年に統一教に入教して伝道師と巡回師として65年間活動した。ところが2016年12月に統一教に脱会書を提出し、米国のサンクチュアリ教会に移った。そして、その9ヵ月後に文國進·亨進兄弟の新たな母として登場したのである。亨進氏は「これから姜◯◯様が天宙的次元で勝利された真のお母様となられた」との宣布まで行った。最近、問題になった合同結婚式の時も姜氏は最上席に座った。亨進氏夫妻がメッキされた小銃を姜氏に捧げる姿がユーチューブを通して全世界に生中継された。兄弟間の法廷闘争に苦しみ呻いてきた統一教の葛藤が文総裁の他界後には母子間の葛藤にさらに拡大された格好である。

 特に韓総裁は過去に文総裁を説得して亨進氏が教権を握るよう助けたという点から責任を免れることはできないものと思われる。これまで韓総裁に対する統一教内外の評価はかなり好意的だった。文総裁の他界後ごたついてきた雰囲気を「母のリーダーシップ」で迅速に安着させたとの評価を受けた。大陸別国会議員組織である世界平和国会議員連合と世界的宗教人たちの集まりである世界平和宗教人連合の創設を主導するなど、外部活動にも積極的だった。

 

相次ぐ内紛に韓総裁のリーダーシップも「動揺」

 記者が最近、アフリカのセネガルで開かれた「2018アフリカサミット」の現場で韓総裁に会った時も同様だった。この日、サミットの現場にはセネガルのマッキー·サル大統領を始めアフリカの前·現職大統領と宗教指導者、部族長など、1200名が参席した。この席で韓総裁は「アフリカの苦痛の過去を清算し、天の摂理の中心に立って新たな歴史を出発するアフリカ大陸とならなければならない」と語り、多くの拍手を受けた。しかし、相次ぐ内部紛争によってこのようなリーダーシップもやはり傷つけられてしまったと統一教内外では評価している。

 これと関連して統一教側は「この事件の本質は『母子間の葛藤ではなく、二世たちの一方的な逸脱』である。亨進様の主張もまた一方的なものであり事実ではない」と解明している。統一教関係者は「八大経典の一つである『原理講論』には責任分担論が言及されている。文鮮明·韓鶴子総裁の子女たちもやはりこの責任分担から免れることはできず、二世たちが自分の役割を果たせなかったために解任されたのであって、内部的な暗闘の過程で追い出されたのではない」と語った。

 

(p.13写真右上のキャプチャー)

統一教の二世たちは最近米国で銃器を携帯したまま合同結婚式を進行して非難の的となっている。

 

(p.14写真下のキャンプチャー)

米国でサンクチュアリ教会を運営する亨進氏は最近、文鮮明総裁と姜某氏(中央)の霊魂結婚式を挙げ統一教内部に衝撃を投げかけた。

 

(p.14下段部分)

「文総裁の相続者を放り出すとは言語道断」

サンクチュアリ教会の李サンヨル韓国会長にインタビュー

 最近継続している統一教内外の内紛について、7男側は「亨進様が韓総裁と教権勢力によって不当に追い出されたのが紛争の原因」と批判した。サンクチュアリ教会の李サンヨル韓国会長は3月22日に「文総裁の聖和を前後して韓総裁が統一教の信仰の根本を動揺させようとしたが、7男が母親に多くの忠告をしたので米国に追放された」と主張した。

 彼によると、文総裁は2009年と2010年に亨進氏を後継者として宣布した。2010年には「相続者は文亨進であり、それ以外は異端者である爆破者」と語った総裁の映像と共に「相続者は文亨進」との直筆文書が公開された。この映像と文書を根拠に亨進氏側は依然として7男が後継者の地位にあるのに韓総裁が超法的権限によって追い出したと主張した。

 その根拠として亨進氏は2012年まで世界会長と韓国総会長を兼任していた。韓総裁は2012年9月に亨進氏を米国総会長に任命した。統一教側は当時、「世界会長を兼任するものなので、左遷的性質の人事ではない」と釈明したが、韓国総会長を既に選任した状況で亨進氏を米国に送るという異常な人事を行ったのである。

