交通事故被害者の方は遺憾ながら、様々な制約のもと、相手方損保会社と交渉していかないといけないことは、先に書かせていただいた通りです。それはいわば、手負いの素人がプロボクサーに立ち向かっていくようなものでしょう。

さて、それでは弁護士に依頼しようかとなったとき、迷われる方が少なくないと思います。司法試験合格者の増加に伴い、現在弁護士数は全国で3万人台の後半、京都と大阪だけでも5千人くらいになるでしょうから。
では、交通事故事案は弁護士なら誰でもできるのかというと、答えは断じてノーです。法律問題は多岐にわたり、それぞれ専門性が高いため、その方面・分野に詳しい弁護士でないと、充分な解決は難しいのです。
私の母のかかりつけ医は内科の先生です。高齢の母は身体の節々の痛みを訴えるのですが、そういうとき、その先生は「整形外科に行ってください」と言われます。その代わり内科については徹底的に診てくださるのは言うまでもありません。とても良心的な方だと私は思います。
弁護士の世界でも、同じようなことがあって然るべきではないでしょうか。