彼女と付き合い始めてもうすぐ3ヶ月。
思い返せば、彼女と付き合う前というのは、本当に人生についても諦めていたし、長く生きることの意味さえ見失っていた。
それは、婚約破棄や縁談の破談、仕事では懸命にやっていたことに虚無感を感じたり、いいと思った会社は倒産、多額の負債を抱えてその返済をするために仕事に奔走していた日々。ある時から全てのことに期待をするのをやめたと言ってもいいのだろうか。
自分の人生ってなんだったんだろうか…そう考えたって答えは出ない。神様に祈ってもその起きた事実には従うしかない。神様もいつの日かこのほんとうの意味を教えてくれる、それまで自分は生きてるのだろうか。
そんな事を考えていた。
この年は亡き母の七回忌。母が他界して6年が経つ年。
どうして母ちゃんは僕を置いていったのだろう…と思ったところで死人に口なし。
もうそろそろ僕も母ちゃんのところに行きたい、
そう思いながら、亡き母親の七回忌の法要の前夜、
喫茶店にひとりで過ごし、神様にひたすら祈った。
これでだめなら僕は自分の誕生日に命を絶とう。
そう思いながら、一粒のかけらのような希望を神様に祈った。
どうか、ほんとうの意味で安定し、幸せな家庭を築けるパートナーと仕事と環境をお与えください。
と。
亡き母親の法要の午後だったかその翌日に、
彼女との出逢いは訪れた。
僕はただ登録とその期限がもったいなくて惰性でなんとなく放置気味にしていたとある大手のマッチングアプリで、同じクリスチャンの人がいいなと思いながらもどうせそんなもん、と諦めていたところへ…
彼女からのアプローチ。
最初は期待しない気持ちでいながらも、自分に関心を持ってくれたことに感謝の気持があり、やり取りを始めた。
彼女からのアプローチには最初自分はどうしたもんか…僕でいいのかな…と思ったけれど、話しを重ねていく中で真摯にやり取りをしてくれる彼女のことが本当に心のともしびになっていった。仕事に奔走し人生にも投げやりになっていた自分にとって本当に希望だった。
また、同じクリスチャン同士で仲良くなったグループができ、山登りをしたり、分かち合いをしていく中で彼女が僕にとって大切な存在となっていたことに気づいていく自分がいた。
そして、いい夫婦の日。その日の夜に、
彼女に投げかけをして、彼女に自分の思いの丈を話してお付き合いを始めた。
ただ彼女とは岩手と愛知の超遠距離恋愛。
東京までの距離の倍はある。
最初はたどたどしかったりもしたけれど、
初めての東京駅でのデートの時、彼女のホワッと包み込む安心感となぜか初めて会ったとは感じない不思議な感覚が彼女のことをさらに大切に思うきっかけとなった。彼女はカバンの中から大事そうにしていたものを出して、誕生日プレゼント、と渡してくれて思いがけないことに半端な反応をしてしまった自分だけど、嬉しかった。また、これ、この本とってもいい本なの!よかったら貸すから読んでね。と。僕が読むと彼女は嬉しそうに説明を一つ一つして、嬉しそう。彼女は阿部寛が好きなようで、阿部寛の話をすると盛り上がった。そして、僕の地方の方言である、「しらんけど」にはなんでなのかウケてる。
色々と東京駅を案内してくれるけれど、どこか心もとない、でもその一生懸命さ。
東京駅のマックに入ろうといったのは彼女だけれど、人がいっぱいいて顔が不安そうにしていたけれど、それを悟られまいとするところ。
思わずそうゆうところがかわいいなって思ってしまった。
僕は割といい加減なところとか、人前ではよく言えば遠慮しがち、悪く言えば外面だけいいところはある。
それでいて、繊細で不器用だったり。
こんな自分のどこが彼女がいいと思ったんだろう…と不安になる時が今でもある。
そんな彼女は長年、保健師として働いてきているいわばキャリアウーマン。僕からしたらその仕事への熱意やひたむきな思いとかは尊敬するし、頭が上がらない。
それとは相反するように僕は欠落人間。
彼女はそうじゃないというけれど。
最初は彼女のことを信じることに時間がかかってしまい本当に心配や振り回して…本当に今となってはごめんなさいとは思う。
彼女や家族や職場を巻き込んだ、自◯未遂のときには本当に心配をかけたなぁ。
でも、彼女がいてくれたから、僕はもう一度改めて立て直しをすることができた。
そして、彼女が住む岩手にも初めて行った。
彼女のご両親が温かく迎えてくれたときには本当に嬉しかったし、感謝の気持ちと神様への感謝の気持ちがいっぱいだった。
この3ヶ月彼女とも喧嘩や言い合いもしたけれど、
お互いを知る作業だったには変わりはないし、
お互いが神様によってつくられていき、本当に意味での良い結婚ができる、良い家庭ができるようにこれからも迎えられたらな。
2人で楽しいことはたくさん、もいいけれど、
本当に辛い時にこの人となら大丈夫、
そう思える彼女だと思えるし、そのことを裏付けるようなことをこれからの時間で紡いで積み重ねていけたらって思う。
世の中は理不尽でいっぱいだけれど、
彼女と一緒ならさらに大丈夫、そう思えるようにこれからも頑張りたいな。