踏切で助けられた老人のことを思う。

きっと、
いくつもの重荷に耐えられず、死のうと思ったのだろう。

74歳にして、とてつもなく重い十字架をもうひとつ背負うことになった。

この先、死ぬに死ねない。

世間が許さない。

だれも救われていない事件ほど、痛ましいものはない。

明確な敵や悪者がいないぶん、やりどころがない。