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賃料減額のブログ

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3.必要諸経費

J.修繕費

甲27号証の、被告の新築のマンションで修繕に必要な額が、月額125円/ であり、これを対象不動産(201号室)の月額にすると4,800円、年額で、57,600円となる。これを修繕費とする。


K,L.維持管理費、及びPMフィー

  年間実質賃料の3%とする。 前回の鑑定書(甲45号証)では、年間実質賃料の3%となっており、PMフィーは計上されていない。


M.公租公課

  原告提出の平成19年の対象不動産(201号室)の敷地を含む土地の固定資産評価証明書(甲26号証)から、対象不動産(201号室)の敷地(固定資産評価証明書の土地は555.19 なので、そのうち143.03m 分)の税額93、498円

と対象不動産(201号室)の建物の税額204,235円の合計297,731円(固定資産税1.4%及び都市計画税0.15%の合計)に配分率をかけたものが、価格時点の値となる。

 297,731円×0.1397 = 41,593円となる。

 各時点での値は、土地については、価格時点の土地の税額に時点修正率を乗じて算出し、建物については、経過年数による経年減点補正率(甲20号証 別紙2)により、価格時点を1として、補正して算出した。


N.減価償却費

  乙6号証の計算と同じで、建物積算価格を残存する耐用年数で除したものに配分率を乗じたものとする。

 建物積算価格は、11,600,000円で、残存する耐用年数は15年なので、

11,600,000円 ÷ 15 × 0.1397 = 108,000円

となる。(百の位で四捨五入)

 各時点の減価償却費は、この値から変化しないものとした。(乙6号証に同じ)


O.損害保険料

 乙6号証の計算と同じで、建物再調達原価の0.1%に配分率を乗じたものとする。

 55,200,000円 × 0.1% × 0.1397 = 7711円

 各時点の値は、各時点の建物再調達原価の0.1%に配分率を乗じた。


P.その他費用(貸倒れ準備費等)

 貸倒れ準備費に関しては、乙6号証の計算と同じく、一時金にて担保されているために計上しない。また、その他費用に関しても、乙6号証の計算に従いなしとする。


以上の合計より、各価格時点の必要経費が算出でき、算出したものを以下に示す。(表がブログに載りません)


3.入居時、および賃料値上げ各時点での利回りの算出

各時点の年間実質賃料は、年間賃料+敷金の運用益となる。敷金は2か月分であり、運用利回りは年2%とする。年間実質賃料は、純賃料+必要経費であり、各時点の純賃料は、各時点の基礎価格×利回りx%で算出されるので、

年間実際実質賃料 = 純賃料+必要諸経費

純賃料 = 基礎価格×利回りx%


よって、利回りは以下の式で求められる。

利回りx% = 純賃料/基礎価格

利回りx% (年間実際実質賃料 - 必要諸経費)/基礎価格


以下に算出したものを示す。(表が載りません)



以上のように、入居時点の利回りは、約3.3%、その後の2回の賃料改定時の利回りも、2.8%から3.3%程度であり、土地の価格の上昇と共にほぼ適切な利回りとなっていることがわかる。しかし、最終賃料改定時点では、土地が下落しているにもかかわらず賃料を増額したために、4.9%という突出した利回りとなっている。価格時点の利回りに至っては9.4%とあきらかに異常な利回りとなっていることがわかる。

 

4.利回り法による賃料

 採用する利回りは、入居時の利回り3.3%とする。

 建物及びその敷地の基礎価格は10,600,000円なので、

 純賃料は、10,600,000円 × 3.3% = 349,800円となる。

 年間実質賃料 = 純賃料 + 必要諸経費

 である。必要緒経費の中には、年間実質賃料の3%である維持管理費が含まれているので、価格時点の必要諸経費から維持管理費を除いた金額と年間実質賃料の3%を加算した額になるので、

 年間実質賃料 = 349,800円 + 214,905円 + 年間実質賃料×3%

        = (349,800円 + 214,905円)/0.97

        = 582,170円 となる。

 年間実質賃料は 月間支払い賃料をXとして、2か月分の敷金を年2%の運用利回りで運用するとすると、

年間実質賃料 = 12×X + 0.02 × 2 × X

       = 12.04×X

X = 582,170円/12.04

  = 48、000円 となる(百の位で四捨五入)