計測工房社長・藤井拓也のブログ

マラソン大会などのスポーツイベントのタイム計測のプロフェッショナル、株式会社 計測工房の社長である藤井拓也のブログ。


テーマ:

昨日は和歌山県の那智勝浦町において、
第20回奥熊野いだ天ウルトラマラソン

開催され、計測工房でタイム計測を担当

させていただき、私・藤井が計測ディレクター

を務めさせていただきました。

世界遺産の那智の滝をスタートし、同じく

世界遺産である補陀洛山寺(ふだらくさんじ)

にフィニッシュする100kmウルトラマラソン

です。(65kmの部、80kmの部もあり)



スタート地点は那智の滝。
この地域は2011年9月の台風によって
甚大な被害を受けました。あれから6年
がたちますが、当地にいまだ傷跡は残
り、自然への畏敬と畏怖の念を常に
思い出させてくれます。



スタート前、那智の滝の入口付近に
タイム計測用アンテナマットを設置し、
出走チェックをおこないました。


100km部門は朝5時スタート。
ご覧のように本当に那智の滝の目の前

からスタートします。唯一無二、ここにしか

ないオンリーワンのロケーションです。

なお、65km部門と80km部門のスタート地点

は離れた別の場所になるため、参加者の

皆さんはバスで輸送されますが、それらの

参加者の皆さんもスタート前に必ず那智の

滝で完走祈願をおこないます。

 

 

レース中の風景。

(計測工房スタッフU氏撮影)

 

 


今大会ではスタート、フィニッシュ以外に

途中3ヵ所を計測。
こちらはエイド18番折り返し地点です。
(計測工房スタッフK氏撮影)
地面にはタイム計測用アンテナマット
が設置してあります。



こちらは、エイド27番井鹿会館です。
(計測工房スタッフU氏撮影)
地面にはタイム計測用アンテナマット
が設置してあります。



(計測工房スタッフU氏撮影)
今大会では100kmのコース中に32ヶ所
ものエイドステーションが設置され、
各種ドリンク、バナナ、いちご、みかん、
そうめん、豆腐、水ようかん、梅干、
あめ、チョコレート、地元の色川紅茶、
めはり寿司など、ふんだんな食材の
提供があります。

エイドステーションには、「次のエイド
ステーションまであと○○km」、「次の
トイレまであと○○km」などの丁寧な
案内も書かれています。
参加者の皆さんからの感想でも「エイド

での充実したおもてなしが素晴らしい」

という絶賛の声がたくさんあります。

エイドを運営する地元ボランティアの

皆さんと交流できる場でもあります。




熊野のシンボル、八咫烏(ヤタガラス)。
三本足をした神の化身であるヤタガラス

は日本サッカー協会のエンブレムでも

おなじみ。熊野では至るところで見かけます。



フィニッシュ地点は補陀洛山寺
(ふだらくさんじ)。
地面にはタイム計測用アンテナマット
が設置されています。
なお今回の計測は参加者の皆さんの
ゼッケンに装着したICチップでおこない
ました。



補陀洛山寺(ふだらくさんじ)。
建立は4世紀(仁徳天皇の治世)という
由緒あるお寺。



南海の観音浄土(補陀洛浄土)を目指
しておこなわれた一種の捨身行が、
補陀洛渡海です。
平安時代から江戸時代までこの補陀洛

山寺の住僧たちが那智の海岸から渡海

しました。その模型展示です。



フィニッシュ地点にコンテナハウスが設置

され、そこが私の仕事場の記録室です。
ここでスタート人数、途中通過情報、フィ

ニッシュ集計などおこないます。
途中リタイア情報も随時入り、人数管理

データをまとめます。計測工房が培って

きたトレランのノウハウも取り入れています。



フィニッシュの手前150mほどのところ
にもタイム計測用アンテナマットあり。



フィニッシュ手前150mほどのアンテナ
マットを通過した選手のゼッケンと氏名
が本部テント内のモニターに表示され、
MCさんがフィニッシュする選手の名前
を1人1人アナウンスしてくれます。



フィニッシュ手前はボランティアの人垣が
あり、フィニッシュする選手を出向かえます。
ここで選手は花一輪を渡されて、それを手

にフィニッシュへ。
 

 


花一輪を手にフィニッシュ!

