太陽の下の10万ドル」と「恐怖の報酬

 

70歳以上でかつて洋画ファンだった人なら

この二つの併記が何を物語っているかすぐに分かるはず。

 

どちらもトラック野郎のクライム・サスペンス映画なのだ。

前者は運ぶ荷が高価な武器、

後者の運ぶ荷はニトログリセリンというところがちょっとスリル感のツボが違っているが...

 

太陽の下の10万ドル」1964 フランス

当時(高校時代)、試写会で観た。

音楽はジョルジュ・ドルリュ、緊迫感のあるBGMが素晴らしい。

 

そして何と言ってもジャン=ポール・ベルモンドvsリノ・ヴァンチュラの対決がグッド!

二人とも好きなフランス俳優だ。

 

遊び人のトラック・ドライバー、ベルモンド演じるロコが

同僚ハンスが運んでいる高価な積荷(10万ドルの武器)をトラックのまま盗み、助手席に恋人を乗せ逃走。

そしてリノ・ヴァンチェラ演じるエルベ(ロコの親友でもある)が運送会社から高額な報酬で頼まれ

ハンスと共にトラックで追跡。

 

モロッコからナイジェリアまで輸送する予定の武器を強奪する設定。

当時のナイジェリア紛争が背景だが、映画としては社会情勢はどうでも良く、

スリルとサスペンスの連続活劇。

砂漠での追跡・逃走劇がたまらない。

(1977年にアメリカ版でリメイクされたが、政治紛争の部分その他てんこ盛りに姿が変わっている;笑;)

 

いやはや、ベルモンドはあの顔で良く女にモテる役をやることが多い。

実際、当時アラン・ドロンと人気を2分していた。

しかしこの映画の中では最終的に女に捨てられる(裏切られる)オチとなっている。(ネタばれ失礼)

追跡していたエルベがとうとうある街の酒場でロコを見つけ殴り合いとなるが、

実はロコは女に裏切られ、すべて持ち逃げされてしまったと言い、二人は傷だらけの顔で見つめ合い高笑いで幕。

こういうスジはアラン・ドロンの映画には無かったと思う。ベルモンドリノ・ヴァンチェラならではEndだ。

監督は『地下室のメロディー』、『ダンケルク』(旧作)で知られる名匠アンリ・ヴェルヌイユ

 

 

恐怖の報酬」1953 フランス

こちらはリバイバル上映(1964 頃)を鑑賞

監督:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー

出演:イヴ・モンタン

国際映画祭で賞をいくつか獲っている。

 

こちらは追跡・逃走劇ではなく、2台のトラックは仲間であり、

片方でも良いから目的地まで運べればOKというオファーで

超危険なトラック輸送を引き受けるクライム・サスペンス映画だ。

 

500Km先の油田火災を吹き飛ばして消化すべく運ぶ大量のニトログリセリン

ひどく揺れすぎたり、強いショックを与えると爆発してしまうという恐怖が最後まで。

 

たいした仕事が無く食い詰めていた男たちが、2000ドルでニトロ運びをトラックで引き受けることを、

『恐怖』に対する『報酬』だと登場人物が吐露しているシーンもあった。

 

太陽の下の10万ドル」と違ってこちらの映画はトラックの運転そのもののスリルを追求している。

砂漠あり山岳ありのメチャクチャに危険な行程だ。

結局、2台のうちの1台は途中の山岳でちょっとしたことにより大爆発。

しかしイヴ・モンタン演じるマリオは無事油田までの運搬に成功、現地で大歓迎となる。

普通はここでハッピーエンドなんだろうが

この映画では喜んで帰るマリオが途中で浮かれすぎて運転を誤り崖から転落してジ・エンド。

ひどい幕切れだ。ちょっぴりバカバカしい(笑;)が、そこまでを含めての恐怖の報酬だったということだ。

 

このようにストーリー的には全然違う映画だが、

何しろトラックによる運搬という一つだけで二つの映画がダブってイメージされ、

きっと多くの人々が同じ印象を持っているだろう!

おっとある程度の年代以上に限定だった(どんどん年寄り向けの材料になって来る;;;汗;)