墓参りは静かな雰囲気が好きなので、元旦に高杉晋作の墓参りに行ってきました。

 

「おもしろきこともなき世におもしろく」

 

という辞世の句が何とも面白い。

新しい時代の扉をこじ開けた晋作ならではの言葉です。

この言葉を思うとき肩に力が入るような気がして、なんか好きです。

それにここには奇兵隊の人たちが祀られ、晋作の愛人だったおのうさんの墓もあるってんで、ぜひとも行きたいと思っていました。

 

まず下関市の小月駅に着いたら、バス乗り場の1番から「東行庵前」で下車します。

※サンデン交通地図と時刻表

http://www.sandenkotsu.co.jp/bus/route_bus/bus_stop/bg_odukieki

時間は10分ちょっとで、料金は¥310。

セブンイレブン前のバス停を降りてから5分程度歩きます。

 

墓の入り口です。

この左手はおのうさんが住んでいた東行庵と晋作の記念館があります。

(記念館は正月で休みでしたが、1Fの土産物屋は開いていました)

 

参道沿いにはいろいろな碑が建っており、とくに有名なのは伊藤博文が建碑した石碑ですね。

「動けば雷電の如く発すれば風雨の如し...」という、あの有名なやつです。

碑が汚れて読みにくかったのですが、かすかにその言葉を見つけることができます。

 

そうこうするうちに晋作さんの墓に到着ですよ。

真新しく華やかな花が活けてありました。

さすがですわ。

こちらも負けじと、善光寺で買った線香をあげました。

(晋作さんは、当時松代に蟄居していた佐久間象山に会いに行ってるので、その時に善光寺にも行ってるんじゃないかとか、こちらも色々考えているわけです。)

 

晋作さんの墓の右側には奇兵隊の人たちの墓がいっぱいあり、説明書きの立て札がある人もいたので、一つ一つ見て回りました。

 

なんと白石正一郎さんの墓もありました。

白石正一郎は下関の豪商で、維新関係の人たちを経済的に支え、西郷さんや坂本さん、中岡さんたちも白石さんの世話になっています。

奇兵隊創設時の資金も出すなど、この人がいなければ明治維新は起こらなかったといってもいいかもしれない人です。

結果的にそのことが原因で、最後は破産してしまうのですが、なんと剛毅な人だったことか。

そんな白石さんも皆と祀られていることにちょっと感動。

白石廉作さんは正一郎さんの弟で、この人は人の世話をするだけでなく、奇兵隊の一員となって戦っています。

 

ぐるっと回って最後についたのは、おのうさんの墓。

ちょうど左上に囲いのようなものが見えますが、ここが晋作さんの墓なので、そこから一段下がったところに控えるように祀られています。

あの晋作さんが、ずっと側に置き続けたおのうさんてどんな人なのだろうかととても興味が湧きます。

そんなおのうさんにも線香をあげて合掌。

 

帰り際にあった晋作さんの像にも立ち寄りました。

司馬遼太郎さんの「街道を行く」の言葉も石碑になっていました。

 

東行庵には大きな駐車場と茶店があるのですが、正月なので休みになっていました。

なんか手ぶらで帰るのも寂しいので、記念館に立ち寄って萩焼の湯呑(¥1,000)を買って帰りました。

ビワ色の萩焼らしい湯呑で、なかなか気に入ってます。

 

晋作さん関係の本といえば司馬遼太郎さんや山岡荘八さんが有名ですが、

個人的にこれが一番だと思ったのは池宮彰一郎さんです。

 

 

 

躍動的でワクワクする晋作に満ち溢れています。吉田松陰との人間臭い関りもなかなかです。

 

小説だけでなく史実面で晋作を知りたいなら海原徹さんのこれですね。

 

 

晋作の意外な面、特に知的で政治的にふるまった姿にちょっと驚きます。

 

「おもしろきこともなき世におもしろく」

悩んだり、行き詰ったときはこれを口ずさんでみてください。

きっと力が湧いてきます。

 

それでもだめなら、とにかく良く寝ることです。