ぼくときみ -10ページ目

またね

またね


またあした


また…



いくつものを重ねて


またとない今という瞬間に



またきみと逢いたい

ひらり、ふんわり、まんまる、きらり。

ぼくのきもち。

例えば

きみが目の前に落ちてきた実を拾って食べたなら、

ぼくは…
次に落ちてくるのを待つんだろうか…。




ぼくの前にも同じ実は落ちてくるの?





きみは、拾った実を半分に割ってぼくに差し出す。


ぼくにはもうそれがすべてだった。

ただ落ちてくるのを待ち続け、
きみとの距離を縮めようとしながらも遠くに感じる日々を送り、
何もできないぼくは待つことに慣れる。



だけれど今、
ぼくの前にあの実が落ちてこようとわかっていたとしても、

もう待つことはない。


ぼくが欲しかったのは、

まぎれもなく差し出されたきみの手なのだから。