 最近、韓国内外で問題になっている合同結婚式と関連しても彼は「当時は現場にいたが、マスコミに報道されたように状況が深刻ではなかった」と釈明している。李会長は「韓国と異なり米国は免許さえあれば銃器を自由に所持することができる。合同結婚式が開かれたペンシルバニア州はさらにそうだ。行事を目前にして米国の主要マスコミの取材要請が多かった。あるマスコミで『長銃を祝福する』という題目で報道されたことから問題にされていった」と主張した。

 あるところでは亨進氏が韓総裁を公開的に非難し、甚だしくは母親に対して他の女性を逝去した父親(文鮮明総裁)と霊魂結婚式させるなどの背倫的行動を続けていることに対して憂慮を表明している。これに関連しても李会長は「<宗教は内部問題を隠してはならない。そうしてこそ誤った道に進まなくなる>というのが7男の考えだ。それゆえ今は悪口を言われても韓総裁を公開的に非難するのだ」と語った。

 

(p.16左下段部分)

統一教側「7男が追い出されたという主張は事実とは異なる」

問題となっているサンクチュアリ教会とも一線を画す

 7男の亨進氏の波状攻勢に統一教側は現在、困惑を隠せずにいる。家族間の問題だけに対応を自制する雰囲気が歴然と存在してきたが、それでも「亨進様が追い出されたという主張は全く事実ではない」と強調した。

 統一教の関係者は「人間は誰でも神様が預言された神様の国を創る為に本人の責任分担を完遂しなければならない」という内容の責任分担論が八大経典中の一つである『原理講論』に言及されている。二世たちが自分の役割を果たせなかったので解任されたのであって、内部的な暗闘の過程で追い出されたのではない」と語った。

 2月28日に米国で進行された合同結婚式もまた統一教とは無関係という立場である。先述の関係者は「統一教の核心教理書籍である『原理講論』ではこの鉄の杖が神様のみ言葉として説明されている。サンクチュアリ教会がこの鉄の杖を拡大解釈して銃として表現したのであり、サンクチュアリ教会は文総裁の他界後離脱して独自路線を歩んできた集団であり、家庭連合とは無関係な団体」と強調した。

 この関係者は続けて「家庭連合は現在、人類救援と平和世界の具現の為に人種と国境と言語と宗教と民族と国家を超越し、多様な平和運動を繰り広げているが、サンクチュアリ教会の信者たちもいつしか文鮮明·韓鶴子総裁の側に戻ってくる兄弟たちであると信じている」と強調した。

 統一教の韓国支部である神韓国家庭連合の李基誠会長も最近談話文を通して「マスコミがサンクチュアリを家庭連合の分派かのように報道したことに対し明らかに一線を画したい。今は反原理的な道を歩んでいる彼ら、我々のかつての兄弟たちが真の父母様の深いみ旨を悟り戻ってくることができるように、より一層の精誠を捧げよう」と信徒たちに指示した。

 

(p.18~19)

統一教二世たちの不運な歴史

いつまで繰り返されるのか

後継者に認定されたり指名された息子全てがひっくり返され…後継構図をめぐり法廷闘争も熾烈

 

チョ·ユビン記者

 

 統一教の二世たちをめぐる論難はこれまでも少なくなかった。兄弟たちが2派に分かれて法的攻防をやり合うのは当たり前のことになった。最近独立した7男の亨進氏の場合、母親(韓鶴子総裁)を離婚させて、他の女性と逝去した父親(文鮮明総裁)の霊魂結婚式を進行するなど、背倫的行動を続けている。「真の家庭」を価値として掲げた統一教の宗教的意味もやはり色褪せてしまわざるを得ない状況である。一部の信徒たちの口から「末世だ」という言葉が出てくるほどだった。これまで統一教では何があったのだろうか。

 1990年代末までは文鮮明総裁を継ぐ後継者として長男の孝進氏が有力と言われていた。彼は主力系列会社であるH社に高位経営者の娘と結婚し、事実上、文総裁を継ぐ第2の実力者として位置づけられ、真の父母(文鮮明·韓鶴子総裁)の信望も大きかったと思われていた。

