目的は気持ち良く
過ごす事
何かになる必要もなければ
何かを手に入れる事でもない
気持ちよくなるために
それが必要なら手に入れる
ただそれだけ
好きなことはなんだろう
ネガティブな性格のせいなのか
振り返るのが好きだ
薄く積もった雪についた足跡
あぁこんなにも一人で歩いてきたのかと
振り返るのがのが好き
幼い頃
箸を使う練習で
右の皿から左の皿へ
豆を移動させられた
最初は上手く掴めないし
面倒臭くて嫌だった
でも続けるうちに左の皿の
豆が多くなっていくのが
楽しくなった
大きなことじゃなくて良い
むしろ大きな何かをが起きると
驚いて落ち着かないから
つまらないことでも
確実に変化していく事が好きだ
幼い頃の夢は
ペットになる事
ただ愛されるための
存在に憧れた
それは大きすぎる夢だから
せめて家畜になろうと決めた
テレビで見た
ロボットみたいになりたかった
悲しくもならず
涙も流さない彼らみたいに
なりたかった
ロボットになるのは難しい
やりたくないことはやりたくないし
いくら練習しても
出来ないから嫌になった
自分の気持ちを切り離したかった
やりたく無い気持ちを捨てたくて
どうすれば良いかと考えた
だけど結局出来なかった
そんなチャレンジを
繰り返すうちに自分が消えた
心が冷たく凍りついて
動けなくて
感覚も麻痺して
それが辛い事だと理解できなくなっていた
もっと正確に言えば
そう考えられるようになったのはつい最近
思い出の足跡を巡るのが趣味だから
いつもどこかの場面を振り返っている
その時に幼い頃の自分は
心を凍られていた事に気がついた
不完全ではあったけど
あの頃僕は
ロボットになろうとして
出来損ないではあるけれど
ロボットになれていたんだ
気持ちに引っ張られて
目標に手が届いていたけど
ロボットになれても
気持ち良くはなかったな
面白い事に
気がつけば氷河期世代なんて
呼ばれている
心を凍らせて愛に触れずに
過ごしていたせいか
他人に好意を示されるのも
苦手になってしまって
未だに一人で彷徨っている
心の中の氷が溶けると
自分がどうなるのか
見てみたい気もするけど
ちょっと怖い気もする
自分ではロボットになれたと
思っていても
よくよく考えると
ちょっと動物チックだなとも思う
だったらペットや家畜にも
なれたと喜ぶべきなのかな
てもあんまり嬉しくはないな
目的は気持ちよくなること
だから
怖くても
辛くても
悲しくても
手に入れるべきものは
手に入れなければならない
それが違うのかな
今は心を解凍中