1月29日(日) 東京文化会館 大ホール

【藤原歌劇団公演 2023】

 - 都民芸術フェスティバル 参加公演 -

 

プッチーニ/オペラ 『トスカ』〈全3幕〉新制作

 

原作:ヴィクトリアン・サルドゥ(戯曲「トスカ」)

台本:ルイージ・イッリカ、ジュゼッペ・ジャコーザ

作曲:ジャコモ・プッチーニ

 

指揮:鈴木恵里奈

演出:松本重孝

美術:大沢佐智子

衣裳:松岡直子

照明:成瀬一裕

合唱指揮:安部克彦

舞台監督:菅原多敢弘

副指揮:小松拓人、中橋健太郎左衛門

演出助手:手塚優子

 

合唱:藤原歌劇団合唱部

児童合唱:多摩ファミリーシンガーズ

管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

 

《キャスト》

トスカ/佐田山千恵

カヴァラドッシ/藤田卓也

スカルピア/須藤慎吾

アンジェロッティ/東原貞彦

堂主/泉 良平

スポレッタ/井出 司

シャルローネ/大塚雄太

看守/別府真也

牧童/中桐かなえ

 

 

1年ぶりに観る藤原歌劇団(前回は22年1月の「イル・トロヴァトーレ」)

 

28、29日(東京)、4日(愛知)の3公演、今日はダブルキャストの2組目

 

須藤慎吾以外の歌手は良く知らない、たぶん初めて聴く人ばっかり

 

 

すごかったのはカヴァラドッシの藤田卓也、独壇場と言っていいくらい

 

広い東京文化会館の端まで響き渡る、圧倒的な声量、芯のある声

 

冒頭一発目のアリア(妙なる調和)で観客のハートを鷲掴み

 

トスカの佐田山千恵は藤原歌劇団の本公演では今回が本格デビュー

 

声質はいいが、やや声量が足りない

 

1幕ではオーケストラに埋もれてしまって、声が良く聴き取れない

 

愛の2重唱でもカヴァラドッシの声量に隠れてしまう

 

しかし、オーケストラが落ち着く、3幕では主役の存在感十分

 

演技の方はまだまだこれからか、こなれていない印象

 

スカルピアの須藤慎吾は安定の配役、歌も演技も申し分なし

 

1幕ラストの合唱は素晴らしかった

 

指揮者の鈴木恵里奈はオペラの副指揮をずっとやって来て、叩き上げの人

 

2019年から、藤原歌劇団ではピットを任されるようになった

 

プッチーニは得意の様で、2年前の「ラ・ボエーム」がなかなか良かった

 

今回の演奏にもドライブ感があり、手堅いだけに留まらないものがあった

 

ゴージャスに鳴らしつつ、鳴らし過ぎないバランス感覚も良し

 

東フィルは自社定期演奏会と同日公演

 

金曜サントリー定期のブルックナーより、こっちの方が良かったような・・

 

弦楽器は人数は少ないながら(12型コンバス4?)、良く聴こえて来た

 

チェロのソロなどは秀逸

 

金管はブレンド感があって、大音量でも荒くもうるさくもならず

 

東京文化会館の天井桟敷(5階)だったのが逆に良かったのかも

 

美術・演出はオーソドックス、品格あるもので大変好ましい