 そんな彼の足を引っ張ったのは私生活であった。夫人との離婚など、私生活問題が米国のマスコミに報道され大きな物議を醸した。孝進氏の前夫人の洪某氏は当時、100億ウォン台の慰謝料請求訴訟を起こした。それに加えて手記を通して自身の過去の結婚生活と家族たちの隠された秘話を暴露したことで、孝進氏の立場が大きく弱化させられた。それ以後、孝進氏は(ソウル市内の)龍山にある統一教公館から出ていくことになり、後継構図から完全に排除されたまま独自の歩みをしていった。

 

2006年から兄弟間の葛藤が本格化

 記者は2005年に偶然の機会を得て孝進氏に会うことができた。当時、孝進氏はソウル江南にあるM演芸企画会社「会長」の肩書を持って活動中であった。孝進氏は記者と会って「米国留学時代から音楽に対する関心が多かった。米国と韓国を往来しながら会社の経営に助言している。Aダンスグループを始め20代の若者層に人気の高い歌手を発掘し育成するのが私の仕事だ」と語った。ところがそれ以後、健康が急速に悪化し、悲運の皇太子は結局、2008年に心臓麻痺で生涯を閉じた。

 文総裁の7人の息子の中で次男と6男も早くに世を去った。次男の興進氏は1984年に交通事故で世を去り、6男の栄進氏も1999年に死亡した。それ以降は「事実上の長男」である3男の顯進氏が有力な後継者と言われてきた。顯進氏は2005年に統一教の核心機関の一つであるUCI(統一教世界財団)会長と天宙平和連合(UPF)共同議長の座に登り、統一教の「皇太子の座」を堅めつつあるように見られた。

 ところが顯進氏は釈然としない理由から後継者の座から退いた。統一教の事情に精通したある人物は「統一教の文化を強力に改革しようと叫ぶ顯進氏を否定的に見る一世たちが多かった。30代に人事権を握り、統一教全体を革新させようという試みによって内部的な反発が大きかった。故文鮮明総裁と顯進氏の間が疎遠になり始めたのもこの時からと思われる」と語った。

 2006年からは本格的に兄弟間の葛藤が顕わになった。顯進氏が推進してきた汝矣島パークワン開発事業に4男の國進氏が異議を提起したのである。勿論、統一教側は「文総裁の指示を受けて正当な法的措置を取ったもの」と説明している。しかし、パークワンをめぐる葛藤は長期化し、2014年まで継続した訴訟に火種を投ずる契機となった。後継構図から完全に遠ざかった顯進氏はNGOと統一教の米国事業だけの責任者として追い出され、他の兄弟たちがその空席を埋め始めた。4男の國進氏は統一教財団理事長兼統一グループ会長を任せられ、7男の亨進氏は統一教世界会長に任命された。

 文総裁は2009年に顯進氏の代わりに7男の亨進氏を公式の後継者に指名した。2010年には「相続者は文亨進であり、それ以外の者は異端者であり爆破者だ」と宣布した。弟が後継者に選ばれる過程を見守ってきた顯進氏もまた孝進氏と同じく独自路線を歩んでいる。統一教側は2009年7月に顯進氏にUCI理事長職から退くように指示したが、顯進氏はこれを拒否した。顯進氏が統一教の派遣理事たちを解任し、定款から統一教と関連した内容を削除するや、統一教は顯進氏を文総裁の指示を拒否する「異端」と見て集中攻撃を浴びせた。

 

次女の婚外出産のニュースでまたもや誹謗の的

 「真の家庭」を価値とする統一教内で家族同士のごたごたが発生したという点は非難の的とならざるを得なかった。この渦中においてもう一つの事件が発覚した。金鍾奭(キム·ジョンソク)韓国メシヤ運動史研究所長の著書『統一教の分裂』によると、2012年に文総裁の次女仁進氏の不倫と婚外出産のニュースが米国のある統一教専門サイトにより暴露された。仁進氏が信徒であるある外国人男性と不適切な関係を結び婚外男子を出産したということを証明する出生証明書が公開されたのである。金所長は「この事件は特に不倫と離婚をタブー視してきた統一教徒たちの情緒に否定的な影響を与え、事態の衝撃を鎮静化する為に米国総会長として赴いた亨進氏は仁進氏の不倫を『個人の選択』とみなしたため、米国統一教徒の不満と不信がさらに拡大したのは当然だった」と言及した。