フィニッシュテープを持っている美しい衣装

の女性たちは、いにしえより伝わる「熊野

詣で」の平安装束に身を扮しています。

フィニッシュテープは優勝者だけではなく、

全完走者に張ってくれます。

長い旅のフィナーレです。


160424-2
平安装束での「熊野詣で」。駅看板より。



フィニッシュすると、おしぼりサービス
あります。そして「手書き完走木札」を
かけてもらえます。

木札は、地元の熊野に数十年こだわり

続ける、新宮市のタウン誌『かまん・くまの』

の編集発行人である見臺洋一氏が1枚

1枚すべて直筆で書き上げたもの。

毎年異なる言葉が添えられ、2018年は

「成華(せいか)」。

今年、大会は20回という節目を迎え、
努力がご褒美に「成り」、その喜びと誇り

が放つのが結果という「華やかさ」という

意味が込められています。




フィニッシュ後は各自のタイムと順位の
印刷された完走証
が発行されます。
なお、完走証が雨や汗などでグシャグシャ

にならないように、1枚1枚クリアフォルダー

に挟んで手渡されています。



完走証の用紙の裏面のメッセージに
選手の皆さんは気付かれたでしょうか。


今大会の特徴の1つとして、当日の体調

にあわせて完走が無理だと判断した場合、

走っている途中で距離を変更してショート

カットしてフィニッシュできる制度があります。
なお、ショートカットコースに変更した場合、

オープン参加となり順位は付きません。



フィニッシュ会場では各種の飲食物提供

がおこなわれ、完走した皆さんに、うどん、

豚汁、ぜんざい、などがふるまわれました。



走り終えた参加者の皆さんが思い思い
に飲食しながら、くつろぎます。
旅の大団円。



うどんのクオリティがとても高いです。



100kmの制限時間は14時間40分。
夜までフィニッシュは続きます。



今大会では10回完走または5回優勝に

相当する累積ポイントを溜めることにより、

奥熊野韋駄天(いだてん)」の称号が

授与されます。「奥熊野韋駄天」になると

ゼッケンが数字ではなく「名前ゼッケン」

になる名誉が与えられます。

 

この大会はすべてにおいて手作りで、
参加者へのおもてなし、ホスピタリティ
が溢れる素晴らしい大会です。
ここまで写真で紹介した内容以外にも、

●エントリー時に参加賞の有無を選択
 できる(参加賞なしだと参加費値引き)。
●大会前日には前夜祭あり。
●当日朝は各ホテルを巡回してスタート
 地点まで送迎してくれるバス手配あり。
●レース後には温泉無料サービスあり。
●大会後日にはフィニッシュ写真入り
 完走証が送付あり。

などなど、おもてなしの心が満載です。

交通の便が良いとは言えない奥熊野の

地ですが、ここにしかないロケーションで、

これだけの内容の大会は、評判が評判を

呼び、全国からの参加者がいます。

神社(那智の滝)をスタートし、お寺(補陀

洛山寺)にフィニッシュ。神に見送られ、

仏に迎えられる大会です。神様も仏様も

一緒になって参加者を受け入れてくれる、

熊野の風土の懐の深さを感じます。



大会実行委員会の関康之会長。

(2017年撮影)

 

今年は節目の20回大会を迎え、全国から

700名以上のエントリーがありましたが、

第1回大会のときは出走わずか41名。

その後も10回大会までは100名以下という

小さなウルトラマラソンでした。

それが今や、これだけの一大イベントに

成長してきました。

関会長は、次は30回を目指すと高らかに

宣言されています。

 

最後に、今回一番印象的だった写真を。

 

大会プログラムにて4ページにわたっての

カラー写真で、大会を支えるボランティア

の皆さんを盛大に紹介しています。これ

だけでこの大会が何を大切にしてきたか

わかります。

 

20回を超えて、次は30回へ。

 


This is timing man.
We are professional timing man.
Born this way.
This is an everlasting journey.


今回も一期一会の貴重な仕事の
機会を頂戴したことに感謝です!
この現場が次の現場に繋がり
ますように。

 

 

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