良質な物しか許されない時代

あらゆるものが長持ちするから

あまり買い替える必要がない

それは何も

お金持ちだけの特権ですらない

こんなにも満たされたら

もう何を買えば良いのやら分からずに

ただSNSサイトを漁る始末


目の前の人に

罵詈雑言を浴びせるなんて

もう犯罪だから

一人で居られるならそのほうが安全

だからこれから

人気になりそうなものとは

一人遊びが出来る物かもしれない

もしくは必要なものに

付加価値を加えたサービス


たとえば食堂

食事は誰もが必ず毎日する行為だから

ホームレス相手の炊き出しから

ビリオネア相手の高級レストランまでと

上から下までしかも色んなジャンルの

サービスが乱立している


おそらくすべての商品の作り手達は

そこに活路を見出すしかない


今使っている洗濯機なんて

職場でお古をもらい受けてから

二十年くらい使っているが

未だに壊れる気配すらない

それどころかあと何十年経っても

壊れやしないのではないか


一人暮らしの洗濯物の量なんて

たかが知れているから週一でしか使わない

極端な話をすると死ぬまで使っても

あと三百回も使う機会はない


およそ三十年前の電化製品ですら

これほど優れているのだから

それ以降に作られた製品なんて

インチキを加味しても

そうそう壊れやしないだろう


だから製造業の会社が

保険だの銀行だのを買収したり

まるで総合商社のように

まったくの異業種とタッグを組んで

多角経営をしたがるのも分かる気がする


一つのジャンルの商品だけでは

売上と人材を確保するのは難しく

働き手にとっても

色んな体験が出来る会社を

選んで遊べるほうが

楽しめるのかもしれない


食べ物以外はなんだろう

衣食住で言うと服と家

服も付加価値を着けやすいけれど

なにせUNIQLOの母国だから

ここがお洒落なブランドに変われば

一変するかもしれない


街中を歩く人達の

黒服率の高さは何なのだろう

名前にクロが入っているからと言って

何も洋服を黒で

統一しなくても良いだろうに

UNIQLOの服とは限らないけれど


地下鉄の通路を歩く無数の人達が

みんな黒い服を着て歩いている姿は

本当に葬列に見えて仕方ない

木々の葉が落ちたこの季節は

ただでさえ周りの景色も無色なのに

さらに皆が黒い服を着て歩いていたら

気が滅入ってしまわないだろうか


たとえば見る角度によって

色の変わるダウンジャケットなんて

面白くないだろうか

冬のオリンピックのハーフパイプの選手が

くるくる回るたびに色が変わるなんて

ウェアがあれば流行りそうなのに


家はどうだろう

クリスマスを前にして

イルミネーションを飾る家もあるだろうか

住宅街を歩く機会がないから

どうしても店頭の飾り付けされた

ツリーしか見ないけれど

クリスマスソングが流れる店内で

あの華やかに彩られた

クリスマスツリーを眺めながめると

それだけで心が弾む


夜景の綺麗な街だと

ビルも通りも煌びやかなイルミネーション

その絶景をインフルエンサーが拡めれば 

観光客も増えて

その街全体が活気づくかもしれない


町内会や自治会

市町村長も巻き込んで

町おこしイルミネーションなんていうのも

面白いかもしれない


真っ暗な曇り空に

プロジェクションマッピングで

星空を描いたらどうなるかな

ただの屋外プラネタリウムだから

イマイチかもしれない


飾るという行為は

食事も洋服も家でも出来るから

様々な付加価値が生まれそうだし

働くというのは義務だから

ここに楽しめる要素を加えると

全体の雰囲気も

明るくなるかもしれない


官僚のインフルエンサーとかで

人気官僚ランキングなんていうのが

あったら意外と国会議員より

人気が出たりして

そこから総理大臣が誕生する

そんな笑い話みたいな突拍子もない未来も

見てみたい気もするけれど