 2012年9月に文総裁が逝去した後、韓鶴子総裁体制が始まり、亨進氏は米国に去った。2015年まで世界会長職に就いていた亨進氏は米国ペンシルバニアのある教会で統一教の教権勢力を批判しながら、自分が真正な後継者であることを主張した。亨進氏が現教権勢力を「異端」と事実上規定するや、統一教側はすぐさま行動に出た。結局、亨進氏も世界会長職を停止され免職処分された。結局、一時は文鮮明総裁の後継者に指名されたり、みなされた息子3名は全て不名誉な退陣に追い込まれたのである。統一教は2015年3月、5女の善進氏を世界会長に任命すると発表した。統一教周辺では本格的な母系後継体制の始動をかけたものと見ている。しかし、火種は相変わらずの状態である。独立した息子たちが依然として韓総裁を相手に波状攻勢を浴びせているためである。韓総裁が一連の反目を克服することができるか、耳目が集中される。

 

(p.20-21)

「統一教の分裂の原因は韓鶴子の神格化」

インタビュー:金鍾奭(キム·ジョンソク)韓国メシヤ運動史研究所長

       「銃器結婚式の責任は韓総裁にもある」

 

チョ·ユビン記者

 去る2月に故文鮮明統一教総裁の7男、亨進氏(前統一教世界会長及び韓国総会長)が率いる米国のある教会が信徒たちに小銃を持って合同結婚式を挙げさせ問題となった。亨進氏は過去に統一教の後継者に指名されたが、文総裁死亡3年後の2015年に完全に後継構図から退いた。それ以降米国ペンシルバニア州に世界平和統一安息所(サンクチュアリ教会)を建て独自的路線を進み反統一教の歩みを見せてきた。金鍾奭韓国メシヤ運動史研究所長は「銃器結婚式」を始めとした亨進氏の歩みの原因を『統一教の分裂』に見いだした。統一教の後継構図をめぐって起きた葛藤と分裂の事態を歴史的観点と参加観察によって研究し『統一教の分裂』という著書出版までした金所長は「韓鶴子総裁に対する神格化が結局、統一教の分裂を呼び起こしたのであり、銃器結婚式のような事態を招くような原因を与えたのはやはり韓総裁と現教権」と指摘した。

 

最近7男の亨進氏が建てたサンクチュアリ教会の「銃器結婚式」が問題を起こした。

 「銃器結婚式自体が衝撃的だ。事実、亨進氏の現在の姿は以前から予測されていたことであった。銃を持って行事を行う姿も一昨年から見せてきた。しかし特に祝福式と呼ばれる結婚式は統一教内で最も重要な行事であるだけに、まさか銃器を持って結婚式を行うということまでは予想できなかった」

 

統一教側は、サンクチュアリ教会が統一教の原理とビジョンから逸脱して独自路線を歩んできた集団であると強調する。

 「個人的にさらに驚くべきことは、銃器結婚式に対する統一教の態度であり、7男の亨進氏が起こしたことと何の関係もないと主張している。しかし、このような事態に至らざるを得ないように火を点けたのは韓鶴子総裁である。過去の統一教は亨進氏に想像もできなかった「後継者」という風を吹き込み、宗教に心酔した亨進氏が異常な統一教のスタイルを創る時まで何の制裁もしなかった。現在、後継構図から退いた亨進氏がこのようなことを起こすのは韓総裁に対する復讐という次元もあると見られる」

 

