黄桜ふりーじあ |  ◎涼のどぶろぐ◎←つながり日記←

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風景というか心象というか、
好きなページを開き、
ゆっくりたどって、味わうような
掌短編みたいな日記。


テーマ:


実家シリーズ→最初から①コチラ


<どろぐ人気記事です>






団地は春も過ぎた。



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中学校を見上げる坂の途中に、親父がいた。

今日は駅から電話をしたので、ついでの散歩がてら外にでていたのだろう。小桃の木がならぶ路で、僕は手を挙げた。

こころなしか親父が小柄に見えた。

手を振った、何か見ていた。
あれオヤジだよな?

「よお」
そっけないがニンマリしている。

「何」
「黄色い桜が、咲いてるんだよ」

きいろい桜?…日本酒、黄桜。

青い空に黄色い花を付けた木があった。




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「あさぎ桜とかギョイコウとかいうんだけど、」
花と宇宙にやたら詳しい父。

「桜より遅いんだね」
「前は、わさわざ見に行ったのに、ここで咲いてんだもんな」笑う。

黄色というより淡い暖緑にも見える。

あさぎ桜とは、浅葱桜。
浅い葱(ネギ)色なんて、桜とはほど遠いイメージだ。
浅黄桜の方が字面っぽい。


それにしてもギョイコウは

「はい、そのように」の御意か、
玉(ぎょく)の香(こう)に通じているのか。

ほんとは御衣黄。


高貴な黄色い衣(ころも)だろう。
しかしこの花に、清酒の黄桜のイメージはないな。

いとめずらしき桜を
父としばし目撫でる。



坂道の通学路を返すと住み慣れた棟に向かう。



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実家の匂いがする。

染みついたものだろう、僕にもまだするのだろうか。
もう薄れてしまったかもしれないが、この芳香に離れられない親しみを感じるのだ。

そこに花の匂いが混じる。

植木が好きだから、一年中花のある部屋だ。
なんだろう、この匂いは。

「株がふえちゃって、今たくさん咲いてるんだよ」


まぶしいくらいの黄色い花が伸びている。



困りながらも嬉しそうにしゃべる父の言葉には、いつも
生命のしたたかな強さと、奔放で華やかに咲いている、植物の純粋なる単純さに感嘆しているように思う。
とてもやわらかく、濃さのある匂いだ。

適当に、ちゃんと手を入れ、環境が整っていれば、生命は生き続ける。そして繁栄する。



写メすると、
「それ花が終わってるよ」
「へー」
開いている二、三の花を摘み取る。

「これこれ」

昔っから眼レフで花を撮るのが好きな父だ。

「見たよ、」
「ブログ?えっパソコンやってるの」携帯も持たないのに。

「わかんないこと、こまかく書いてんね」

だはは。


ぴぴっ
パシャ

と携帯機は、写真を撮る。


「フリージアだよ」


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ふりーじあ


きいろいはな

あかるいにおい


はるのはな




酒とつまみにはまだ早い
父は先に寝てしまうから


おたがいの最近あったこと
地震もあったし、弟の家族の話も、父の合唱の発表と、こないだの僕の芝居のこと。


黄色い桜を見た
明るいフリージアの香りに囲まれ


日が暮れ始め



もうすこし話してから
酒盛りだ。
















本日も訪問ありがとうございます。涼






アイスヘッド(氷頭)  (実家シリーズ③黄桜ふりーじあの続き)

  



 


     原初の森  (実家シリーズ①)

































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