夜中、母が入所している介護施設の職員から携帯にメッセージがあり、

母が顔面蒼白で酸素飽和値が低下したため、救急車で運ばれたという連絡が残っている。

 

数時間前に職員の方から母が転倒をし、骨を骨折してしまったという話は聞いていた。

かかりつけの医者に診てもらったのだが、

そこでの診断結果は、痛みが治るまでしばらく安静、

その後、筋肉の力が弱まらないように

早めにリハビリに取り組みましょうということだった。

 

介護職員が目を離したすきでの出来事だそうだ。

全く何をしているのだろうかこの施設は?

とも思うべきだろう。これで何回目の転倒なんだ!って叱るべきだろう。

 

もっと介護施設に対して責任を問うべきだったかもしれないと

今振り返ると思うのだが、どうなのだろうか。

その時は母が無事なのかどうかの

情報を早く知りたいので、これからの関係性も考えると、

施設側に対して文句を言うことなど

考えもつかないのである(母は過去に介護施設を退所させられた経験がある)。

むしろ、私ではそのような状況下では慌てるばかりで

職員がいてくれて対応してくれたことに感謝をしていた。

 

転倒による骨折は母にとっては災難だったが、

意識はしっかりしていたので状況は落ち着くだろうと思われた。

母は高齢だがとても元気でこれまでも何度かリハビリを必要とする

状況はあったがその度に頑張って、乗り越えてきた。

今回もそうしてくれるだろうと期待をした。

ところが、事態は急変。

これが高齢者の恐いところかもしれない。

 

仕事先での会議を終え、携帯を見た瞬間、大変なことが起きていることに気づいた。

こんな夜中に着信歴がすごいことになっていた。

胸騒ぎがする。留守録を聞かずにすぐさま電話をかけた。

「お母様の様子がおかしかったので救急車を呼んで病院に搬送してもらっています。

うちのスタッフが付き添っていますので携帯番号をお伝えします。」

「少しお待ち下さい。ペンを取り出してメモします。」

と今朝売店で買った新聞の端をバッグから引っ張りだし、

電話番号を書き出すと、4桁目からなんとインクがなくなった。

つくづくこういう時の自分の運のなさを痛感。それはともかく、

無事連絡がついてスタッフに話を聞いたところ、

受け入れてくれる病院が見つからないらしい。

救急車の中ですでに40分が経過していた。

 

これが新型コロナにより、引き起こされている医療の逼迫なのだろうか。

とりあえず私は母が搬送されている救急車が止まっている付近に

急いで向かうことにした。

 

つづく

 

次回 延命処置はしますか?