統一教は後継と関連して多くの問題があった。今回問題となった7男の亨進氏は統一教の後継者に指名されてきた人物だが。

 「長男と次男が早くに世を去った後に3男の顯進氏が後継に指名されてきたが、しかし顯進氏の改革の試みに対する内部の反発が起こり始めた。顯進氏は真の父母(文鮮明·韓鶴子総裁)を始めとした真の家庭も道徳的でなければならず、贅沢をしてはならないとして改革を強調した。また、真の父母は崇拝の対象ではなく、神様のみ旨を成し遂げようとしてきた使命者だという認識を持っていた。これは韓総裁と統一教幹部たちの欲望や計算とは相反するものだった。この時に韓総裁が呼び入れたのが4男の國進氏と7男の亨進氏であった。結果的に韓総裁が弟たちと顯進氏の葛藤の構図を作り、結局、亨進氏が後継の座に就くようになった。

 

文鮮明総裁が他界した後、後継者に指名された亨進氏ではなく、韓鶴子総裁体制によって統一教が運営されている。亨進氏側もまたこれについての問題を指摘している。

 「韓総裁と教権の計算に従い顯進氏が後継から退き、その過程で國進氏と亨進氏を呼び入れた。しかし実際に文総裁が逝去された後には韓総裁が絶対者になり、後継者に指名された亨進氏は退いた。文総裁が世を去るや否や韓総裁の態度が変わり、母子間の葛藤も始まった。韓総裁は2013年に公式的に國進氏を解任し、後継者に指名された亨進氏を米国に送った。名目は兄弟間の紛争の終息と次女仁進氏の婚外出産事件を収拾せよということだったが、事実上は国外に追い出されたのである。

 

文総裁が死亡した後に韓総裁の態度が変わったということか。

 「文総裁が死亡して以降、韓総裁のスピーチ内容が変わった。これからは私が中心というのである。韓総裁が自分のアイデンティティを顕したいという内心を持っていたということは、多くの部分から確認される。韓総裁は文総裁が入院した後に『天聖経(統一教の経典)』を改定する会議を行った。これを改定するということは文総裁のアイデンティティを揺るがそうという露骨な試みと見ることができる。「神様」の名称を「天の父」に変えるなど、宗教的に見た時に重要なアジェンダの変化がその当時成された。亨進氏は韓総裁が文総裁を安楽死させようとしたという主張も行った」

 

米国に渡って以後、世界会長を任せられていた亨進氏は統一教と対立し始めた。

 「米国に行った亨進氏は独自的な宗教的集まりを持ち、2015年からは露骨に母親と統一教教権を批判し始めた。韓総裁を「バビロンの淫女」「堕落したエバ」と言及しながら公開非難した。亨進氏は母親と幹部たちを批判する過程において世界会長職を剥奪された。

 

真の家庭を価値とする統一教内部で母子間の葛藤が激化したために多くの批判がされた。

 「亨進氏の行動も批判しなければならないが、真の家庭の価値を崩壊せしめ、亨進氏を「母親に悪口を浴びせ呪う人」に仕立てたのは韓総裁と教権であった。外部の人々は亨進氏の今回の銃器結婚式もまた「統一教の事件」として認識する。その原因となった統一教側が責任を否定していることも問題だ」

 

宗教学的観点から見ると、韓総裁が主張する教理が既存の統一教とは異なるという主張もある。

 「昨年の世界新宗教学会でセミナーをした際に関連内容を発表したことがある。宗教学的に見ると、(韓総裁の統一教は)違う宗教である。文総裁の認識は真なる家庭を成し遂げることによって神様の使命を受け継ごうというものであった。統一教の最も重要なアイデンティティは文総裁の血統を認識することだが、韓総裁はそれを否定した。韓総裁は「文総裁は堕落した血統であり原罪がある人だが、独生女である自分が結婚してあげて文総裁の血統が変わった」と主張している。統一教の最も根本的な部分を否定したために宗教的には異なると判断することができる」

 

統一教内で独生女の教理に対する批判はないのか。

 「現在は独生女という教理が統一教でも最も重要な教理となった。鮮文大(統一教財団が設立した鮮文大学校)内でもそのように語るしかない。独生女主張を根拠に論理を作り出したが、それに対する反発も多い。独生女主張に対し現場にいる教区長たちが反発する内容を録画した内部映像が公開されたが、今はあからさまに批判できない状況となっているだけだ。韓総裁は母系血統であり娘の善進氏を後継者に立てたが、これは見方によっては、独生女論を認める子女を傀儡として立てたものと見ている」

 

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