1月2日(火) 新国立劇場 オペラパレス

 

新国立劇場バレエ団 『くるみ割り人形』〈全2幕〉

 

音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

オリジナル・コンセプト:ウエイン・イーグリング、トゥール・ヴァン・シャイク

振付:ウエイン・イーグリング

美術:川口直次

衣裳:前田文子

照明:沢田祐二

 

指揮:冨田実里

管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

合唱:東京少年少女合唱隊(合唱指揮/長谷川久恵)

出演:新国立劇場バレエ団、新国立劇場バレエ研修所、日本ジュニアバレヱ

 

《キャスト》

クララ/こんぺい糖の精:木村優里

ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子:渡邊峻郁

ドロッセルマイヤー:中島駿野

ねずみの王様:渡邊拓朗

クララ(こども):佐々木萊羅(らいら)

フリッツ:秋山 梶

ルイーズ:池田理沙子

乳母:関 優奈

シュタルバウム:中家正博

シュタルバウム夫人:関 晶帆

クララの祖父:渡部義紀

クララの祖母:益田裕子

ルイーズの友達:奥田花純、廣川みくり、加藤朋子

詩人:宇賀大将

青年:木下嘉人

老人:福田圭吾

聖ニコラス:佐野和輝

雪の結晶(ソリスト):渡辺与布、広瀬 碧

スペインの踊り:寺田亜沙子、原田舞子、中島瑞生

アラビアの踊り:渡辺与布、宇賀大将、小柴富久修、趙 戴範、森本晃介

中国の踊り:五月女 遥、樋口 響、渡部義紀

ロシアの踊り:小野寺 雄、金城帆香、関 優奈、橋本真央、服部由衣

喋々(葦笛の踊り):池田理沙子

花のワルツ(ソリスト):飯野萌子、廣川みくり、原 健太、福田紘也

 

2017年10月 新国立劇場 プレミエ

 

 

今年の“ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート”

 

とても良い内容だった

 

ヨハンではなく、ヨーゼフに焦点を当てたプログラムの構成

 

初登場曲とはいえ、ヨハンにはないヨーゼフの才能が溢れる名曲ばかり

 

笑わない人だ思っていたフランツ・ウェルザー=メストの終始楽しそうな表情

 

時折振るのを止めてオーケストラにまかせる余裕のある指揮

 

オーストリアの出身だし、もう毎年この人でいいんじゃないか、と思った

 

 

元旦明けて2日の今日、気分はすっかり年始のモード

 

年を越して1月まで「くるみ割り人形」をやっているとは知らなかった

 

本当はバクランが指揮の回がいいのだけど、キャスト含みで昼公演へ

 

2017年の新制作から六年目の公演

 

男性ダンサー1人三役の分かりにくい演出はさすがに覚えた

 

違和感のあったクララの姉という元にない人物設定にもそれなりに納得

 

1幕の前半がルイーズ(池田理沙子)の見せ場になっていて配役に感謝

 

2幕の“蝶々”を含め、見た甲斐があった

 

「松林の踊り」のシーンの背景が紗幕だったのは少し残念

 

演出上の意図はあるのだろうけれど

 

「雪片のワルツ」の児童合唱はピット脇の2階バルコニー(R1列、L1列)

 

びっくりするくらい美しい合唱だった

 

雪片の場面の背景画は立体感がなく安っぽくてやっぱりちょっと残念な感じ

 

雪片のワルツの後半でねずみ達がちょこまか動き回るのは変わらず、止めて欲しい

 

しかし泣けるはずの“松林の踊り” ~ “雪片のワルツ”で、実はあまり泣けなかった

 

バレエより、たぶん演奏の問題

 

2幕のディヴェルティスマンは新国立らしい上品な仕上がり

 

客席アピールの時間をとって落ち着いた進行、悪く言えば冗長

 

あまり間を空けず、スピーディな展開の東京バレエ団版とは印象が随分違う

 

新国立ではロシアは男性だったか・・、振付を含めてロシアっぽい?

 

ここは、東バの女性が踊るキレキレの振付の方が好きかな

 

やっぱり新国立版ではディベルティスマンの見せ場は“蝶々”

 

となりの席の人が、一体何の蝶々?と言っていたけど、たしかに・・

 

肝心のプリマ

 

最大の見せ場の「こんぺい糖の踊り」で思いっきりこけちゃって・・

 

カーテンコールで回りが気遣っている様にも見えたし、怪我じゃなければいいが

 

普通に考えれば、プリンシパルとしては大失態

 

他のパ・ド・ドゥがいくら良くても帳消し以上

 

オーケストラ(指揮者)は予想通り、鳴らし過ぎで辟易

 

特に金管、特にトロンボーン

 

やけっぱちででかい音を出しているみたいで、まるでセンスなし

 

今回の公演、指揮はバクランと冨田で分担

 

こういう場合、奏者は指揮者によって演奏の仕方は変えるのだろうか

 

オーケストラ全体も、くるみ⇒ジルベスター⇒くるみの日程でお疲れ気味なのか

 

木管含めて管楽器は今一つ

 

 

 

ヨーゼフ・シュトラウス/ワルツ「まひわ」Op.114

クリスティアン・ポラック(指揮)

スロヴァキア国立コシツェ・フィルハーモニー管弦楽団, 2001年録音