10月1日(日) 新国立劇場 オペラパレス

 

プッチーニ/オペラ 『修道女アンジェリカ』〈新制作〉

ラヴェル/オペラ 『子どもと魔法』〈新制作〉

 

指揮:沼尻竜典

演出:粟國 淳

美術:横田あつみ

衣裳:増田恵美

照明:大島祐夫

振付:伊藤範子

舞台監督:高橋尚史

 

合唱指揮:三澤洋史

合唱:新国立劇場合唱団

児童合唱:世田谷ジュニア合唱団

管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

 

《修道女アンジェリカ》

アンジェリカ/キアーラ・イゾットン

公爵夫人/齊藤純子

修道院長/塩崎めぐみ

修道女長/郷家暁子

修道女長/小林由佳

ジェノヴィエッファ/中村真紀

オスミーナ/伊藤 晴

ドルチーナ/今野沙知恵

 

《子どもと魔法》

子ども/クロエ・ブリオ

お母さん/齊藤純子

肘掛椅子・木/田中大揮

安楽椅子・羊飼いの娘・ふくろう・こうもり/盛田麻央

柱時計・雄猫/河野鉄平

中国茶碗・とんぼ/十合翔子

火・お姫さま・夜鳴き鶯/三宅理恵

羊飼いの少年・牝猫・りす/杉山由紀

ティーポット/濱松孝行

小さな老人・雨蛙/青地英幸

 

 

「修道女アンジェリカ」は'18年に二期会で見て今回2回目

 

「子どもと魔法」は初めて見る

 

キアーラ・イゾットンは'21年新国立でトスカを歌って大感激

 

アンジェリカでも想像通りの素晴らしさで魅了された

 

公爵夫人の齊藤純子は当初のキャストから変更で出演

 

こちらも重厚な歌唱でイゾットンに引けをとらず

 

フランス在住で藤原歌劇団所属

 

新国立では'19年の「フィレンツェの悲劇」(ツェムリンスキー)などに出演

 

演出・美術は新国立劇場らしく、非常に大がかり

 

舞台は修道院だし、もう少しシンプルに転換などなくても良かった気がする

 

その点は二期会の演出(ダミアーノ・ミキエレット)に精神性があった

 

 

子ども役のクロエ・ブリオは新国立初登場

 

この演目でライブでのCDが出ていて、得意の役どころなのかも

 

子どもらしい、素直な声出しが個人的には好みに入っていた

 

その他のキャストは一人複数役で盛り沢山

 

その中でおいしいところは、火・お姫様・夜鳴き鶯の三宅理恵

 

夜鳴き鶯は'21年にストラヴィンスキーのオペラで演じた時を思い出した

 

空中から吊られたブランコに乗って登場したのは全く同じだったような?

 

「火」の場面ではバレエが入っていて見せ場の一つ

 

手元のキャスト表には振付師とダンサーの所属の記載がなかった

 

他に見どころは児童合唱が出演する「算数」の場面

 

「子どもと魔法」の演出はいろいろと工夫があって面白かった

 

いつもお堅い演目ではなく、こういうオペラにももっと取り組んだらいい

 

 

ダブル・ビルの公演にこの二つのオペラを選んで組み合わせたのはなぜか

 

キャスト表の裏のあらすじを読み、後から思い返して気が付いた

 

重さと軽さのギャップこそあれ、エンディングが同じだったのだ

 

子を想う母、母を想う子の裏返しになっている

 

オーケストラは弱音器を付けた弦楽器のニュアンスなど全体に良かったと思う

 

沼尻竜典は以前にN響で振った「マ・メール・ロワ」でも非常に良かった

 

ラヴェルは好きなのかも

 

 

 

ラヴェル/オペラ「子どもと魔法」より 終曲 “彼はおりこうです。とても優しくて、良い子です”

ミッコ・フランク(指揮)

クロエ・ブリオ(メゾソプラノ), フランス放送合唱団のメンバー

フランス放送フィルハーモニー管弦楽団, 2016年ライブ